2025年5月31日土曜日

 

牧師の日記から(521

 525日(日)千代田教会の主日礼拝は、上垣勝牧師が講壇を担当してくれた。礼拝後、上垣牧師を囲むお茶の会が行なわれ、大森さんの司会で盛り上がったとのこと。私は深川教会の創立70年記念礼拝に招かれて説教を担当し、午後の記念会に出席した。深川教会は、私が責任を負った最初の教会で、この教会で直子さんと結婚し、3人の子どもたちも次々に生れた。その意味では深川教会は牧師としての私の原点であり、また私たち家族の出発点でもある。懐かしい教会員の方々に久しぶりにお会いして、お互いに年齢を重ねたことを確認し合った。

 26日(月)この日から会堂改修工事が始まる。9時に金井工務店の社長金井伸夫さんが来られて、工事請負契約書を取り交わす。会堂の周囲に足場を組み、先ず屋根の補修工事から始めるとのこと。10時から日本クリスチャン・アカデミーの理事会にZoomで参加。この20年ほどNCAの評議員・理事として責任を負ってきたが、この日が最後の理事会となる。コロナ禍での財政危機を乗り越えるための苦労や、そのために世代交代の時期が遅れたことなどを思い出す。ともかく一区切り着いてホッとする。その後、富士見町教会での東京教区総会に出席。昼食休憩の時、信徒議員として出席されていた橋本茂さんと落ち合い、飯田橋で一緒に昼食。橋本さんが美味しいお寿司をご馳走してくれた。教会総会議事録の審査を受けて4時過ぎに帰宅。

28日(水)午前中は、長老会のアジェンダ作成や各報告書の作成作業など。午後、NHKのティレクター奥秋聡さんが訪ねて来られて、8月にラジオ放送予定の「教会の戦争責任」の打ち合わせ。その後、上垣勝先生が来られて、先日の礼拝後の懇談が楽しかったとのこと。夜は、来週の定例長老会のアジェンダ作成。

29()午後、大森さんと一緒に荒井眞さんを東邦鎌ケ谷病院に見舞う。元気なのだが、リハビリの現状と荒井さんの認識にズレがある。初期の認知症もあるのかも知れない。大森さんがご家族の相談に乗り、色々アドバイスされていた。弟の博さん夫妻も見舞に来られ、帰りは教会まで車で送ってもらった。

30日(金)午前中、キリスト教会館管理組合委員会にZoomで参加。この日は雨が降り、工事はお休みとのこと。(戒能信生)

2025年5月25日日曜日

 

2025年6月1日 午前10時30分

復活節第7主日礼拝(No.5)

             司式 石井摩耶子

前  奏  黙想     奏楽 釜坂由理子

招  詞  93-1-44

讃 美 歌  8

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  14・1-

讃 美 歌  117

聖書朗読  エレミヤ書10・1-

ヤコブ書1・12-18

祈  祷

讃 美 歌  329

説  教 「試練と誘惑」

                 戒能信生牧師

讃 美 歌  538

使徒信条 (9341A

献  金  対外献金「奄美地区宣教自立協議会のために」    鈴木志津恵

報  告  

頌  栄  28

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

・教会学校 お話し・大森伝道師、奏楽・戒能直子

・礼拝後、定例長老会

・礼拝堂の後ろに飲み物が用意されています。水分補給にご利用ください。

 子育て相談カフェ通信① 

4月から木曜日の午後、「子育てカフェ」を開こうと計画しましたが、今のところまだ誰も来ておりません。そんな折、週報の「牧師の日記」に、月1回書いてみたらとのことでしたので、少し経緯と宣伝?をしたいと思います。

私はもともと人前では緊張する性格のせいもあり、仕事でも教会でもずっと子どもと関わってきました。今にして思えば子どもの前では自由になれる、そんな感覚があったのかもしれませんし、単に末っ子であったために弟や妹に憧れていたのかもしれません。そんな私が、子どもから教えられるのは、いつもどんな時も可能性に満ちている、未来に開かれているということです。ただ、現実の現場での言葉でありていに言えば、子どもたちは、たくさんの悩みと不安をいっぱい抱えている、そうした姿に出会っているとも言えましょう。そして、かつての子どもであった親もまた、同じなのです。今、小学生の子どもたちと、その親御さんたちから、いろいろと話を聞いていますと、まあ自分もそうだったなあ、でも今だからわかるけど、あの時はわからなかったなあと振り返らされます。

先日もこんなことがありました。不登校の5年生の「トイレ」問題。緊張するとトイレが近くなり、何度もトイレに行ってしまう。友だちにからかわれたのが学校に行けなくなったきっかけです。今もトイレのことが心配で、学校に行けない。実は、私自身が昔からトイレが近く、緊張するとさらに近くなるという問題の当事者であったために、とても共感しながら話を聞きました。そして、それは自分の特性だから、受け入れていけば良いと伝えました。そうした話をしていると小さな気づきがたくさんあります。実は「子育て相談カフェ」とは言うものの、伝道師として子どもだけでなく、かつての子どもである大人の方の、今とこれからにも関わっていけたらと思っています。

「子育て相談カフェ」は教会がそうであるように、子どもと大人に開かれています。雑談から始まり雑談で終わる。でも、教会という場にあって豊かな恵みが訪れる。そんなことを願っています。関わりが希薄な時代にあって、かつての八百屋のおじさんや銭湯の番台のおばさんのように、気軽に「最近どう?」と声をかけられたらと思っています。対人関係で緊張する私ですが……。

宣伝は小さく、希望は大きく、と思いながら「子育て相談カフェ」の宣伝は教会のバラの花に囲まれています。

             (大森意索)

2025年5月18日日曜日

 

2025年5月25日 午前10時30分

復活節第6主日礼拝(No.4)

             司式 大森 意索

前  奏  黙想     奏楽 釜坂由理子

招  詞  93-1-44

讃 美 歌  11

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  13・1-

讃 美 歌  333

聖書朗読  ルカ福音書15・11-24

祈  祷

讃 美 歌  60

説  教 「正気の沙汰ではない」

                 上垣 勝牧師

讃 美 歌  271

使徒信条 (9341A

献  金              戒能 直子

報  告  

頌  栄  27

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

・教会学校(休校)

・礼拝後、上垣牧師を囲むお茶の会(司会・大森伝道師)

・週報発送作業

・らふぁえる練習

・戒能牧師は深川教会創立70年記念礼拝の講壇奉仕で出張しています。

 

・礼拝堂の後ろに飲み物が用意されています。水分補給にご利用ください。

2025年5月17日土曜日

 

牧師の日記から(520)「最近読んだ本の紹介」

 高妍『隙間①②③』(KADOKAWA)台湾の若手漫画家の作品。村上春樹の『猫を捨てる』の印象的装画で、この作家を知った。台湾の美大生が、沖縄の美術大学に留学して来た日常を淡々と描いているのだが、繊細なタッチと主人公の女性の微妙な心の揺らぎがマッチしていて、独特の世界が拡がる。それに加えて現代台湾の政治状況が濃厚に反映される。228民変や国民党の白色テロ、それに抗する台湾独立運動の歴史が、現在のMainland Chainaの政治的軍事的圧力と重ねて紹介されている。現在の日本のマンガでこのようにリアルな政治的な問題が取り上げられることは稀なので、新鮮に感じさせられた。

沖浦和光『天皇と賎民の国』(河出文庫)桃山学院大学の学長も務めた著者が長年取り組んできた被差別部落の歴史と天皇制の関わりを厳しく抉り出している。改めて教えられたのは、戦後間もない時期にマスコミや出版界で話題になった江上波夫の『騎馬民族襲来説』が、戦前の神権天皇制を批判する文脈で受け入れられたという指摘。つまり天皇家は万世一系の神話に由来するのではなく、朝鮮半島から襲来した騎馬民族の末裔とされ、そのカリスマ性を相対化する意味合いがあったというのだ。

沖浦和光『宣教師ザビエルと被差別民』(筑摩書房)以前この欄で紹介したことのある本書を本棚から探し出して再読した。以前読んだときは、自分に関心のある部分を拾い読みしただけだが、今回は全体を精読した。著者はインドやインドネシア、マカオ、そして日本におけるイエズス会の宣教の足跡を丁寧に追い、ザビエルたちの伝道の姿勢とその実際を検証する。それによれば、彼らは特に賤視された被差別民、またハンセン病者に対する宣教と治療に注力していたという。当時の仏教界がこれらの人々を前世の因縁として救済の対象から排除したのに対し、宣教師たちの具体的な救済活動が注目される。殉教者たちの記録の中に「癩者」の存在が少なくないという事実を初めて教えられた。著者は、戦国時代末期に切支丹が急速に増加したのは、西洋との交易を目的とする切支丹大名たちの影響よりも、そのような被差別民やハンセン病者に対する宣教師たちの姿勢が民衆に受け入れられたからだと評価している。(戒能信生)

 

2025年5月18日 午前10時30分

復活節第5主日礼拝(No.3)

             司式 橋本 茂 前  奏  黙想      奏楽 梅本順子

招  詞  93-1-44

讃 美 歌  11

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  12・1-

讃 美 歌  398

聖書朗読  サムエル記下1・17-27

ヤコブ書1・9-14、2・1-4

祈  祷

讃 美 歌  141

説  教 「貧しい者と富める者」

               戒能信生牧師

讃 美 歌  255

使徒信条  (9341A

献  金              岡﨑大祐

報  告  

頌  栄  27

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

・教会学校(休校)

・礼拝後、オリーブの会「千代田教会の将来像・時期牧師に期待すること」司会・野口倢司(軽食の用意があります。なるべく多くの方がご参加ください。)

・礼拝堂の後ろに飲み物が用意されています。水分補給にご利用ください。

2025年5月10日土曜日

 

牧師の日記から(519)「最近読んだ本の紹介」

 松本雅弘『自分自身と群れ全体とに気を配りながら』(新教出版社)カンバーランド長老教会高座教会の松本牧師の説教集。編集を担当した鈴木健次さんから送られて眼を通した。三つの章に挟まれた松本牧師と鈴木さんとの対談が秀逸。つまり説教者に対して、聴く信徒の側からの問いや注文が挟まれているのだ。高座教会は礼拝出席者が200名以上ある大教会で、数年前70年誌が刊行された際、依頼されて書評を書いたことがある。このように大きな教会での説教は容易ではない。どこに焦点を合わせるかが難しいのだ。「自分自身と群れ全体とに気を配りながら」という表題が、この説教集の性格を示している。

 踊共二『非暴力主義の誕生 武器を捨てた宗教改革』(岩波新書)宗教改革左派として生まれた再洗礼派は、プロテスタント主流派とカトリックの双方から迫害された。その中で生まれた非暴力とノンレジスタンス(無抵抗)の系譜を現在に至るまで紹介してくれる。特にアメリカで現在も独特の共同体として存続するアーミッシュやメノナイトへと至る流れを概観してくれて参考になる。最後の章で、この国の絶対平和主義の歴史にも短く触れている。すなわち最初の兵役拒否者矢部喜好、明石順三を初めとする灯台社の人々、そして第二次大戦下に兵役拒否をしたイシガオサムにも言及している。しかし驚いたのはロシア正教の流れを汲むトルストイアン北御門二郎の存在で、こういう兵役拒否者がいたことを本書で初めて知らされた。

 鈴木俊貴『僕には鳥の言葉がわかる』(小学館)1983年生れの若い動物学研究者が、シジュウカラの生態を徹底的に観察して、その鳴き声に一定の意味と法則があることを見出し、「鳥にも言葉がある」として学会に発表する。それが評価されてネイチャー誌やナショナル・ジオグラフィー誌に掲載され、数々の国際賞を受賞して、現在では東京大学に動物言語学研究室を開設するに至る物語。比較的身近な野鳥シジュウカラを取り上げ、しかもその観察方法や実験手法が素人に毛が生えたようなものでありながら、アリストテレス以来の「言語は人間だけのもの」という常識に果敢に挑戦しそれを乗り越えていく。何より分かりやすい筆致で書かれていることに好感がもてた。(戒能信生)

2025年5月5日月曜日

 

2025年5月11日 午前10時30分

復活節第4主日礼拝(No.2)

             司式 梅本 順子

前  奏  黙想     奏楽 内山 央絵

招  詞  93-1-44

讃 美 歌  11

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  11・1-

讃 美 歌  398

聖書朗読  フィリピ書1・1-2

祈  祷

讃 美 歌  371

説  教 「恵みと平和」

              大森意索伝道師

讃 美 歌  92

使徒信条  (9341A

献  金              梅本和義

報  告  

頌  栄  27

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

・教会学校 お話し・大森意索、奏楽・内山央絵

・礼拝後、お茶の会

・礼拝堂の後ろに飲み物が用意されています。水分補給にご利用ください。

2025年5月3日土曜日

 

牧師の日記から(518)「最近読んだ本の紹介」

 池央耿『翻訳万華鏡』(河出文庫)海外ミステリーなど幅広い翻訳を長年担ってきた著者のエッセー集。翻訳にまつわるエピソードや苦労話が綴られている。この人の翻訳にどれだけお世話になったことか。著者が手がけた訳書の一覧が巻末に掲げられていて、エンターテインメントからドキュメンタリー、音楽関係から純文学に至るまで、実に多岐にわたるその訳業に瞠目させられる。因みに私がこの人の翻訳で読んだものを拾ってみると、アシモフ、ウェストレーク、ヒギンズ、フリーマントルなど20冊近くになる。池さんを初め、この国のミステリー作品の邦訳レベルは極めて高い。それに比べてキリスト教書籍(特に神学書や注解書)の翻訳のお粗末さは実に嘆かわしい。読んでいて日本語が理解できない訳文が多過ぎるのだ。

 高橋源一郎『ラジオの、光と闇』(岩波新書)著者がディスク・ジョッキーを務めるNHKのラジオ番組「読むラジオ」の巻頭エッセーの第二弾。毎週毎週、よくこれだけの話題や書籍紹介を提供できるものだと改めて感心する。中でも考えさせられたのは、フランツ・カフカが友人のオスカー・ポラックに送ったた手紙の一節。「ボクたちは、ボクたちに噛みつき、傷を負わせる本だけを読まねばならない。もし読んでいる本が、脳天への一撃のようにボクたちを揺り起こすのでなければ、どうしてわざわざ本など読む必要があるのだろうか。ボクたちに必要なのは、耐えられないほど痛ましい不運のように、ボクたちを打ちのめし、絶望させる本だ。・・・どんな本も、ボクたちの内側にある凍りついた氷の海を砕く斧でなければならないんだ。僕はそう信じている。」楽しみのために本を読んでいる者への痛撃!

伊藤比呂美編『石垣りん詩集』(岩波文庫)石垣りんの詩が好きで繰り返し読んできた。伊藤比呂美という一世代若い詩人の編集したバージョンで読み直した。未発表のものや未収録作品も含めて120篇が選ばれている。中に詩人・石原吉郎を追悼した一篇を見出して嬉しかった。「吉郎さんよ/苦労ばかりしてさ/その重たさで存在していたような貴方は/最後の葡萄酒一杯かたむけ/天然の位置を定めにかかった。・・・」(戒能信生)