子育て相談カフェ通信⑧「子どもの教会」
この教会に転会して10年になりますが、今年もクリスマスになります。私は今年、神学校を卒業しましたが、昨年の夏は卒業論文に追われていました。と、言っても私の場合、論文というよりも、長い間神学校に通っていたこともあり、自分なりのまとめをしたいと考えていたのです。そのため、私の選んだテーマは「子どもの教会 ―礼拝と課題」でした。子どもの教会と聞いて、「教会学校」と、どう違うのか、と思われるかたもおられるでしょう。今回はその話をしたいと思います。
私自身は、子どもの頃は日曜学校で育った世代ですし、この教会の方も日曜学校世代が多いかと思います。その名称が、戦後教会学校に変わります。なぜ変わったかというと、戦後の高度経済成長下で、日曜日に子どもの居場所としての日曜学校が活気づいていたこともあり、お寺や他の宗教でも子どものための日曜学校を始めた訳です。それで、教会では日曜学校を教会学校と名称変更が行われたようです。では教会学校を「子どもの教会」と呼ぶ教会があるのはなぜなのか?実は私もよくわかっていませんでした。
1989年に国連で「子どもの権利に関する条約」が採択され、日本でも1994年に批准されました。子どもが、個としての権利を持っていることが承認されたのです。そうした中で、それまでの人材育成を目的とした公教育への批判とともに、キリスト教教育についても再検討がなされていきます。子どもへの教育の視点も、集団から個別の成長へと捉え直されるようになりました。こうした時代の変化もあり、教会においても学校教育システムの模倣に対する反省が生じました。このためいくつかの教会では、2000年以降、先生が生徒たちに知識を教えるという学校教育のあり方から、礼拝を共に持つということを重視して「教会学校」から、「子どもの教会」(Children Church: CC、または子どもの礼拝Children
Service: CS)という名称変更がなされたのです。名称だけでなく子どもの教会では、教師と生徒という関係性の見直しから、指導者の名称も「先生」から「リーダー」となり、内容も知識を伝えることから、リーダーを中心として子どもと共にもつ礼拝が模索されたのです。
来週はクリスマスです。千代田教会でも、子どもたちと一緒に礼拝が持たれることは素晴らしいと思います。(大森意索)