2023年11月26日日曜日

 

2023年12月3日 午前10時30分

待降節第1主日礼拝(No33

             司式 橋本  茂

前  奏  黙想     奏楽 釜坂由理子

招  詞  93-1-15

讃 美 歌  242(1節のみ)

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編108・1-14

讃 美 歌  229

聖書朗読  イザヤ書2・1-5

祈  祷

讃 美 歌  241

説  教  「イザヤの平和預言」

戒能信生牧師

讃 美 歌  424

使徒信条  (9341A

献  金            荒井久美子

報  告

頌  栄  92

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

教会学校(休校)

・礼拝後、定例長老会

ライブ配信担当・西川穂

礼拝堂の後ろに飲み物を用意してあります。水分補給にご利用ください。

 

 

牧師の日記から(445)「最近読んだ本の紹介」

黒柳徹子『続・窓ぎわのトットちゃん』(講談社)国民的ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』の続編。トモエ学園を卒業して以降の戦時下の疎開生活や、敗戦後の上京、そしてNHK専属テレビ女優としての活躍が綴られる。他の著書で読んだことのあるエピソードも多いが、改めてこの稀有な女優の人柄と、芸能界を生き抜いた軌跡に驚嘆する。ただ当然のことながら、前著のような幼い子どもの視点から描かれた独特のファンタジーの要素は失われている。でも楽しく読めた。

斎藤貴男『カルト資本主義』(ちくま文庫)1980年代から90年代の超能力研究やオカルト・ビジネスの興隆を紹介する。世界救世教の万能微生物EMや、ヤマギシ会の現状、アムウェイ商法などの実態が暴かれている。旧統一協会の問題が多額の献金や宗教Ⅱ世の問題とからめて議論されているが、現在の社会にこのような一種のオカルティズムやカルト商法が蔓延するのは何故かが問われる。キリスト教も含めて既成の宗教が生命力を失っている事実が、このような事態が生んでいるとも言える。

間永次郎『ガンディーの真実』(ちくま新書)ガンディーの非暴力思想がどのように生み出されたかを、批判的研究も参照にしながら辿っている。生まれ育った家庭、早期の結婚、イギリス留学、南アフリカでの弁護士としての活動、そしてインドに帰国してイギリスからの独立運動に関わっていく経緯が、特にガンディー自身の宗教的思想的探求と共に紹介される。独立を果した後、ヒンドゥー教徒とムスリムとの激烈な宗教対立に対して宥和と非暴力を訴えたガンディーは、一方で「まだ自分自身の解脱を考えていた」という指摘は考えさせられた。実際に家族、特に妻にはどう映っていたか、また反逆した長男からはどう見えていたのかという視点が突きつけられる。偉大な宗教思想家の究極的な獨我主義は家族にとっては「ほとんど暴力的に見える」と著者は指摘する。

アガサ・クリスティー『ベツレヘムの星』(ハヤカワ文庫)ミステリーの女王と言われるアガ・サクリスティーのクリスマスに関する短編集。ミステリーではなく、ファンタジー風の短編と詩を組み合わせたオムニバス。読書会「キリスト教と文学」の課題図書として読んだ。クリスティーの信仰理解や宗教観の一端が窺われる。彼女自身は英国国教会の信徒だったが、小説に登場する「灰色の脳細胞」のエルキュール・ポワロはカトリック信者として描かれている。

久米宏『久米宏です』(朝日文庫)1985年から2003年までニュースステーションのキャスターとして活躍した著者の一種の自伝。歌謡番組を変えたと言われる「ベスト・テン」や、報道番組を一新した「ニュース・ステーション」の内幕が紹介されて興味深い。私自身がこの時期この番組を観ていたので、自分があの時代(バブル経済と自民党政権の崩壊)に何を考えていたのかを振り返させられた。(戒能信生)

2023年11月19日日曜日

 

2023年11月26日 午前10時30分

聖霊降臨節第27主日(収穫感謝合同)礼拝(No32

             司式 野口 倢司

前  奏  黙想     奏楽 釜坂由理子

招  詞  93-1-15

讃 美 歌  32

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編107・1-43

讃 美 歌  386

聖書朗読  エレミヤ書23・1-6

      ルカ福音書21・37-38

祈  祷

讃 美 歌  389

説  教  「オリーブ畑はどこに」

戒能信生牧師

讃 美 歌  378

使徒信条  (9341A

献  金            橋本悠久子

報  告

頌  栄  83

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

教会学校(休校)

・礼拝後、入門の会「主の祈り」②戒能牧師)

ライブ配信担当・西川穂

礼拝堂の後ろに飲み物を用意してあります。水分補給にご利用ください。

2023年11月18日土曜日

 

牧師の日記から(444)「最近読んだ本の紹介」

三宅威仁『八色ヨハネ先生』(文芸社)現役の同志社大学神学部教授が書いた小説。神学部教授を主人公とし、妻と一人娘を突然失う衝撃からどのように再生するかが描かれる。現代の学生たちにも読める仕方で、キリスト教信仰のこと、さらに神義論を判りやすく語る。ある書評で知って読みたいと思っていたところに、向山功さんが持って来て貸してくれた。この神学校はリベラルな学風で知られ、「同志社神学部に行くと信仰をなくす」と喧伝されているが、その現代的な信仰理解と神秘体験の捉え方に感心した。今の学生たちはどのように読むのだろうか。

森まゆみ『暗い時代の人々』(朝日文庫)タウン誌『谷根千』の編集者だった著者が、昭和初期から戦時下を生きたリベラリストたち10人を取り上げる。中でも、初期の女性運動家・山川菊栄や、暗殺された山本宣治(両親がクリスチャンだった)など、名前だけで詳しくは知らなかったので、改めて教えられることが多かった。文化学院の創立者・西村伊作や、大正デモクラシーの旗手・吉野作造についても、新しく示唆されることがいくつもあった。学者の専門的な研究ではなく、暗い時代に「同調圧力に屈することなく自由な精神を貫いた人々」の存在を掘り起こし、判りやすく紹介したお奨めの一冊。

野嶋剛『日本の台湾人』(ちくま文庫)この国で在日台湾人の存在はある意味で隠されている。即席麺を開発した安藤百福などは、「朝ドラ」の主人公にまで取り上げられたのに、台湾出身者だった事実にはほとんど触れられなかった。この文庫は、そのような台湾にルーツをもつ人々を取り上げて、その独特の屈折や複雑な想いを紹介してくれる。経済評論家として活躍したリチャード・クー、歌手のジュディ・オング、作家の陳舜臣、邱永漢などの祖国と日本への想いが興味深い。実は私の父は戦前の一時期、台南メソヂスト教会の牧師だった。そのこともあって、1980年代の台湾民主化運動に多少の関わりをもち、台湾長老教会と日本の教会との関係史をまとめて書物にしたこともある。今また、台湾と中国との軍事的緊張が取り沙汰され、それがこの国の軍備増強に拍車をかけている。台湾とそこに生きる人々への関心を持ち続けたいと願っている。

藤野裕子『民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代』(中公新書)この国では1970年代を最後に、学生や民衆の大規模なデモや暴動は起きなくなっている。それが社会の成熟なのか、それとも活力の停滞なのか議論の分かれるところだろう。しかし近代日本では、明治初期の「新政反対一揆」や「秩父民権暴動」などが続発した。また日露戦争直後の「日比谷焼き討ち事件」で、下町一帯のキリスト教会が被害を受けている。大正期には「米騒動」もあった。それに加えて関東大震災後の朝鮮人・中国人虐殺も、民衆による暴力だった。これらをつないで捉える時、何が見えてくるかが取り上げられていて興味深い。(戒能信生)

2023年11月12日日曜日

 

2023年11月19日 午前10時30分

聖霊降臨節第26主日礼拝(No31

             司式 釜坂由理子

前  奏  黙想     奏楽 梅本 順子

招  詞  93-1-15

讃 美 歌  32

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編106・1-48

讃 美 歌  288

聖書朗読  出エジプト記3・7-10

      ルカ福音書21・34-36

祈  祷

讃 美 歌  507

説  教  「眼を覚ましていなさい」

戒能信生牧師

讃 美 歌  575

使徒信条  (9341A

献  金             橋本 茂

報  告

頌  栄  83

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

教会学校(休校)

・礼拝後、オリーブの会「羊の群れ8788号を読んで」司会・橋本 茂 

ライブ配信担当・荒井 眞

礼拝堂の後ろに飲み物を用意してあります。水分補給にご利用ください。

2023年11月11日土曜日

 

牧師の日記から(443)「最近読んだ本の紹介」

鷲巣力『加藤周一を読む』(平凡社ライブラリー)著者は、編集者として終生加藤周一に寄り添い、加藤周一の蔵書を元に設立された現代思想研究センターの責任を担っている。本書は、岩波書店から刊行された『加藤周一自選集』の解説に大幅に加筆して、この稀有な知識人の全作品を通してその生涯を追っている。私は加藤周一の良き読み手ではなかったはずだ。『羊の歌』や『日本文学史序説』、『日本人の死生観』には目を通しているが、朝日新聞に折々に連載されるコラムを読むくらいで、フランス、カナダ、ドイツなどの各大学で教えた戦後日本を代表する知識人としての理解しかなかった。しかし高校生の頃、弁論部の顧問と相談して、部費で『朝日ジャーナル』を購読していた。そこに加藤周一の自伝小説『羊の歌』の連載が始まったのだ。高校生の私にどこまで読み取れたか覚束ないが、それでも毎週熱心に読んだことは覚えている。それは、それまで読んできたものとは全く異質の印象だった。本書で『羊の歌』の文体が詳細に分析されているが、自分が無意識のうちにこの人の文章から影響を受けていることを改めて実感した。

沼田和也『弱音をはく練習 悩みをためこまない生き方のすすめ』(KKベストセラーズ)同じ北支区の王子教会の沼田和也牧師が、生きづらさを抱えて相談に来る人々との出会いを紹介したエッセー集。前著『牧師、閉鎖病棟に入る』でご自身の発達障害と向き合う経験を紹介していたが、本書でも著者自身の引き籠もりの経験やいくつもの失敗や挫折が率直に吐露されている。読んでいて、牧会カウンセリングの現場に立ち合うような印象がある。ところどころに聖書の言葉が引用されているが、通例の建徳的な解釈ではなく、著者自身の実感からの疑問や問いが投げかけられる。あとがきの最後に「危険と紙一重の密室へ、ようこそ」と結ばれているのが印象的。

大江健三郎『親密な手紙』(岩波新書)著者の最晩年に、岩波書店のPR誌『図書』に連載され随筆に手を入れて死後出版された。連載中に何篇かには目を通しているが、久しぶりに大江さんの文章に触れて、感慨深かった。障害を負う光さんやご家族との日々、友人たちとの交友や幅広い読書体験の中からのエッセーは、心に響くものがある。その独特の文体にはいつもながら引っかかるが、しかしそこからこちらの思索へと誘われる。あのゴツゴツした文体は、日本的な情緒や心情を峻拒する独自のものだが、このエッセー集にそれが端的に出ていると感じた。

田中澄江『夫の始末』(講談社)印刷室に松野俊一先生の寄贈図書として並んでいた。小説仕立てで自らの歩みを振り返る自伝小説と言える。87歳の女性作家が、夫との生涯を率直に振り返っている。著者はカトリック徳田教会の信徒で、友人のルイ神父が、指紋押捺を拒否して再入国不許可になり、それを訴えた裁判に協力してくれた。(戒能信生)

2023年11月5日日曜日

 

2023年11月12日 午前10時30分

聖霊降臨節第25主日礼拝(No30

             司式 高岸 泰子

前  奏  黙想     奏楽 内山 央絵

招  詞  93-1-15

讃 美 歌  32

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編105・1-45

讃 美 歌  149

聖書朗読  イザヤ書41・8-12

      マルコ福音書6・45-56

祈  祷

讃 美 歌  57

説  教  「わたしだ、恐れることはない」

西川穂神学生

讃 美 歌  456

使徒信条  (9341A

献  金            萩原 好子

報  告

頌  栄  83

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

教会学校(休校)

・礼拝後、「私の愛唱讃美歌」条谷泉

ライブ配信担当・荒井久美子

礼拝堂の後ろに飲み物を用意してあります。水分補給にご利用ください。

2023年11月4日土曜日

 

牧師の日記から(442

1029日(日)主日礼拝。ルカ福音書212933の講解説教「私の言葉は滅びない」。この小黙示録のイエスの言葉を、Ⅱテモテ書29の「されど神の言葉は繋がれたるに非ず」と結びつけて取り上げる。東駒形教会員の国井陽一・実枝子さんが礼拝から出席され、バザーのリサイクル品などの残品(段ボール箱で7個)を東駒形教会に運んでくれるので大いに助かる。礼拝後、入門の会で「主の祈り」を取り上げる。カトリック教会や聖公会、ハリストス聖教会等の「主の祈り」の日本語訳をみんなで読んでみる。微妙な差異があって、なかなか味わい深い。午後、ラグビーWカップの決勝戦を録画で視聴。南アフリカがニュージーランドを1点差で破って優勝。実に見応えがあった。鷲津力の『加藤周一を読む』を読了。自分が加藤周一の影響を受けていることを改めて知る。

30日(月)柏木義円公開講演会の発題のための準備。明治403月に、安中教会は大規模な大挙伝道を一週間にわたって実施している。東京から著名な牧師たちを招いて連日の演説会を開催し、あの小さな町で日によっては700名もの聴衆が参加している。その結果、70名ほどの人が受洗する。ところが安中教会は以降、このような大挙伝道を繰り返さなかった。大規模な大挙伝道で大勢の受洗者が出ても、結果として教会生活に定着しなかったのだ。以降、義円は地味な家庭訪問と文書伝道による地域に根ざした伝道と教会形成を続けることになる。夜は日本聖書神学校の授業。この日は植村環を取り上げる。

31日(火)在宅日で、義円に関する原稿を仕上げる。もう一人の発題者の同志社女子大の山下智子さんからメールで、レジュメ原稿をもう少し待って欲しいと言ってくる。学務で忙しいとのこと。夕方、久しぶりに近所を散歩し、来週の永眠者記念礼拝のお茶の会の和菓子を物色する。

111日(水)午後から農村伝道神学校へ。この日は賀川豊彦を取り上げる。聴講生の原田さんの車で多摩センター駅まで送ってもらって助かる。夜は長老会のアジェンダ作り。礼拝出席者の減少、教会学校の生徒たちが減っていることなど、千代田教会の現在の課題は根深い。

2日(木)午後から西早稲田のNCAの事務所で事務仕事。急いで帰宅して、4時からNCA理事会にZoomで出席。関東活動センターの責任者の後任が得られないという難問が議される。何としてでも相応しい後任を得なければならない。夜は、『時の徴』に連載している「高倉徹総幹事日記」の原稿整理の仕事。196911月の第16回教団総会前後の緊迫した記録を読み、その時自分が何をし、何を考えていたのかを思い出す。

3日(金)在宅日で書斎に籠もって仕事。北支区連合祈祷会の来年度の予定を作成する。リモート開催と対面式をどのように配分するか頭を悩ませる。『時の徴』に連載している井上良雄先生の小説教の翻刻作業に手をつける。夜は信濃町教会での連合祈祷会に出席。(戒能信生)