牧師の日記から(564)
7月5日(日)主日礼拝。ヨハネ福音書10章7-15節の講解説教「よき羊飼い」。1934年1月、ヒトラー政権とそれに迎合するドイツ的キリスト者たちに断固とした「否」を突きつけた「バルメン宣言」の冒頭に、この聖書箇所が引用されている。それは、イエス・キリストこそが私たちの唯一の門であって、それ以外のいかなる権威や権力にも服しないという神学的宣言だった。ドイツ教会闘争はここから始まる。この日の礼拝には、一年ぶりに野口倢司さんが出席され、岡﨑大祐さんも来られたので喜びの礼拝となった。礼拝後、招聘委員会、持ち寄りランチ、定例長老会と続く。
6日(月)午前中、東京ガスのガス器具点検。牧師館台所のガス・レンジが不完全燃焼を起こしているので取り換えが必要と指摘された。郵便局に行って昨日の対外献金を送金し、『堀光男追悼記念論集』の三校直しを編集者に郵送する。午後、久しぶりに目白の日本聖書神学校に行き、神保望校長と面談。改めて千代田教会の後任牧師の推薦を依頼する。図書館に立ち寄り、学術誌や新刊書などを手に取るが、日本キリスト教史関係の論文にも食指が湧かない。これも年齢のせいか。夜、『同胞教会の歴史と資料』の校正が届く。5年越しの共同研究がこのようにまとまると感無量。全体で300ページ近くあり、字も小さいので校正に苦労する。
7日(火)午前中、大久保の法務局で宗教法人代務者就任の謄本が無事発行される。退任した牧師が代務者になる例があまりないため多少手間取ったが、これで手続き完了。謄本のコピーを教区事務所に送付する。
8日(水)PCの調子が悪く、Outlookが使えない。嘉信に相談すると、KDDIが大量の個人データを流出した関係で、Biglobeが利用者にリセットを求めているとのこと。遠隔操作でメインテナンスを依頼する。午後、板橋泉教会の宇野みゆきさんが来られて、近くの喫茶店で話を聞く。夕方、上垣勝牧師が訪ねてくれた。この日の『朝日新聞』に日本の経済状況についてエコノミストの見立てが掲載されていた。異常な株高は通貨への信頼が揺らいでいる証拠、通貨危機の「一歩半前」の領域に足を踏み入れているという指摘。パニックを恐れてか、このようなシビアな分析はマスコミでもほとんど報道されない。そもそも月間倒産数が平均千件近いのに(つまり不況なのに)、平均株価が7万円を超えるということ自体がおかしい。
9日(木)午後、リコーの技術者が来て、コピー複合機のネットワーク設定作業。要するに礼拝堂のWi-Fi環境を整え、牧師の書斎からもコピー機でプリントアウトできるようになった。牧師会では向山さんも交えてバルトの『福音主義神学入門』の読書会。改めていろいろな発見がある。
10日(金)『福音と世界』に連載中の金井為一郎論に取り組む。友人の研究者吉馴明子さんから『明治日本の国家と宗教』という立派な植村正久論が送られてくる。これに目を通すのが大変。(戒能信生)
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