2015年6月7日日曜日

牧師の日記から⑨ 2015年6月7日

牧師の日記から⑨
毎週木曜日の夜は、地下鉄丸ノ内線の茗荷谷駅近くにある東京バプテスト神学校で「日本キリスト教史」の授業を担当しています。この神学校は、日本バプテスト連盟が運営していますが、ライブ受講、ビデオ受講を採用していることもあって、全国に受講生がいます。授業が全面録画中継されていて、インターネットで回線をつなぎ、自宅に居ながらにしてライブで授業が受けられます。授業中、テレビ画面の向こう側から質問が出されたりします。また自分の都合のいい時間帯にビデオで受講も出来ます。ビデオ受講生は、毎週、受講レポートをインターネットで送ってきます。神学校の授業風景も大きく変わったものです。
ところで数年前の受講生の中に、80歳近い神学生がおられました。この方は、二度も私の講義を受講された熱心な方でしたが、貧しさのゆえに高等教育を受けられず、NHKの通信教育で学歴を得て、念願かなってこの神学校で学ばれた努力家でした。様々な人生経験を積み重ねられた中からのレポートは、講師であるこちらの方が教えられ、感銘を受けたものです。この方が、何年もかかって神学校のすべての科目を修了して無事卒業し、バプテスト連盟のある教会の協力牧師になりました。ところが程なくして体調を崩し、胃潰瘍という診断を受けました。それまでの80年に及ぶ生涯で胃を悪くしたことなど一度もなかったものですから、不思議に思ったお医者さんから、「最近、特に生活に変化がありましたか」と聞かれたそうです。「牧師になって、月に一度説教するようになりました」と答えたところ、お医者さんは「ハハー、それが原因ですね。説教する回数を減らしたほうがいいですよ」とアドバイスされたそうです。それで二か月に一度の説教の担当にしてもらったところ、ピタリと症状が治まったというのです。
そう言えば、友人の牧師から、説教の準備をするたびに、シクシク胃が痛むという話を聞いたことがあります。私自身は毎週説教の準備をして胃が痛くなったことはありません。しかし、胃が痛くなったり、胃潰瘍になるほど真剣に取り組んでいないのではないかと反省させられました。毎週、千代田教会の皆さんと聖書を学ぶことができることを、改めて感謝したいと思います。(戒能信生)

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