2016年4月29日金曜日

牧師の日記から(56
4月24日(日)主日礼拝、創世記25・7-11の講解説教。アブラハムの死と埋葬のテキストから、この比類のない「信仰の父」の老後の日々について取り上げる。礼拝後、定期教会総会。総会資料は、すべて荒井眞さんによって整えられ、各報告や議事は予定通り進行することができた。夜は、直子さんと二人で四ツ谷駅近くの小さなイタリア料理のお店に食事に行った。
25日(月)この日は、日本聖書神学校で二つの講義をしなければならないので、朝からその準備。一つは、最終学年の神学生を対象にした授業で、「日本の各教派」について講義するもの。新大陸アメリカで、様々な教派が多元的に併存する形が生まれ、それがDenomination(教派)の由来となった経緯を紹介する。かつてのアメリカでは、教派によって教会員の社会層が異なり、それがその教派の特徴を規定したとされている。しかし、そのような教派理解を日本宣教の場に持ち込んでも、アメリカでのような教派特質を形成することにはならない。そこに、日本基督教団という合同教会が生まれる必然性があると言える。もうひとつの授業は、2年生を対象とした「日本キリスト教史」で、この日は同志社を創立した新島襄の信仰について、学生たちにリーディング・レポートをしてもらう。なかなか興味深いレポートだった。
26日(火)午前中、新浦安の渡部澄彦さん宅を訪ねる。顔色も良く、いつものようにニコニコと迎えてくれたが、少しずつ歩行が困難になっている様子。介護をされる英子夫人の負担を軽減するために、ショートステイを提案をしたところ、挑戦してみるというので、英子さんから感謝された。その後、すぐ近くの妹宅で、ネパールから帰っている姉たちと一緒に昼食。夜は、エパタ教会での教区問題委員会に出席。今年度の活動計画について協議する。
27日(水)午前中、聖書を学ぶ会で、獄中のヨセフがエジプトの宰相にまで上り詰めるサクセス・ストーリーを取り上げる。ヨセフ物語の背景には、離散の民イスラエルが、異国の王に仕えて、苦難の中から成功するモティーフが見られる。ヨセフは、エジプト風の名前に改名し、神官の娘と結婚している。そこには民族的宗教的アイデンティティーをめぐる葛藤はまだ見られない。古くからの友人である大坪正雄さんと秀子夫人が参加してくれる。

28日(木)朝から西早稲田のキリスト教会館に行き、NCAや会館管理委員会の事務仕事を処理する。その後、斎藤晃子さんのお宅を訪問する。遠慮されてなかなかお許しが出ないので、この日は葉書で予告しておいて強引にお訪ねした。体調があまりよくなく、最近は礼拝も欠席がちだが、思ったよりお元気で、いろいろ興味深いお話を伺うことができた。ただし、その内容を公開することはまかりならぬと言われる。いかにも奥床しい晃子さんらしい。1時間半ほどお話を伺って帰宅する。(戒能信生)

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