2016年12月3日土曜日

牧師の日記から(86
1127日(日)待降節第一主日礼拝。イザヤ書11章のメシア預言から、説教「狼は子羊と共に宿り」。この箇所に着想を得た木村雄一さんの絵本『あらしのよるに』は、嵐の夜に雨宿りをした狼と山羊とが、暗闇の中で友だちになるというエピソードを描いている。害獣を排除して得られる平安ではなく、家畜と野獣が共生するこの平和のイメージを、この待降節に改めて覚えたい。礼拝後、内山央絵さんの車で小平霊園へ。故・齋藤晃子さんの納骨式の司式のため。斎藤家の墓所は、聖ヶ丘教会墓地のすぐ裏にある。ご家族と共に斎藤晃子のことを偲んだ。納骨式が終わるとまるで「涙雨」のように雨が降り出した。
28日(月)午前中、月曜会に出席するため東駒形教会へ。本田哲郎神父の対談集『福音の実り』を取り上げる。午後帰宅し準備をして、夜は日本聖書神学校の授業。この日は賀川豊彦を取り上げる。神学校の図書館で近藤勝彦さんの近著『キリスト教弁証学』を借りる。この大部な力作の中で、著者は近代日本におけるキリスト教の展開を取り上げている。その植村正久、内村鑑三、海老名弾正、さらに熊野義孝への評価と批判には学ぶところが大いにあるのだが……。
29日(火)午前中、錦糸町の賛育会病院で定期検診とインフルエンザの予防注射。その後直子さんと待ち合わせをして、鎌ヶ谷の荒井眞・久美子さん宅を初めて訪ねる。夜は、丸山久美子さんの『北森嘉蔵伝』が届いたので眼を通す。北森先生に私淑した著者が『神学的自伝』に沿ってこの神学者の生涯を懸命に追っているが、そこに批判的な視点が全く見られない。北森神学をただ礼賛するだけでは、その本来の問題提起の意味がかえって見失われるのではないか。
30日(水)聖書学ぶ会・祈祷会を終えて、急いでキリスト教会館へ。故・池田政一牧師関係資料をご遺族から教団宣教研究所に寄贈するのに立ち会う。池田牧師はホーリネス弾圧で投獄されているが、その判決文を含めて第一次資料がすべて揃っているのだ。長女の土岐祐子さんからこの貴重な資料の保存について相談を受け、宣教研究所への寄贈の仲介をした。日本ホーリネス教団弾圧資料室の上中栄牧師も同席された。その後、スコットホールで行われた「ララ70周年記念フォーラム」に出席。ララ(LARA)とは、敗戦直後アメリカの教会関係者から送られた食料や衣料品などの援助活動のこと。栄養不足であった私の母親がララ物資によって母乳が出て、私自身が育ったと聞かされている。しかしキリスト教色を極力排した活動だったためか、教会関係の資料に記録が残っていない。
121日(木)午前中、キリスト教会館の三者会。その後、NCAの事務所の仕事。会館7階の改装工事が始まり、その様子を確認する。

2日(金)10時半から板橋大山教会で支区連合祈祷会に出席して、詩篇13編から奨励。冬季は、夜ではなく午前中に開催されるのだ。午後帰宅して、4時から富坂キリスト教センターでの内面史研究会へ。旧満州帝国におけるミッション・スクールへの迫害とホーリネス弾圧の研究発表があった。(戒能信生)

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