2017年9月30日土曜日

牧師の日記から(129
 924日(日)主日礼拝。出エジプト記123742節の講解説教「寝ずの番をする神」。イスラエルの民のエジプト滞在は430年だったと淡々と記す祭司資料の歴史観について取り上げる。なにせ430年間もの間、神はずっと忍耐して「寝ずの番」をしていたというのだ。それも直接手を出さないで!数字が頻出して戸惑うことも多い祭司資料だが、断片的な資料を時間の経過によって位置づけることによって、壮大な救済史の歴史観を打ち出していると言える。久しぶりに竹森静子さんが礼拝に出席された。夜は、私の誕生祝いということで、家族が全員集まって食事を共にする。息子たちに新しいパソコンの調整をしてもらう。こういう時(だけ?)、つくづく息子がいてよかったと思う。
 25日(月)午前中、月曜会で東駒形教会へ。深井智朗『プロテスタンティズム』(中公新書)の前半を、ともしび伝道所の芳賀慶治牧師の紹介で一緒に読む。来月はこの本の後半部分を私が発題することになった。しかしこの新書の真骨頂はむしろ後半部分にあると言える。今年は宗教改革500年ということで、様々なイベントや記念出版が続くが、ルター・ルネサンス以降何が起こったかに注視しなければならない。宗教改革400年が盛大に祝われた僅か15年後には、ナチスが政権を取って第二次世界大戦が始まるのだ。午後帰宅し、準備をして夜は日本聖書神学校の後期の第1回授業。登録受講生は10人のはずなのに実際の出席者は11人いる。「11人いる!」と言うと、それに反応したのは一人だけだった。つまり萩尾望都の漫画『11人いる!』を知っていたのは、68歳の聴講生一人だけだったのだ。つくづく時代の移り変わりを感じさせられる。その後、受講生の一人が履修届を提出していなかったためと判明して、あっさり解決。
 26日(火)午前中、北支区教師部研修会で江古田教会へ。上林順一郎牧師の牧会50年の講演。さすがに含蓄のある楽しい内容だった。夜は、「戦争を許さないキリスト者の会」(通称「ゆるキリ!」)の集会に参加。ホーリネス教会の上中栄牧師のホーリネス弾圧についての講演を聞く。
 27日(水)聖書を学ぶ会で民数記11章を取り上げる。久しぶりに大坪正雄さんも出席してくれた。直子さんがイチジクのコンポートを作って披露した。今年のバザーに出品する予定だが、果たして売れるかしら。
 28日(木)一日雨。この日はキリスト教会館に顔を出す予定だったが、急務はないということでサボることとし、一日書斎で原稿を書いたり、本を読んだりして過ごす。鈴木範久先生の『日本キリスト教史』が刊行されたので、自分の勉強のこともありこれを精読しなければならない。一次資料を丹念に読み解き、そこから時代の本質的な問題を指摘するその姿勢にいつもながら教えられる。

 29日(金)この日も一日中在宅。10月の神学読書会でモルトマンの『希望の倫理』第4章について紹介と発題をしなければならないので、読み始める。長老会のアジェンダを修正して送る。今週は久しぶりにのんびりした。(戒能信生)

0 件のコメント:

コメントを投稿