2016年9月9日金曜日

牧師の日記から(75
9月5日(日)主日礼拝。エフェソ書4・25‐5・5の講解説教。この前後のテキストは受洗者への勧告とされている。その中に「盗みを働いていた者は、今からは盗んではいけません」と記されている。ここに、初代教会の受洗者たちの社会層が暗示されていないだろうか。日常的に泥棒を生業にせざるを得ない人々、つまり貧しい庶民や民衆が含まれていたのではないかという想定である。現在のこの国の教会において、このようなエフェソ書の勧告はリアリティーを失っているように思われる。しかしそこに現在の教会の問題がありはしないだろうか。礼拝後、定例長老会で、東博昭さんの受洗試問会。皆さんの祝福の内に、9月18日に洗礼式が行われることになった。
5日(月)朝から書斎に籠って仕事。『時の徴』の次号に掲載する井上良雄先生の50年前の講演の翻刻を仕上げて、メールで入稿。さらに新教出版社から『井上良雄講話集Ⅲ・Ⅳ』を出版するための原稿整理に取りかかる。夜は、北支区常任委員会で王子教会へ。
6日(火)午前中、神学読書会。板橋大山教会の上垣勝牧師の発題。この日の参加者は9名(内信徒4名)。午後は井上先生の講話集の翻刻作業に集中する。夜は、『バルトの教会論』の読書会の最終回が信濃町教会で行われる。この欄で何度か紹介したが、この難解な専門書の読書会に、信徒たちも含めて毎回20名前後の参加者があった(この日は22名)。このような学びの機会が必要とされているのだ。著者の佐藤司郎さんも毎回仙台から駆けつけて参加してくれた。会の後、有志で近くのお寿司屋さんでご苦労さん会をする。
7日(水)午前中、聖書を学ぶ会で再び出エジプト記の学びが始まる。出エジプトの壮大な物語は、一週間の宗教的休暇の要求から始まったこと(3・18-19)はきわめて興味深い。午後はひたすら井上先生の原稿の翻刻作業。バルトの難解な神学理解が、井上先生の精確な理解によって分かりやすく展開される。このような仕事を担うことができる幸いを思う。
8日(木)雨模様の中を電車でキリスト教会館に行き、教団の元幹事の青地恵さんと待ち合わせをして昼食を共にする。なにせ教団の生き字引のような人なので、今のうちに聞いておくべきことがたくさんある。その後はNCAの仕事と会館管理組合の仕事を処理して、夕方帰宅。来週の百人町教会での講壇交換の説教の準備をする。百人町教会では説教ではなく証詞とのこと。

9日(金)この日も、書斎に籠って井上先生の翻刻作業を続ける。昼食は直子さんと二人だけなので、以前から目をつけていた靖国通り近くのフレンチ・レストランにランチを食べに行く。午後、郵便局に行って、先日の対外献金(江刺教会会堂建築献金)を振り込む。『羊の群』の原稿が少しずつ集まって来ているので、整理して橋本茂編集長にメールで入稿。(戒能信生)

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