2016年11月5日土曜日

牧師の日記から(82
1030日(日)主日礼拝。創世記35章の講解説教。族長ヤコブのその後の日々を取り上げる。ここには、家族のスキャンダルや息子たちの非行、そして乳母デボラの死、最愛の妻ラケルの出産直後の死などの一族の不幸が次々に報告される。そのような家庭的不幸においてヤコブはほとんど無力な姿を露呈する。あの智謀に富み猛々しかった若きヤコブの姿はもはやない。しかしヤコブは、ベテルへの巡礼と、生まれて来た子どもを「ベニヤミン(幸せの子)」と静かに言い直していく姿勢に立ち尽くす。老いた晩年のヤコブの姿は示唆的である。礼拝後、直ちに会場作りをしてバザーが始まる。天候にも恵まれ、地域の人々や隣の東京教会の人たちも来てくれる。私は駐車場でイカやホタテを焼くのにかかり切りだった。終了後、東駒形教会から酒井牧師たちが売れ残りの献品を引き取りに来てくれて助かる。夜、前橋の老人施設に入所していた牧浦一司さんが91歳で逝去されたとの連絡が入る。かねて相談していたように、前橋中部教会の堀江知己牧師の司式で葬儀をしていただくことになる。その相談の電話のやり取りが続く。
31日(月)午前中、東駒形教会での月曜会の例会に出席。今井敬隆牧師のヨブ記の説教集を取り上げる。午後帰宅して、バザーで使用したバーベキュー台の片づけと網などの清掃。これが結構厄介なのだ。直子さんも後片づけに忙しそうだ。夜は日本聖書神学校の授業。この日は高倉徳太郎を取り上げる。
101日(火)この日は一日在宅で、午前中は富坂キリスト教センターの会報の原稿を書き上げてメールで入稿。午後は「キリスト者平和ネット」の連載コラムの校正、次週の長老会のアジェンダ作り、「戦責告白50年資料集」の編集整理の仕事などを続ける。バザーの後遺症なのか腰が痛む。しかし教会員のほとんどが私よりも年配なので、弱音を吐いてはいられない。
2日(水)聖書を学ぶ会・祈祷会。出エジプト記の910章を取り上げる。沓掛学荘に4日の職員礼拝の聖書と讃美歌の箇所をメールで連絡。
3日(木)新幹線の高崎駅で下車、両毛線に乗り換えて前橋駅へ。タクシーで前橋中部教会に行き、故・牧浦一司さんの告別式に参列。ご婦人の綾子さん、ご長男の晃司さんに挨拶することができた。弟に当る牧浦昇牧師(大阪常盤教会)も来られていて初めてお目にかかる。88歳で関西では現役最高齢とのこと。火葬場で会食をする。その後、堀江牧師の車で高崎駅まで送ってもらい夕方帰着。

4日(金)8時少し前の新幹線で軽井沢へ。晴天で車中から富士山がよく見える。10時から興望館沓掛学荘の職員礼拝で奨励。現在の養護施設の悩みや葛藤の一端を職員たちから聞かされる。様々な重荷を負った子どもたちを養育して現代社会に送り出さねばならない労苦に頭が下がる。昼食をいただいた後、追分の保志治子さん宅を訪ねる。お土産は直子さんが造ったイチジクのジャム。しばらく治子さんと音楽や文学について楽しくおしゃべりする。紅葉の真っ盛りで浅間山は初冠雪の名残が少し残っている。晩秋の軽井沢を満喫する。(戒能信生)

0 件のコメント:

コメントを投稿