2018年10月7日日曜日


牧師の日記から(182

930日(日)主日礼拝。民数記35章から「逃れの町」の規定を取り上げる。過失致死で人を死なせてしまった者を、血の復讐から守ろうとする制度。実際にどれほど機能したかは分からないようだが、少なくともこのような人権的な理念があったことは注目すべきだろう。関連して、この国の死刑制度の問題について触れた。誤審の可能性や、死刑制度が抑止につながっていない現実、なにより報復感情を乗り越えることができない問題が、この国の過バッシング社会とつながっているのではないだろうか。そこに私たちキリスト者の責任と使命があると言える。台風24号が関東地方を通過するというので、牧師館や書斎のすべての雨戸を閉める。夜中に物凄い風の音。

101日(月)昨夜の激しい風雨のために、会堂左側外壁のモルタルが一部剥落したので、金井工務店に診てもらうことにする。午前中は東駒形教会での月曜会でゴンサレスの『キリスト教思想史Ⅱ』を学ぶ。午後帰宅して、準備をして夜は日本聖書神学校の授業。山室軍平の伝道トラクトを紹介する。分かりやすく簡潔な文章に、山室の福音理解とメッセージの特徴がよく現れている。

2日(火)午前中、賛育会病院での定期検診。検査の結果に特に異状はなく、先週の体調の悪さの原因は分からない。結局、過労ではないかということになり、年齢相応の自覚が必要と思わされた。午後は東久留米の堀光男先生のお宅を訪問。87歳になる堀先生は、昔と変わらぬ温顔で迎えてくださり、新宿伝道所との合流について率直に話し合うことができた。丁寧に保管されていた教会員原簿を預かる。西新宿の土地建物を雲柱社に返還し、以降50年にわたって粘り強く活動を続けて来られたその足跡を垣間見て深い感銘を受けた。この志を引き継ぐ責任がある。これから新宿伝道所の廃止手続き、教会員の千代田教会への転入会など、来年の春の合流に向けて様々な曲折があるだろう。主の導きと支えがあることを祈るばかり。夜は、来週の定例長老会のアジェンダ作り。

3日(水)午前中、聖書を学び祈る会。サムエル記11-12章を取り上げ、ベニヤミン族のサウルが初代の王に推挙されたもう一つの伝承を学ぶ。ベニヤミン族は、部族連合の中でも小さな弱い部族だったが、それゆえにこそサウルが王に推挙されたことを伺わせる。NCAの文書理事会の返事を出していなかったことを電話で教えられ、慌てて署名捺印して送る。

4日(木)午後からNCAの事務所に行く予定だったが、雨も降ってきたので、この日は自重して自宅でのんびりすることとする。講義の準備や研究会の発表、原稿書きの仕事が山積みになっているのだ。

5日(金)11月の授業で取り上げる由木康先生の生涯の輪郭がようや掴めて来た。讃美歌だけでなく、礼拝学やパスカルの紹介など、予想以上にこの国の教会に大きな影響を与えている。夜は、支区連合祈祷会のため新宿西教会に出かける。

(戒能信生)

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