2018年10月20日土曜日


牧師の日記から(184

1014日(日)主日礼拝。Ⅱペトロ書2章後半の講解説教「バラムの故事」。民数記22章に記されているモアブの祭司バラムにロバが語りかけたという故事は、よほど聖書に精通していない者にしか目に留まらないだろう。この旧約の片隅にある小さな伝承が、2世紀半ばの教会で引用されているということは、この当時の教会が旧約聖書をギリシア語訳でよく読んでいたことを示す。それと関連して、この国の戦前の教会で旧約がほとんど読まれていなかった事実を考えさせられる。戦前の「日毎の糧」には、新約各書と旧約では詩編しか取り上げられていないのだ。聖書協会から発行されている『新約聖書 詩編付き』は、戦前の聖書日課と連動していたことになる。午後は、柏木義円研究会の事務仕事。11月の公開講演会の案内作成や発送作業など。夜は、一か月遅れの私の誕生祝いということで、久しぶりに家族全員が集まって一緒に食事。

15日(月)午後、日本聖書神学校の図書館で、植村環と由木康の資料を渉猟する。『基督教新報』のPCデータ検索で、「由木康」が「柚木康」と誤入力されていることを発見して驚く。PCは便利でも、検索機能に不備があると全く役に立たない。夜はホーリネス教会の創始者・中田重治についての講義。

16日(火)午前中、金井工務店が来て、先日の台風で剥がれ落ちた会堂のモルタル壁などの状態を見てくれる。会堂共済組合から修理費補助が出るそうで、見積もりを出してもらうことになった。11時からキリスト教会館の避難訓練に立ち会う。120名ほどの職員たちが約5分で全員避難できた。その後、水消火器での消火訓練やAEDの実施訓練、非常食の試食会をする。管理組合委員長の仕事も多岐にわたる。午後、賛育会病院で受診。PSA値そのものはそれほど高くないのだが、徐々に上昇しているのが問題で、結局、東京医科歯科大学付属病院で前立腺癌の生検をすることになった。年内に二泊三日の入院が必要とのこと。

17日(水)午前中は、聖書を学ぶ会で、サムエル記上1516章を取り上げる。サウロの兵士たちのアマレク人との戦闘での略奪行為がサムエルから厳しく糾弾されている。戦闘における略奪は兵士たちの権利とされ、軍はいかなる「正義の戦争」であろうと、必ず自己目的化することを示唆する。それはこの国の15年戦争の経緯からも明らかだろう。午後から、来年3月の第10回神学生交流プログラムの募金や各神学校への神学生推薦依頼などを作成する。並行して植村環牧師の戦時下の言動についての資料を読み込む。

18日(木)会館に行き、NCAの事務仕事。第9回神学生交流プログラムの報告書が出来て来たので、その発送作業。連続講座からスピン・オフで生まれた教会訪問が来週に迫ったのでその準備も。20名ほどの参加のようだ。

19日(金)授業の準備や来週の内面史研究会の共同討議の準備。夜はNCAのプログラム「編集者にその本音を聴く」に参加するため、蔵前のカフェ・エクレシアへ。元・コイノニア舎の社長市川邦雄さんの話を聞く。(戒能信生)

0 件のコメント:

コメントを投稿