2022年9月18日日曜日

 

牧師の日記から(384

911日(日)主日礼拝。ルカ福音書1245-47の講解説教「和解への勧め」。マタイ福音書とも共通するイエスの言葉伝承で、係争中の友と和解するように勧めている。関連してⅠコリント書61-8のパウロの言葉を引用する。「内部の争いを外部の法廷に持ち出してはならない」と厳しく戒めている。これは当時のユダヤ社会やローマ社会との緊張関係を背景に、教会内の紛争は自分たちで祈りと信仰をもって解決するように勧めている。ここからChurch Court(教会裁判)という制度が生れる。この世の法や制度から独立した教会独自の法廷を指す。それは本来、この世との厳しい対峙を前提として機能した。その関連で、耶蘇基督之新約教会の弾圧とその指導者寺尾喜七の尋問調書を紹介する。夕方、散歩に出かける。四谷駅からイグナチオ教会横のソフィア通りの土手をホテルニュー大谷まで歩き、上智大学の校舎をグルッと回って帰る。約5000歩のコース。

12日(月)午前中散歩。昨日のコースを辿り、ニュー大谷で右折して迎賓館横に出る。辻々に警官が立ち警備が厳しいので聞くと、間もなく上皇の車が通るという。午後は、雨宮栄一先生の遺稿『反ナチ抵抗運動とモルトケ伯』の四校の校正に取りかかる。夕方、久しぶりに都バスに乗って目白の日本聖書神学校へ。図書館でこの間の学術誌に目を通す。月曜礼拝に続いて授業。深川教会時代に出会った聖公会の今井俊道さんが聴講している。現在は立教小学校の音楽の教師をされているとのこと。

13日(火)午前中散歩。コースが次第に固定化してきて、この日は迎賓館から坂を降りて二葉乳児院まで行く。ずっと以前一度訪れたことがあるが、すっかり建物は変わっている。二葉乳児院は、明治期に学習院の教師だった野口幽香が創設したスラムの幼児たちのための施設。ここから二葉独立教会が始まり、それが由木康に引き継がれ現在の東中野教会に至る。午後は『モルトケ伯』の校正の続き。夜は山口里子ゼミにZoomで参加。

14日(水)午前中、久しぶりに聖書を学び祈る会。エステル記を取り上げる。午後はひたすら校正作業。疲れて飽きてくると、来週の神学読書会の準備にも平行して手をつける。榎本空のユニオン留学記を私が紹介することになっている。いわゆる「属格の神学」が70年代のトレンドになるが、それがいつしか読まれなくなった経緯を考えさせられる。

16日(金)早朝に散歩。11時から門前仲町の歯科医で検診。午後、生嶋ひろみさんのご遺族川井佐幾子さんが訪ねて来られ、1023日の記念礼拝や納骨式の相談。生前、何度か電話で声を聞いただけで、コロナ禍もあってついに直接お目にかかることはできなかった生嶋さんの歩みについて伺う。10月に女子学院の152周年の講演を依頼されており、その演題を担当者にメールする。果して高校生に通じるだろうか。『モルトケ伯』の四校の校正を終了してホッとする。後は出版社に任せる。今週は、毎日の散歩と校正作業に明け暮れたことになる。(戒能信生)

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