2023年10月22日日曜日

 

牧師の日記から(440

1015日(日)主日礼拝。上垣勝牧師による説教「み言葉をいただき生きる生活」(ヨハネ福音書737-38)。礼拝後、軽食を共にしながら上垣牧師を囲む会。橋本茂さんの司会で、参加者全員が一言ずつ発言したとのこと。その後、来週のミニ・バザーの準備のためにリサイクル品の値付け作業など。4年ぶりのバザーで、果して何人のお客さんが来てくれるだろうか。私は東駒形教会創立100年記念礼拝で説教奉仕。懐かしい教会員の皆さんと再会できて嬉しい一時だった。この間、多くの仲間たちを天国に送り、残された者たちも確実に10年歳を取ったことを痛感する。

16日(月)午前中、眼科の定期検診。視野検査の結果、近々白内障と緑内障の手術を同時にすることになりそう。午後、近所のクリニックで、直子さんと共にコロナとインフルエンザのワクチンを受ける。夕方から目白の神学校の図書室で調べもの。柏木義円公開講演会の発題のため。夜は授業で賀川豊彦を取り上げるが、時間が足りなくなりオーバーする。

17日(火)午前中、神学読書会。駒込教会の村田重牧師の発題で、最近訳書が刊行されたハルナックの『マルキオン』を取り上げる。2世紀の異端とされるマルキオンは、その独自のパウロ主義の立場から、旧約聖書を排除し、新約諸文書を校訂したことで知られる。それは様々な混淆物にまみれたキリスト教信仰を結晶化したものと、若きハルナックは評価している。後に体制派の神学者となるハルナックが、若き日にこのようなラディカルな論文を書いていたことに驚き、見直す思いで読まされた。午後は柴崎聰さんの読書会「キリスト教と文学」に参加。井上ひさしの『12人の手紙』が取り上げるられる。様々な工夫と意匠が詰め込まれた小説で、新鮮な思いで再読した。夜は、ラグビーWカップのフランス対南アフリカ戦(準々決勝)を録画で観戦。

18日(水)午後から農村伝道神学校の授業。この日は高倉徳太郎を取り上げる。帰りにお茶の水のキリスト教書店に行くが、捜している本を置いていないのでガッカリ。ガザのアハリー・アラブ病院が爆撃されたとの報道に胸を突かれる。この病院は聖公会が運営し、宗教の違いを超えて住民に仕える働きを続けており、個人的に何度か支援をしてきた。

19日(木)午前中、銀座の教文館に行って、山口希生著『ユダヤ人も異邦人もなく』を求める。New perspective on Paulと呼ばれるパウロ理解の新しい解釈を解説したもの。パウロが対決したのは、異邦人が律法を守らなければ救われないとしたユダヤ的キリスト教であって、パウロは反ユダヤ主義ではないという理解。大筋で納得できる解釈ではある。しかしこれが従来の贖罪信仰を問い直すことにつながるかは不明。

20日(金)この日は在宅日で、一日書斎に閉じ籠もって仕事。『信徒の友』から依頼されている「特色ある各個教会史」紹介の原稿を書く。直子さんは、ミニ・バザーの細かな準備で忙しそう。(戒能信生)

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