牧師の日記から(495)
11月10日(日)この日の主日礼拝は大森意索神学生の担当で、マタイ福音書2・1-16の講解説教「あとにされた人たちへ」。ぶどう園の主人が、一番後で働きに来た人たちから賃金を支払った順序に注目して展開された。礼拝後ホールで軽食を共にしながら説教への応答。参加された人たちが一言ずつ感想を述べ、それに大森さんが応えられた。その間に葬儀社によって礼拝堂の会場造りが行なわれ、1時から千代茉香さんの告別式。茉香さんは、大連西広場教会以来の古い教会員泉哲・初代さんのお孫さんに当たる。洗礼は受けておられないが、ご本人の希望により教会で葬儀をお引き受けした。2時に出棺し、ご主人の勝美さん、弟の泉拓良さんと共に落合葬祭場で火葬。8日の早朝亡くなり、ご遺体を教会で預かって葬儀までの慌ただしい三日間であったが、ご遺族に寄り添うことが出来たのがせめてものことだった。
11日(月)午前中、防衛省を一周する約5000歩の散歩。泉拓良さんから、母上の貴美子さんが書かれた『泉靖一とともに』の一部をスキャンしたデータが送られてくる。これによって、大連西広場教会との泉家、井関家の関わりがよく了解できた。この二つの家族から三代にわたって、判っているだけでも12名のキリスト者が生れている。
12日(火)午前中、四谷から市ヶ谷の書店まで歩き、斎藤幸平『人新生の資本論』を探す。一度読んでいるのだが、見つからないので再び買い求めた。「聖書と人間を考える会」の課題図書になっているのだ。午後、NCAの講座「教会とLQBT」に参加。この国の仏教や神道など宗教界のLGBTに対する姿勢を教えられる。中には積極的に受け入れようとする宗派もあるようだ。関西の神社が同性愛者の結婚式を引き受け、広報誌の紋付き羽織姿の二人の写真に驚く。
13日(水)午前中、今年のクリスマス・カードを作成。ギュスターブ・ドーレの『聖書画集』の木版画から、「救世主降誕」を選んで聖句を添えてカラー・ペーパーにコピーする。11時からキリスト教会館管理組合委員会にZoomで参加。電気料の高騰で管理費の値上げが必至の情勢。午後、梅本和義さんが来られ、受洗を希望され、受洗準備会を始めることになった。クリスマスに洗礼式を予定する。
14日(木)午前中散歩。午後はNCA運営委員会。来年度の計画を協議。山口里子さんの新約ゼミを継続できないか交渉することになる。
15日(金)午前中、左門町、四谷怪談で知られるお岩稲荷の近辺を散歩。午後、直子さんと一緒に新浦安の病院に妹の真理を見舞う。重篤な脳梗塞の後遺症で入院しているのだが、左半身が全く麻痺し、意志の疎通もままならない。日々の聖句を読み短く祈る。(戒能信生)