2019年1月27日日曜日


2019年2月3日午前10時30分

降誕節第6主日礼拝(No45

      司式 橋本  茂  

    奏  黙 想        奏楽 内山 央絵

招  詞  93-1-

讃 美 歌  16

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編33・1~22(着席のまま)

讃 美 歌  134     

聖書朗読  エレミヤ書13・1-11

Ⅰヨハネ書3・19-24

祈  祷

讃 美 歌  296(1-3節)

説  教  「とどまり続けること」

                戒能 信生師

祈  祷

讃 美 歌  296(4-6節)

使徒信条  (9341A

献  金             荒井  眞

報  告

頌  栄  28

派遣・祝福

後  奏         

 

【本日の集会】

・教会学校 お話し・戒能牧師、奏楽・内山央絵

・礼拝後、お茶の会

・定例長老会

2019年1月26日土曜日


牧師の日記から(198

120日(日)主日礼拝。この日は神奈川教区のまぶね教会との交換講壇(2回目)で、石井智恵美牧師が千代田教会で説教してくれた。礼拝後、石井牧師を囲んで食事を共にしながら懇談の時をもった。私は、まぶね教会での講壇奉仕に加えて、礼拝後「昭和天皇の生前退位と大嘗祭の問題」という短い講演の責任を負わされた。その後、軽食を共にしながら懇談の時間。案の定、教会員の荒井献先生から鋭い質問が出る。その後「天皇制を考える会」という学習会にも出席し、3時半頃帰宅。一休みして、夜遅くまでかかって富坂キリスト教センターの紀要に載せる「内面史研究会」の原稿をまとめて、メールで入稿。

21日(月)北支区教師部研修会で西片町教会へ。90歳になる関田寛雄先生の講演。恩師に当たる浅野順一先生や鈴木正久先生のこと、最初の開拓伝道の桜本教会でのこと、特に在日大韓川崎教会の李仁夏牧師との出会い、さらに青山学院の神学科廃止の経緯、そして川崎戸手伝道所の開拓伝道のことなど、関田先生の牧師として、あるいは実践神学の研究者としての歩みを伺い、改めて感銘を深くした。何か普遍的な神学を求めるのではなく、その都度その都度の「暫定生の神学」、「断片の神学」の強調が印象に残った。夜は近くのイタリアン・レストランで関田先生を囲んで一緒に会食をして散会。

22日(火)午前中、錦糸町の墨東病院で内科の定期検診。午後帰宅し、準備をして夜は日本聖書神学校の補講。この日が最終日で、一年間の授業の総まとめ。

23日(水)午前中、東京医科歯科大学病院へ。前立腺癌からの転移がないか全身のCT検査をしたところ、甲状腺腫瘤が見つかり耳鼻咽喉科の診察を受ける。喉のところに3センチほどの腫瘤があり、針生検をして細胞検査に回す。前立腺との関連は考えにくいが、念のためとのこと。来週は骨シンチという検査が待っている。この年になると身体のあちこちにガタが来ていることを痛感した。午後帰宅して、明日の会館オウナー会議の資料作成や、2月の教会予定表の作成などの事務仕事。NCA法人本部からの連絡で事務処理を失念していたとの指摘。

24日(木)午後から会館オウナー会議。日本基督教団を初め、14の団体の代表が集まり、キリスト教会館の施設や運営の課題について協議する。私はこの3月で管理組合委員長の責任から解放されるが、冷暖房機の老朽化や将来の建て替えのための積み立てなど難問は山積み。

25日(金)昼前に家を出て、1時から農村伝道神学校の授業。帰宅したところに、竹森静子さんが12日に亡くなったという手紙が、息子さんの哲郎さんから届いた。葬儀などは身内で済ませたとのこと。昨年秋に電話で話したのが最後。牧師として何も出来なかったことがつくづく悔やまれる。

26日(土)午後は新宿伝道所の「聖書と人間を考える会」。発題は葛飾保健所で保健婦として働く三浦みつ美さん。六車由美『驚きの介護民俗学』から、介護現場の課題を紹介された。コヘレト3111について短く解説する。(戒能信生)

2019年1月23日水曜日


2019年1月27日午前10時30分

降誕節第5主日伝道礼拝(No44

      司式 石井 房恵  

    奏  黙 想        奏楽 釜坂由里子

招  詞  93-1-24

讃 美 歌  24

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編32・1~11

讃 美 歌  153     

聖書朗読  申命記26・5-11

祈  祷

讃 美 歌  444

説  教  「滅び行く一アラム人として」

                戒能 信生師

祈  祷

讃 美 歌  399

使徒信条  (9341A

献  金             橋本悠久子

報  告

頌  栄  27

派遣・祝福

後  奏         

 

【本日の集会】

・教会学校 お話し・大森意索、奏楽・戒能直子

・礼拝後、お茶の会

CS教師会

・週報等発送作業

・らふぁえる練習



牧師の日記から(197

113日(日)主日礼拝。Ⅰヨハネ書簡31118の講解説教「互いに愛し合いなさい」。キリスト教は、その宗教思想が卓越していたからではなく、民族や身分、性差を超える「愛の共同体」として地中海世界に拡がっていたのではないか。この手紙が強調する「互いに愛し合いなさい」というスローガンがそれを示している。それにつけても思い出されるのは、まだ駆け出しの牧師だった頃の先輩牧師からの忠告。「戒能くん、もっと肩の力を抜きなさい。君の説教で信徒が増えるわけではないよ。」しかしそれに続けてこう続けた。「でも牧師に躓いて教会を去る人が少なくないことは確かだね。」この忠告は、今にして身に染みる。

14日(月)午後、南千住の大塩光子さん宅へ。故・大塩清之助牧師の遺稿・追悼集の編集の打ち合わせ。町屋新生伝道所の信徒工藤定嗣さんが編集に協力してくれることになったので大助かり。相談が終って、光子さんの手料理を頂く。

15日(火)午前中、神学読書会。マルクス・ガブリエルの『なぜ世界は存在しないのか』の後半を、百人町教会の賣晶惇牧師の紹介で取り上げる。出席者は牧師6名、信徒2名の計8名。午後から、『時の徴』の編集委員会。納品された153号を、寄贈分と合わせて約900部発送作業。昨年秋の教団総会の様子や次号以降の編集の相談。途中で、森野善右ヱ門先生の具合が悪くなり、荻窪教会の小海基牧師が車で来ていたので、前橋まで送ってもらう。夜、常磐教会の明石義信牧師に電話をし、震災から7年経過した中での福島の教会の状況を書いてくれるように依頼。夜遅く、日本聖書神学校の来年度のシラバスを作成してメールで送る。

16日(水)午前中、聖書を学ぶ会を休止して、キリスト教会館の三者協議会へ。午後帰宅して、来週交換講壇で出かけるまぶね教会での説教の原稿をメールで送付。耳の不自由な人がいるので、説教中にプロジェクターで原稿を映写するとか。昨年の秋に「戦争を許さないキリスト者の会」でした講演「戦時下の教会の実際」の原稿を整理して、編集担当者に送稿。夜は、日本聖書神学校の補講。本来の授業は月曜日なのだが、振替休日が多いため、補講が必要になる。この日は鈴木正久を取り上げて講義する。帰宅後、明日の管理組合委員会のアジェンダや、NCAの次年度の事業計画案を作成する。

17日(木)午前中、会館管理組合委員会。来週のオウナー会議の準備や、施設の老朽化に伴う補修などについて協議。午後はNCAの事務仕事。3時から関東活動センターの運営委員会。次年度の事業計画について話し合う。夜は、そのまま日本聖書神学校の補講。この日は受講生たちのリーディング・レポート。少し時間があったので、図書館でいくつかの学会誌に目を通す。

18日(金)午前中、NCAの京都本部と関東活動センターの来年度予算について電話で打ち合わせ。昼前に家を出て農村伝道神学校へ。この日は隅谷三喜男についての講義。午後急いで帰宅し、夜は北支区宣教研究委員会。(戒能信生)

2019年1月20日午前10時30分

降誕節第4主日伝道礼拝(No43

      司式 荒井  眞  

    奏  黙 想        奏楽 梅本 順子

招  詞  93-1-24

讃 美 歌  24

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編31・1~35(着席のまま)

讃 美 歌  57     

聖書朗読  ルカ福音書4・16-30

祈  祷

讃 美 歌  494

説  教  「アウシュヴィッツへの旅」

         まぶね教会 石井智恵美牧師

祈  祷

讃 美 歌  487

使徒信条  (9341A

献  金             鈴木志津恵

報  告

頌  栄  27

派遣・祝福

後  奏         

 

【本日の集会】

・教会学校 お話し・橋本悠久子、奏楽・戒能直子

・礼拝後、石井牧師を囲む懇談会(軽食付き)司会・鈴木志津恵

2019年1月12日土曜日


牧師の日記から(196)「最近読んだ本の紹介」

梯久美子『原民喜 死と愛と孤独の肖像』(岩波新書)詩人原民喜の原爆体験についての痛切な詩も折々に読んで来た。しかしそれ以上のことは全く知らなかった。繊細で、極端に人間関係に不器用なこの詩人が、慶應義塾を卒業後、左翼運動に挫折するも幸せな結婚によって立ち直り、妻に支えられながら細々と文学活動を続ける。しかしその愛妻を結核で失い、失意の内に故郷の広島に帰った直後に被爆する。その実見をノートに書き付け、それがあの幾篇かの原爆詩に結晶したのだという。その後上京して原爆詩人として知られるようになるが、昭和26年に中央線の西荻窪駅の近くで鉄道自殺をする。45歳だった。フランスに留学中の遠藤周作を初め友人たちに遺書を残していて、それが哀切極まりない。その蹉跌多い生涯を知って、原民喜の詩が一層身近になった。

四元康祐『前立腺歌日記』(講談社)娘の羊子が本屋で見つけて買ってきてくれた。著者はドイツ在住の詩人で、彼の地で検査の結果PSA値の高いことが発見され、生検をして前立腺癌と診断される。摘出手術を受け、さらにリンパ節への転移を押さえるために放射線療法を受ける。その一連の経過が、パロディーを含む詩や短歌を縦横に織り交ぜながら描かれる。それが独特のユーモアがあり、かつドイツの医療事情や治療の実際を知ることも出来るので一気に読まされた。中でも男性としての性的能力を失うことの重大さが強調されていて考えさせられた。私の場合は年齢もあり、性的機能のことをあまり考えていなかったが、一般にはそれが深刻な問題であることに改めて気づかされた。

柄谷行人『意味という病』(講談社学術文庫)柄谷の文芸評論の多くは、私にとって距離があり過ぎてよい読者ではない。しかし本書に収録された鴎外論「歴史と自然 鴎外の歴史小説」はよく了解でき示唆を与えられた。乃木希典の殉死に想を得て執筆された『興津弥五右衛門の遺書』を、鴎外は後に大幅に改稿している。そこに着目して、人間の意志や意図について、それを自明なものとするのではなく、「自然過程」として捉える鴎外の歴史小説の特質を見出す。つまり動機や理由から歴史を観るのではなく、「資料の中に伺われる自然」にこそ注目して鴎外の一連の歴史小説は書かれたというのだ。その関連でエピソード論に触れているが、私が日本キリスト教史の勉強の中で考えさせられていることと重なる。

橋爪大三郎・中田考『一神教と戦争』(集英社新書)橋爪さんはクリスチャンの社会学者、中田さんはムスリム学者で同志社神学部一神教学際研究センターの教授。欧米思想とイスラムの戦争観が対比されていて、興味深く読んだ。特に西欧的近代とイスラムとの非親和性の歴史的経緯と背景を学ばされた。
鈴木智彦『サカナとヤクザ』(小学館)アワビやナマコ、カニなど高級魚の密漁とヤクザ組織の関わりを追跡したルポルタージュ。築地市場に労働者として潜入したり、ヤクザ組織の伝手をたどって関係者にインタビューしたりして、「密漁ビジネス」の実態に迫っている。全く知らない世界を垣間見た。(戒能信生)

2019年1月6日日曜日


2019年1月13日午前10時30分

降誕節第3主日礼拝(No42

      司式 鈴木志津恵  

    奏  黙 想        奏楽 釜坂由里子

招  詞  93-1-24

讃 美 歌  24

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編30・1~13(着席のまま)

讃 美 歌  419     

聖書朗読  ハバクク書2・1-4

      Ⅰヨハネ書3・11-18

祈  祷

讃 美 歌  296(13節)

説  教  「互いに愛し合いなさい」

                戒能 信生牧師

祈  祷

讃 美 歌  296(46節)

使徒信条  (9341A

献  金             萩原 好子

報  告

頌  栄  27

派遣・祝福

後  奏         

 

【本日の集会】

・教会学校 お話し・戒能牧師、奏楽・戒能直子

・礼拝後、お茶の会、

聖書を読む会(婦人会主催)創世記34131 担当・萩原好子

2019年1月5日土曜日


牧師の日記から(195)「最近読んだ本の紹介」

黒川創『鶴見俊輔伝』(新潮社)鶴見俊輔という人は、私にとってかけがえのない存在だった。学生時代から現在まで、この人の書いたものを読むことによって自分の位置を確かめてきたと言える。何よりその文章が分かりやすい。複雑で難解な事柄を平易に説明するその姿勢にいつも学ばされてきた。その鶴見俊輔の伝記を黒川創がまとめてくれた。著者は、子どもの頃から鶴見の周辺にいて、鶴見の主催した『思想の科学』の終盤の編集実務やその後始末を担った人という。膨大な資料を整理して、鶴見の歩んだ足跡を一冊に編集している。今後鶴見について考える時、必読の文献になるだろう。こういう若い世代の後継者を育てたのも、鶴見俊輔という人の持ち味だった。12月の初めの検査入院中に読んで、改めて教えられ学ばされた。

アーシュラ・K・ル・グィン『所有せざる人々』(ハヤカワ文庫)著者のハイニッシュ・ユニバース・シリーズの一冊。「所有」を否定する人々が鉱山惑星に移住して平等を原則とする理想社会を形成する。しかしそこには拭いがたい停滞と閉塞感が覆う。残された惑星は科学が進歩し豊かな社会に成長するが、貧富の格差と国家間の戦争を止められない。この二つの未来世界を対比しながら、主人公の物理学者が惑星間即時通信を発明して、大宇宙連盟エクーメンが成立するというル・グインの比較的初期のSF小説。単純なユートピア的空想科学小説であったそれまでのSFを一新し、未来社会の構想を通して現在の社会を鋭く諷刺するSFファンタジーの世界を切り拓いている。

保坂正康『戦場体験者 沈黙の記録』(ちくま文庫)昭和史の実証的な研究者である著者が、特に戦友会などの詳細な聞き書きを元に、戦場体験者の生の声を引き出している。一読して教えられたのは、日本軍兵士たちの証言に、時代による変遷が見られること。特に将校たちの記憶と兵士たちの証言の食い違いや矛盾を精査して、その背景までを探っている。最後の「故人が残した記録」の中で、『きけ、わだつみのこえ』にも出てくるクリスチャン特攻隊員林市造のことに触れている。あの時代、信仰を貫いて特攻死したキリスト者の葛藤に想いを馳せられた。

陳舜臣『耶律楚材 上下』(集英社)教会の印刷室にあったので、お正月の休みに読んでみた金王朝の下級官僚でありながら、モンゴル帝国の創始者フビライ・ハンに見出され、宰相にまで登り詰めた耶律楚材を主人公とする歴史小説。略奪と破壊を特徴とする強大なモンゴル政権と、中華文明をいかに両立させるかに楚材の労苦と使命があったとする。戦乱の中での知識人の使命と役割を主題とする。

ローレンス・ブロック『泥棒はスプーンを数える』(集英社文庫)アルコール依存症の探偵マッド・スカダー・シリーズや、殺し屋ケリー・シリーズなどこの作家は多作で知られる。このシリーズは古書店を営みながら、本業は凄腕の泥棒が主人公で、現代アメリカのある断面を知ることが出来る。本来は短編集だが、本作は長編。これも気晴らしに楽しく読んだ。戒能信生)