2023年2月26日日曜日

 

2023年3月5日 午前10時30分

受難節第2主日礼拝(No46

             司式 野口 倢司

前  奏  黙想     奏楽 内山 央絵

招  詞  93-1-33

讃 美 歌  24

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編75・1-11

讃 美 歌  470

聖書朗読  創世記9・12-17

ルカ福音書15・25-32

祈  祷

讃 美 歌  453

説  教  「放蕩息子の譬②」

戒能信生牧師

讃 美 歌  451

使徒信条  (9341A

献  金              萩原好子

報  告

頌  栄  27

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

・教会学校 お話し・大森意索、奏楽・内山央絵

・礼拝後、定例長老会

・ライブ配信担当・大森意索

・礼拝堂の後ろに飲み物を用意してあります。水分補給にご利用ください。

2023年2月25日土曜日

 

牧師の日記から(406)「最近読んだ本の紹介」

坂口ふみ『「個」の誕生 キリスト教教理をつくった人びと』(岩波文庫)4世紀から6世紀にかけて、ニカイア公会議からカルケドンを経てコンスタンチノポリス公会議によって三位一体の教理やキリスト論が形成されていく。つまりこの時期、キリスト教神学の骨格が作られたのだが、それは素朴な旧新約聖書の信仰を、プラトンやアリストテレスなどのギリシア思想・哲学によって論理化し、洗練させ磨き上げる過程だったと言える。私自身も神学校で初期キリスト教史の授業で学んだが、率直に言って退屈な印象しか覚えていない。皇帝をめぐる宮廷政治の駆け引きを背景に、些細な信仰理解の違いを取り上げて、次々に論敵を異端として排除していく過程は、むしろ教会の負の歴史としか受け取れなかった。ところが本書では、その複雑精緻な教理論争を整理して、ヨーロッパ成立以前の時代の精神を甦らせ、それが近代を基礎づけた経緯を跡付けてくれる。東西ローマの対立が、西の理性的・論理的なキリスト教理解に発展し、東はビザンツ文化と混淆して精神化していく過程もおぼろげながら理解できた。西方教会が特にアウグスチヌスによって内面に沈潜化していく一方で、東方教会が聖霊信仰を重んじる傾向が顕著になっていったという。長く東北大学で中世哲学を担当したこの著者の存在を、私は知らなかった。ギリシア語、ラテン語を駆使して、教理論争をこのように読み解くことができることを改めて教えられた。

島薗進他『徹底討論 問われる宗教とカルト』(NHK出版新書)安倍元首相の暗殺事件を契機として、旧統一協会問題、宗教と政治の癒着、カルト問題などがマスコミで取り上げられるようになった。本書は、その先駆けになったNHK-Eテレの二回に渡る放送を書籍化したもの。私自身はこの放映を見ていないが、旧知の小原克博さんや川島堅二さんなども参加していることもあって目を通した。緊急な対談だったにもかかわらず、錯綜した問題点を整理してくれる。特に、小原さんの「近代国家が生んだ犠牲システム」という発題は、国葬問題を理解するために必読の問題提起と感じた。

浜本隆志『笛吹き男の正体』(筑摩選書)ハーメルンの笛吹き男の民話は、既に阿部謹也が見事な分析をして知られる。すなわち、この民話の背景には、子ども十字軍や感染病など諸説があるが、根底には東方への開拓移民によって大勢の若者が勧誘された歴史的事情が背景にあることが実証された。本書は、その後の研究を踏まえて、それが植民請負人によるもので、1284622日と日付まで特定され、その旅のルートも推定される。さらに、その後のドイツ東方植民(主にポーランド)の系譜に分け入り、それがナチスによる東方植民運動へとつながり、実際に多数の子どもが拉致されことが明らかにされる。ここまで来ると、ちょっと判じ物という感がなくもないが、興味深く読まされた。(戒能信生)

2023年2月19日日曜日

 

2023年2月26日 午前10時30分

受難節第1主日礼拝(No45

            司式 戒能信生牧師

前  奏  黙想    奏楽 釜坂 由理子

招  詞  93-1-

讃 美 歌  19

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編74・1-23

讃 美 歌  215

聖書朗読  マタイ福音書4・1-11

祈  祷

讃 美 歌  384

説  教  「誘惑」

長尾有起牧師

讃 美 歌  441

使徒信条  (9341A

献  金              野口洋子

報  告

頌  栄  42-1(二度繰り返して)

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

・教会学校(休校)

・ライブ配信担当・荒井眞

・礼拝後、入門の会「使徒信条⑥」戒能牧師

・週報等発送作業、ご協力ださい。

・らふぁえる練習

・礼拝堂の後ろに飲み物を用意してあります。水分補給にご利用ください。

2023年2月18日土曜日

 

牧師の日記から(405

212日(日)主日礼拝。ルカ福音書158-10の講解説教「無くした銀貨の譬」。この譬は「見失った羊の譬」とペアーとして伝えられたはずが、マタイ福音書では省略され、初代教父たちもほとんど顧みないという。失った羊をあくまで探し求める羊飼いが「父なる神」のイメージと重なるのに対して、銀貨を無くした女性(主婦)では都合が悪かったからだという。この譬から私が連想したのは、大本教の教祖出口なおの初期の活動。人生の苦労を舐め尽した果てに神懸りした主婦なおが、近所の女性たちの相談相手になる。その際「失せ物」を見つけ出して喜ばれた。それが大本教の出発につながったという。「無くした銀貨」を探し求めてついに発見し、近所の女たちと共に喜び合うこの譬と重なるものがあるのではないだろうか。礼拝後「私の愛唱讃美歌」は萩原好子さんの担当。エルビス・プレスリーのCDからゴスペルが紹介された。プレスリーは、少年時代近くの教会のクワイアに参加し、それが彼の音楽の原点になったという。午後、早稲田教会での奉仕を終えた長尾有起牧師が来られて、担任教師辞任の書類を作成。長尾先生は、4月から北支区王子教会の主任担任教師として招聘されることになった。喜んで送り出したい。

13日(月)午前中、大久保の法務局に出向いて、教会の法人印鑑登録と履歴事項証明書を発行してもらう。教会の銀行口座の名義変更のため。帰りに新宿で降り、眼鏡屋さんでメガネを調整してもらう。小さな文字が読みにくくなっているため。夜は、明日の神学読書会の発題準備

14日(火)午前中、神学読書会。雨宮栄一先生の遺著『反ナチ抵抗運動とモルトケ伯』を紹介する。貴族や官僚、市民たちが協力して敗戦後のドイツ再建構想を協議したクライザウ・サークルは、21名のうち10名が処刑されている。モルトケはその中心人物で、やはり38歳で処刑されている。しかし彼らの構想が、戦後のドイツの方向性に決定的な影響を与えたとされる。しかしそれにしても、戦時下のこの国でこのような活動が起こらなかったのはなぜかを改めて突きつけられる。午後、散歩。

15日(水)午前中、散歩。午後、NCAの講座「キリスト教と文学」をZoomで受講。この日は柳田邦雄の『犠牲』が取り上げられる。心を病む息子が自殺を図り、脳死状態になってから亡くなるまでの11日間のドキュメントだが、脳死問題や臓器移植の問題などを考えさせられる。しかし何より身近な者の自死を受け止めかねる家族のドキュメントでもある。私自身が身内や親しい友人たちを何人も自死で失っているだけに、身につまされる想いで読まされた。著者の再生の物語でもある。

16日(木)午前中、眼科医で緑内障の検査。来年には白内障の手術になりそう。三菱UFJ銀行で口座の名義変更の手続き。その後、キリスト教会館の事務所に行き事務仕事。神学生交流プラグラムや来年度の講座等の準備。今年度の財政が赤字になりそうで頭が痛い。(戒能信生)

 

2023年2月19日 午前10時30分

降誕節第9主日礼拝(No44

             司式 石井 房江

前  奏  黙想     奏楽 釜坂由理子梅本順子

招  詞  93-1-

讃 美 歌  19

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編73・1-28

讃 美 歌  125

聖書朗読  イザヤ書41・9-11

ルカ福音書15・11-24

祈  祷

讃 美 歌  523

説  教  「放蕩息子の譬①」

戒能信生牧師

讃 美 歌  505

使徒信条  (9341A

献  金              高岸泰子

報  告

頌  栄  42-1(二度繰り返して)

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

・教会学校(休校)

・ライブ配信担当・荒井久美子

・礼拝堂の後ろに飲み物を用意してあります。水分補給にご利用ください。

2023年2月11日土曜日

 

牧師の日記から(404)「最近読んだ本の紹介」

沢知恵『うたに刻まれたハンセン病隔離の歴史』(岩波ブックレット)先日、玉島教会を訪れた際、沢知恵さんが会いに来てくれてこの本を頂いた。知恵さんは、故・沢正彦牧師と金纓さんの長女で、歌手として活動している。幼いときに父親に連れられてハンセン病療養所大島青松園を訪ねたことがきっかけで、青松園の患者さんたちとの交流が復活し、岡山に移住する。偶然、青松園の古い資料に園歌を見つけたことから、全国に散在する療養所を訪ねてそれぞれの園歌を発掘し、それを分析して岡山大学大学院に提出した論文がこのブックレットのもとになっている。それぞれの園歌は山田耕筰や本居長世を初めとする高名な音楽家が作曲している場合もあるが、問題はその歌詞。「民族浄化」や「一大家族」「楽土」などをキーワードとして、強制隔離を合理化したものが多い。しかし著者は、患者さんたちにそれらの園歌がどのように受け止められ、歌われてきたかを詳細に聞き出している。それによってまさに「うたに刻まれたハンセン病隔離の歴史」が描き出されている。差別の歴史に、音楽という視点から切り込んだ労作と言える。現在全国に14箇所の療養所があるが、いずれも患者さんたちの高齢化によって終末期を迎えている。この労作はギリギリ間に合ったという感がある。私自身も、学生時代の駿河療養所のワークキャンプに始まって、これまで様々な機会に御殿場の神山復生園、瀬戸内海の長島愛生園、清瀬の多摩全生園、青森の松岡保養園、沖縄愛楽園、奄美和光園などを訪ねて、キリスト者の患者さんたちと交流して来た。その一つ一つの出会いを思い出して感銘を新たにした。

増田琴『マルコ福音書を読もう いのちの香油を注ぐ』(日本キリスト教団出版局)経堂緑ヶ岡教会の牧師増田琴さんから恵贈されて一読。女性の視点からの福音書の読み解きが、柔らかく説得的に語られる。話し言葉で、分りやすいのに感心した。

内村鑑三『基督信徒の慰め』(岩波文庫)ずっと以前に読んでいるが、改めて散歩の途中に少しずつ味読した。「不敬事件」によってバッシングを受けた直後の内村の最も不遇の時期に書かれたものだが、何よりその文体に感銘を受ける。「愛する者の失せし時」「国人に捨てられし時」「基督教会に捨てられし時」「事業に失敗せし時」「貧に迫りし時」「不治の病に罹りし時」という各章に、内村自身の経験に裏打ちされた烈しい言葉がほとばしる。声に出して音読するのに充分耐える名文と言える。

島薗進編『政治と宗教』(岩波新書)統一協会問題について、特に自民党などの政治との癒着の構造とその歴史について、分かりやすく解説してくれる。しかし、安倍元首相の暗殺事件がなければ、このような書物は出版されたなかったことを考えると、何とも複雑な感じが残る。この国の政治と宗教の問題が、きちんと論じられてこなかったことがその背景にあると言えるだろう。それは私たち自身の責任でもある。(戒能信生)

 

2023年2月12日 午前10時30分

降誕節第8主日礼拝(No43

              司式 橋本 茂

前  奏  黙想      奏楽 梅本順子

招  詞  93-1-

讃 美 歌  19

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編72・1-20

讃 美 歌  452

聖書朗読  ヨブ記2・1-10

ルカ福音書15・8-10

祈  祷

讃 美 歌  491

説  教  「失った銀貨の譬え」

戒能信生牧師

讃 美 歌  458

使徒信条  (9341A

献  金              常盤陽子

報  告

頌  栄  42-1(二度繰り返して)

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

・教会学校(休校)

・ライブ配信担当・大森意索

・礼拝後、「私の愛唱讃美歌」萩原好子

・礼拝堂の後ろに飲み物を用意してあります。水分補給にご利用ください。

 

牧師の日記から(403

128日(土)朝9時過ぎの新幹線で岡山に。岡山西部地区婦人協議会での講演のため。1時過ぎに新倉敷に着き、三浦きょう子牧師に出迎えられ玉島教会へ。2時から「教団戦争責任告白と私たちの教会の課題」というテーマで講演。リモートも含めて40人ほどの参加者がよく聞いてくれた。特にこの玉島教会出身の中田善秋神学生が、日本基督教団から南方派遣宣教師としてフィリピンに派遣され、その後BC級戦犯に問われ重労働30年の刑を受けた経緯を紹介する。岡山に住んでいる旧知の歌手・沢知恵さんが会いに来てくれ、最近出版された『うたに刻まれたハンセン病隔離の歴史』(岩波ブックレット)を頂く。夜は高津俊・きょう子牧師夫妻と一緒に倉敷に出て、名物の「返し寿司」を賞味する。藩から倹約令が出る中で、豊かな倉敷の商人たちはバラ寿司の底に豪華な魚介類を引き詰めて食べたという曰くがあるとのこと。夜は国民宿舎良寛荘に泊まる。

29日(日)早朝起きて、宿舎近くの古刹・円通寺近辺を散歩。若き日の良寛が、この寺で20年間修業したという。寒い朝だったが、眼下に広がる瀬戸内海を眺めながら歩く。同じ宿舎に泊まっていた横野朝彦牧師夫妻と朝食。10時半から玉島教会の主日礼拝で説教。間もなく創立120年を迎える玉島教会も、信徒の高齢化が進み様々な困難を負っている。若い高津・三浦牧師たちのこれからの活躍を期待する。その後、横野牧師夫妻に昼食をご馳走になり、岡山駅まで送ってもらう車中、いろいろ積もる話をした。6時過ぎ無事帰宅。お世話になった方々に礼状を書く。

30日(月)午前中、散歩。午後から太田智子さんの講座「キリスト教と美術」にリモートで参加。エル・グレコ、ベラスケス、ムリーリョ、デ・ラ・トーレ、ゴヤなど17世紀のスペインの絵画を堪能する。

131日(火)午前中、NCAの理事会にZoomで参加。午後から富坂キリスト教センターで同胞教会史研究会。片野真佐子さんから、柏木義円日記についての膨大なメモが送られて来た。これを整理して、『福音と世界』連載の企画を考えなければならない。

21日(水)午前中、散歩。午後は明日の『時の徴』の発送準備。購読料振込の確認をして宛名ラベルをプリントアウト。寄贈分と合わせて約900通の封筒に宛名ラベルやDM便のシールを貼る作業を直子さんに手伝ってもらう。来週の定例長老会のアジェンダを作成して、インドネシアの西村さんにも送付。Zoomのインビテーションも。

2日(木)午前中、キリスト教会館の事務所に行って事務仕事。午後から『時の徴』の発送作業と編集委員会。夜、日本聖書神学校の2023年度の授業計画を作成して教務部に送る。これが最後の講義になるだろうか。

3日(金)午前中散歩。新しく始まるNCA読書会「キリスト教と文学」の簡単な案内を作成して講師の柴崎聰さんに送付。夜は、北支区連合祈祷会にZoomで参加。健康を回復して活動再開という感じ。(戒能信生)