2021年8月29日日曜日

 

2021年9月5日 午前10時30分

聖霊降臨節第16主日礼拝(No23

      司式 鈴木志津恵

    奏  黙 想        奏楽 内山 央絵

招  詞  93-1-

讃 美 歌  6(123節)

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編148・1-14

讃 美 歌  545(12節)

聖書朗読  エゼキエル書371528

      ルカ福音書8・26-39

祈  祷

讃 美 歌  487(12節)

説  教  「悪霊に憑つかれ男の癒し」

            戒能 信生牧師

讃 美 歌  443(123節)

使徒信条  (9341A

献  金             西村 正寛

報  告

頌  栄  85(二度繰り返して)

派遣・祝福

後  奏 

  

【本日の集会】

・教会学校 お話し・戒能牧師、奏楽・内山央絵

・ライブ配信担当・西川 穂

・礼拝後の集会 定例長老会

・お茶の会は感染症の拡大を避けるため差し控えています。礼拝堂の後ろに飲み物を用意していますので、必要な方はご利用下さい。

 

牧師の日記から(332)「最近読んだ本の紹介」

杉本智俊『図説 旧約聖書の考古学』(河出書房新社)旧約聖書の歴史を考古学の観点から解説してくれる。著者自身が慶応大学の学術発掘隊を率いてガリラヤ湖対岸のエン・ゲブ遺跡の調査に携わっており、豊富な写真や図説によって最近の考古学研究の動向を知ることができる。特に、イスラエル民族のカナン定着に関して、従来の「武力征服説」や「引き上げ説」、「平和浸透説」等に代わって、最近はそれらを総合した「民族創生説」が主流となり、しかも考古学的な知見と合致するという。その他にも、1997年にテル・ダン遺跡から「ダビデの家」と記された碑文が発見されたこと(ダビデについての初めての聖書外資料)、ソロモンが建設したとされる「倉庫の町」「戦車の町」「騎兵の町」が遺跡によって確認されたこと、またフェニキアと海外貿易をして莫大な富を得たことを示す発掘物など、新しく教えられることが多い。キリスト教会の聖書研究が、どちらかと言えば文書資料の分析と解釈が中心であるのに対して、考古学の立場からの検証の必要を改めて教えられた。学生時代、イスラエルの発掘調査に誘われたことがあったが、飛行機代が出せなくて断念したことを思い出した。

ウンベルト・エーコ『歴史があとずさりするとき』(岩波現代文庫)『薔薇の名前』で世界的に知られる作家エーコの随筆集。現代イタリアの政治状況やアメリカによる対テロ戦争への痛烈な批判、反ユダヤ主義についてなど、現代のホットな議論に、豊富な歴史的な知見から積極的に発言していることに驚く。中でも、「神を信じなくなった人間は何でも信じる」として、現代の科学信仰やオカルティズム、ダン・ブラウン現象などを取り上げて揶揄しているのが興味深かった。この国の作家の多くは、政治的な問題はもちろんのこと、それこそ現在のコロナ禍の問題などについてもほとんど発言しないのは何故かと考えさせられる。

マルク・ロジェ『グレゴワールと老書店主』(東京創元社)羊子に勧められた読んだファンタジー。バカロレアに落ちた劣等生の18歳の青年が、伝手を頼りにある老人ホームに就職する。そこで元書店主だった老人と出会い、緑内障で本を読めない老人のために朗読サービスをすることになる。これによって本を読むことに目覚めた青年の成長と老人たちとの交友をユーモラスに描いている。改めて朗読の大切さを考えさせられた。子どもの頃、まだ我が家にテレビのない時代、日曜日の夜、ラジオを囲んで家族一同で「日曜名作座」という放送を聞いた。森繁久彌と加藤道子の二人の朗読で、いろいろな作品が取り上げられて印象に残っている。ただ耳から聞こえて来るだけの朗読によって、聴く者の想像力が喚起される経験だった。考えてみると、シナゴグでも教会でも、文字の読めない人々のために聖書が朗読され、会衆は耳から聖書の言葉を聞いた。文字で読む聖書と、耳から聞く聖書ではニュアンスが大きく異なる。長岡輝子さんの聖書朗読がCDになっているが、その鮮烈なイメージに驚いた。(戒能信生)

2021年8月22日日曜日

 

2021年8月29日 午前10時30分

聖霊降臨節第15主日礼拝(No22

      司式 大森 意索

    奏  黙 想        奏楽 向山 康子

招  詞  93-1-53

讃 美 歌  4(34節)

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編147・1-20

讃 美 歌  425(123節)

聖書朗読  列王記上17・1-16

祈  祷

讃 美 歌  533(12節)

説  教  「烏に養われる預言者」

            戒能 信生牧師

讃 美 歌  466(123節)

使徒信条  (9341A

献  金              西川 穂

報  告

頌  栄  91(2節)

派遣・祝福

後  奏 

  

【本日の集会】

・教会学校(夏休み)

・ライブ配信担当・西川 穂

・礼拝後の集会 入門の会「聖書はどうやって出来たか①」戒能牧師

・ⅭS教師会

・週報等発送作業(時間のある方はご協力ください)

・お茶の会は感染症の拡大を避けるため差し控えています。礼拝堂の後ろに飲み物を用意していますので、必要な方はご利用下さい。

2021年8月21日土曜日

 

牧師の日記から(331)「最近読んだ本の紹介」

エチエンヌ・トロクメ『キリスト教の幼年期』(ちくま学芸文庫)本書の旧版『キリスト教の揺籃期』は、1998年に新教出版社から刊行されている。どういうわけか見逃していて、文庫本になったので精読した。著者のトロクメは、フランスを代表する新約聖書学者で、ストラスブール大学の学長も担った人(因みに、この大学にはフランスで唯一のプロテスタント神学部がある)。この人の許で最初に日本人で博士論文を書いたのが田川建三さんで、改めて田川さんの新約学にトロクメの影響が濃厚にあることを知った。一世紀から二世紀半ばにかけての時代の初期キリスト教の全体を見渡し、様々な流れの中から新約各書が書かれていった経緯が説得的に提示される。さらに、エッセネ派の影響が初期キリスト教にあったこと、またエルサレム教会と断絶したパウロたちの異邦人教会が、パウロの逮捕とユダヤ人教会の攻勢でいったんは弱体化したかに思われたが、70年のユダヤ戦争以降の政治状況でエルサレム教会が指導力を失うとともに息を吹き返し、パウロの信仰理解が多くの教会に積極的に受け入れられていった経緯を知ることができる。研究者向けに書かれたものではないが、膨大な初期キリスト教の関係資料を渉猟し、それを徹底して批判的に検証していることを伺わせる。索引を用いて、これからも利用するだろう。

清野勝男子『キリスト教葬制文化を求めて』(IPC出版社)教会員の岡﨑大祐さんの御長男・裕一さんからお借りして目を通した。著者は、裕一さんが出席している同盟キリスト教団土浦めぐみ教会の牧師で、数多くの葬儀の実践を通して、日本社会の葬儀習慣に寄り添いながら新しいキリスト教葬制文化を提案している。神学的にもまた宣教論的にもきわめて周到なアプローチに学ばされた。具体例として非キリスト者、あるいは自死者の葬儀等が取り上げられており、とても参考になる。

上野千鶴子『100de名著 ボーヴォアール 老い』(NHK出版)ボーヴォアールの『老い』は読んでいなかったので、テキストを買って来て教育テレビのこの番組を視聴した。古今東西の文学者や哲学者の「老い」についての言説を総覧し、さらにその老いの実際を重ね合わせて論じていることが了解できた。上野千鶴子の解説は、老人問題についてのボーヴォアールの先駆者としての意味と位置を教えてくれる。老いをただ否定的に受け止めるのではなく、老いを引きうけようとする姿勢に共感した。

マイクル・コナリー『鬼火 上・下』(講談社文庫)コナリーのボッシュ刑事シリーズは欠かさず目を通してきた。これまで愛読して来たミステリー作家が次々に亡くなって寂しい思いをしている中で、ほとんど唯一の現役で、今も精力的に創作活動をしているのが嬉しい。引退した老刑事が、ガタが来た身体を引きずりながら若い女性刑事と協力して、未解決事件に取り組む。そのディテールが極めて説得的で読ませる。現代アメリカ社会のある断面が見事に活写されているのにいつも驚く。(戒能信生)

2021年8月15日日曜日

2021年8月22日 午前10時30分

聖霊降臨節第14主日礼拝(No21

      司式 梅本 順子

    奏  黙 想        奏楽 釜坂由理子

招  詞  93-1-53

讃 美 歌  4(12節)

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編146・1-10

讃 美 歌  169(12節)

聖書朗読  ハバクク書3・17-19

      ルカ福音書8・22-25

祈  祷

讃 美 歌  450(12節)

信徒講壇  「嵐の中、眠るイエス」

            戒能 信生牧師

讃 美 歌  462(123節)

使徒信条  (9341A

献  金             津金 寿子

報  告

頌  栄  91(1節)

派遣・祝福

後  奏 

  

【本日の集会】

・教会学校(夏休み)

・ライブ配信担当・荒井眞

・礼拝後の集会は特にありません。

・お茶の会は感染症の拡大を避けるため差し控えています。礼拝堂の後ろに飲み物を用意していますので、必要な方はご利用下さい。 

2021年8月14日土曜日

 

牧師の日記から(329)「最近読んだ本の紹介」

加藤陽子『この国のかたちを見つめ直す』(毎日新聞出版)著者は『それでも、日本人は戦争を選んだ』で一躍有名になった近代日本史研究者。昨年、菅首相に日本学術会議の推薦から外された6名の一人としても知られる。その著者が、毎日新聞に執筆したこの10年ほどの時評や書評、エッセイなどが収録されている。『文芸春秋』に連載された司馬遼太郎の名コラム「この国のかたち」を念頭にこの書名が採られているが、一読して、著者の政治感覚と研究者としてセンスを伺い知ることができる。その幅広い読書領域にも感心したが、中でも内村鑑三を再評価して、その日露戦争への批判を引用し、現在の国際情勢、特に中国の先島諸島への進出に対するマスコミや世論の動向に警鐘を鳴らしている点に感銘を受けた。

竹中正夫『美と真実 近代日本の美術とキリスト教』(新教出版社)同志社の竹中先生が亡くなってもう15年になるが、亡くなる直前に出版されたこの本は知らなかった。夫人の竹中百合子さんから贈呈されて、この夏楽しく拾い読みしている。クリスチャン画家として田中忠雄や小磯良平等のことは断片的に知っていたが、彫刻家の萩原碌山や画家の岸田劉生、さらに竹下夢二が洗礼を受けていることは知らなかった。近代日本の美術とキリスト教との関わりを、一人一人詳細に紹介してくれる。この国では絵画や彫刻を作者の信仰や宗教性から捉える試みはほとんどなされていない。その意味でこれは先駆的な試みと言えるだろう。

堀内隆行『ネルソン・マンデラ 分断を超える現実主義者』(岩波新書)27年間獄中にありながら、1994年南アフリカ共和国初の黒人大統領に就任し、悪名高いアパルトヘイトを撤廃し、白人住民たちとの和解プログラムを推進したネルソン・マンデラについては、ノーベル平和賞を受賞したこともありよく知られている。多分に英雄視され、神話化されて来たその生涯を、その後の研究成果を踏まえて、非神話化しながら紹介してくれる。聖書にある和解の思想は、現実政治においてはほとんど実現不可能とされている。しかしその和解を実現するためには、理想主義者ではなく、現実主義者である必要を改めて学ばされる。マンデラを特別視するのではなく、我々と同じ欠けを負った人間として見る視点が大切だというのだ。

巌本善治編『海舟座談』(岩波文庫)『氷川清話』では、少年時代から維新期にかけての海舟の活躍が回顧されていたが、この『海舟座談』はごく晩年の勝海舟の放言に近い談話を丹念に記録している。日清戦争へと向かう世情を鋭く批判している点なども注目される。私が特に関心をもったのは、親交のあった横井小楠や新島襄、横井時雄、徳富蘇峰など熊本バンドやキリスト者たちについての海舟の観方を確認するため。海舟とキリスト教との関連はいろいろ議論されている(中には洗礼を受けたという俗説も横行している)が、やはりこの人は偉大な政治家ではあっても、その精神性・宗教性においては希薄なものを感じざるを得ない。(戒能信生)

2021年8月8日日曜日

 

2021年8月15日 午前10時30分

聖霊降臨節第13主日礼拝(No20

      司式 石井 房恵

    奏  黙 想        奏楽 梅本 順子

招  詞  93-1-53

讃 美 歌  4(56節)

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編145・1-21

讃 美 歌  161

聖書朗読  詩編133・1-3

      ルカ福音書8・19-21

祈  祷

讃 美 歌  371(12節)

信徒講壇  「家族の問題」

            戒能 信生牧師

讃 美 歌  369(1234節)

使徒信条  (9341A

献  金             田沼 大典

報  告

頌  栄  91(2節)

派遣・祝福

後  奏 

  

【本日の集会】

・教会学校(夏休み)

・ライブ配信担当・野口倢司、大森意索

・礼拝後の集会は特にありません。

・お茶の会は感染症の拡大を避けるため差し控えています。礼拝堂の後ろに飲み物を用意していますので、必要な方はご利用下さい。

2021年8月7日土曜日

 

牧師の日記から(329)「最近読んだ本の紹介」

新宿伝道所『ディスポラのあゆみ 新宿集会の60年』(自費出版)千代田教会に合流した新宿伝道所60年の歩みを詳細に伝える記録。賀川豊彦によって創立され、1970年前後の紛争期を経て伝道所の施設を追われ、以降50年近くにわたって会堂を持たない新宿集会の歩みが始まる。この時期、各地で既成の教会から分かれて独自の集会をもったグループがいくつもあった。しかしその多くは、その後の問題意識の拡散やメンバーの高齢化などによって解散か消滅している。しかし新宿伝道所は、堀光男牧師を中心に数名のメンバーが、様々な会場を探し求めながら粘り強く集会を続けて来た。その綿密な記録がここに収録されている。高齢になった堀牧師の体調を考慮して、2019年に新宿伝道所は解散手続きを取り、メンバー3名が千代田教会に転入会する。その「聖書と人間を考える会」は、千代田教会のプログラムとして現在も継続されている。この稀有な記録が、千代田教会の歩みをも豊かにしてくれることを願っている。

関田寛雄『目はかすまず、気力は失せず』(新教出版社)著者から贈呈されて一読した。表題は、120歳で死んだモーセの晩年についての表現(申命記347節)だが、今年で94歳を迎える関田先生の神学教師、伝道者としての歩みをよく現わしている。本書には、様々な機会における先生の講演や論考、そして説教が収録されている。いずれもご自身の経験を踏まえて、実に分かりやすい言葉で語りかけられている。そもそも千代田教会への私の赴任の道を開いてくださったのは関田先生だった。前任地の東駒形教会を辞任し、地方の小さな教会での最後の働き場所を希望して、関田先生に紹介をお願いしていたのだ。ところが東京の真ん中にある千代田教会に赴任せよと先生から言われた。「都会の教会はもう・・・」と逡巡する私に、「東京のど真ん中にある過疎のような教会だから」と背中を押してくださったのだった。千代田教会を紹介した責任を感じられるのか、教会から週報等をお送りする度に、一言感想を記したハガキを送ってくださる。いつもその短いお便りに私自身が励まされている。その意味で関田寛雄先生は牧師の牧師でもあるのだ。週3回人工透析を受けつつ、しかも最近肝硬変で体調が悪いと聞くので、案じているのだが…。

原俊彦、他「特集 サピエンス減少」(『世界』8月号)少子化現象はこの国だけではなく、世界中で進行している。お隣りの韓国や中国でも、それは日本以上に急激に進んでいるという。私は、歴史人口学に関心をもって、人口の推移から歴史を捉える手法に学んで来た。しかしいま世界的に進行している人口減少は、これまでの社会システムの根本的な転換を求めているように思う。そして人口減少時代における宗教の役割と使命について考えさせられている。『世界』のこの特集は、その意味で具体的なデータが満載で参考になるが、どの論者も将来への希望を語っていないのが印象的だった。そこに教会の使命があると思うのだが。(戒能信生)

2021年8月1日日曜日

 

2021年8月8日 午前10時30分

聖霊降臨節第12主日礼拝(No19

      司式 常盤 陽子

    奏  黙 想        奏楽 釜坂由理子

招  詞  93-1-53

讃 美 歌  4(34節)

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編144・1-15

讃 美 歌  120(12節)

聖書朗読  詩編23・1-6

      ルカ福音書5・3-8

祈  祷

讃 美 歌  463(123節)

信徒講壇  「私は決して見捨てない」

               野口倢司

讃 美 歌  575(123節)

使徒信条  (9341A

献  金              高岸 徹

報  告

頌  栄  91(1節)

派遣・祝福

後  奏 

  

【本日の集会】

・教会学校(夏休み)(

・ライブ配信担当・大森意索

・礼拝後の集会は特にありません。(聖書を読む会は912日の予定)

・お茶の会は感染症の拡大を避けるため差し控えています。礼拝堂の後ろに飲み物を用意していますので、必要な方はご利用下さい。