2020年1月26日日曜日


2020年2月2日 午前10時30分

降誕節第6主日礼拝(No43

      司式 橋本  茂

    奏  黙 想        奏楽 内山 央絵

招  詞  93-1-

讃 美 歌  57

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編84・1-13(着席のまま)

讃 美 歌  280

聖書朗読  マラキ書3・19-24

使徒言行録13・44ー14・7

祈  祷

讃 美 歌  533

説  教  「迫害と分裂」

      戒能信生牧師

讃 美 歌  536

使徒信条  (9341A

献  金  対外献金「土沢教会の働きを覚えて」

   (今年度2回目)    鈴木志津恵

報  告

頌  栄  84(二度繰り返して)

派遣・祝福

後  奏 



【本日の集会】

・教会学校 お話し・戒能牧師、奏楽・内山央絵

礼拝後、お茶の会

・定例長老会

2020年1月25日土曜日


牧師の日記から(251)「最近読んだ本の紹介」

立花隆『知の旅は終らない 僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと』(文春新書)立花隆の自伝で、彼自身の主著の解題にもなっている。これまでもこの人の書いたものの過半を読んできて、いつも啓発されると同時にある種の共感を抱いてきた。本人はキリスト者ではないが、ご両親は無教会の信徒。その影響が様々なところに現れている。亡くなった鶴見俊輔さんの言葉として伝えられているが、「この国のプロテスタント・キリスト教は、自分の子どもたちをクリスチャンにすることはできなかったが、息子や娘をプロテスタントに育てた。立花隆や上野千鶴子がそうであるように。」これは皮肉でもあり、一種の評価でもあるのだろうか。

立花隆『エーゲ 永遠回帰の海』(ちくま文庫)偶々、羊子が買って来てくれて、立花隆の本を続けて読むことになった。ギリシアのアトス山の修道院群を訪ねた旅や、エーゲ海周辺のギリシア遺跡を回った記録を、須田慎太郎の撮影した写真と共に楽しむことができる。立花は、週刊文春の記者を数年した後、東大の西洋古典学科に再入学して哲学を学んでいる。しかもプラトンやアリストテレス以前のイオニア学派の哲学に入れ込んでいて、その点が興味深い。またこの書には使徒言行録におけるパウロの足跡やヨハネ黙示録の背景も紹介されている。使徒言行録の講解のためにも、数々の遺跡の写真と共に参考になる。

田中均『見えない戦争』(中公新書ラクレ)外務省の幹部として、小泉政権時代に北朝鮮との外交を取り仕切り、拉致された人たちを取り戻すことに尽力した著者の外交論。現在の国際情勢の分析と、その中での安倍政権の外交政策が批判的に取り上げられている。この人は、かつて北朝鮮寄りとして右翼から激しいバッシングを受けた。しかし外交はどちらかが完勝することはあり得ず、外交官としては相手の主張にも理解を示し、懐に入って交渉を尽くさねばならなはずだ。ところが、安倍総理がツイッターで「田中には外交を語る資格がない」と呟いたという。それ以降ある種の忖度が始まり、いくつかのテレビ局に呼ばれなくなったという。これでは外交が成り立つはずもない。

マーサ・ウェルズ『マーダーボット・ダイアリー 上下』(創元SF文庫)題名は「殺人ロボットの日記」の意味。SF関係のヒューゴ賞・ネピュラ賞などを軒並み受賞した作品。AIの究極である警備ロボットは、殺人も許されている。しかし統制ユニットを遮断し、自己判断が出来るようになると、逆に人間的になるという皮肉が、ロボットの視点から描かれている出色のSFになっている。

夏目漱石・近藤ようこ『夢十夜』(講談社現代文庫)「こんな夢を見た」に始まる漱石のファンタジーを、近藤ようこが漫画にしてくれた。若い頃、『夢十夜』を読んだときは、漱石がこんなものを書くんだという印象しか残っていないが、それを漫画にすると不思議な雰囲気が生まれる。つまり日本の伝統的な価値観と近代文学の創始者としての漱石の相克が描かれていることに気づく。(戒能信生)

2020年1月19日日曜日


2020年1月26日 午前10時30分

降誕節第4主日礼拝(No41

      司式 高岸 泰子

    奏  黙 想        奏楽 釜坂由理子

招  詞  93-1-24

讃 美 歌  58

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編83・1-19(着席のまま)

讃 美 歌  492

聖書朗読  士師記13・1-24

祈  祷

讃 美 歌  454

説  教  「士師サムソン」

      戒能信生牧師

讃 美 歌  411

使徒信条  (9341A

献  金              鈴木基三

報  告

頌  栄  88(二度繰り返して)

派遣・祝福

後  奏 



【本日の集会】

・教会学校 お話し・大森意索、奏楽・戒能直子

礼拝後、お茶の会

CS教師会

・週報等発送作業

・らふぁえる練習

牧師の日記から(250)「最近読んだ本の紹介」

佐々木実『資本主義と戦った男 宇沢弘文と経済学の世界』(講談社)正月休みを利用して、経済学者宇沢弘文の評伝を読んだ。600頁を超える大著で、ケインズ以降の近代経済学の進展を解説しながら、スタンフォードやシカゴ大学における理論経済学の分野での宇沢の驚異的な活躍と業績を紹介してくれる。さらに1968年に帰国して東京大学に戻ってからは水俣病の公害問題や三里塚問題等 に積極的に関わり、理論経済学の分野での空白の10年の謎にも迫っている。

そもそも私は近代経済学については全く無知で、本書でこの学問領域の栄枯盛衰を初めて覗き見たと言ってよい。アメリカを中心としたポール・サミュエルソンたちに代表される新古典派経済学の興隆、1970年代にそれを批判して登場したミルトン・フリードマンたちのマネタリズム、つまり市場経済至上主義、そしてその帰結としてのリーマン・ショックを経て、現在の世界の経済の混迷に至る流れを改めて振り返ることができた。複雑な高等数学を用いての分析の理論までは十分理解できないが、市場経済至上主義が世界の富の偏在と貧富の格差を拡大させている現実を見せつけられる想いがした。宇沢弘文はもともとは数学者だったが、途中で経済学に転じ、特に高等数学を用いた理論経済学者として頭角を現わし、先端的な研究論文1本がケネス・アローに見出されてスタンフォードに招かれる。以降、ノーベル賞級の業績を矢継ぎ早に発表して注目される。しかしその絶頂期に帰国して以降は、専門とする理論経済学の論文をほとんど書かず、公害問題や三里塚問題などの資本主義会の矛盾に立ち向かうようになる。やがてその経験は社会的共通資本の理論化へと向かい、それが十分に展開されないまま死去したことになる。その意味で「資本主義と戦った男」というわけだ。

宇沢弘文さんの文化勲章受章が発表された日に、たまたま隅谷三喜男先生の事務所に行く用事があった。その際、宇沢さんの文化勲章には隅谷先生が関わっているのではないかと伺ってみた。隅谷先生はその当時、学士院の第一部長であったので、隅谷先生が推薦したのだろうと推測したからだ。加えて隅谷先生は叙勲の類を一切受けていないことから、成田円卓会議の協同者として隅谷先生を支えた宇沢さんを推薦したのではという推測もあった。先生はそれを否定はされなかった。後に岩波書店から『隅谷三喜男著作集』刊行計画が起こった際、隅谷先生から一人はキリスト教が分かる人が必要と言われて編集委員に加えられた。後の三人はいずれも経済学の研究者で、隅谷先生の弟子筋に当たる。約1年にわたって編集会議などでたびたび一緒に作業をした。その中で東大経済学部の内情を漏れ聞くこともあったが、専門が異なるせいか宇沢さんの話題は出なかった。

加藤典洋『天皇崩御の図像学』(平凡社ライブラリー)30年前の昭和天皇の死去の前後に書かれた天皇制に関わる評論集。以前に目を通しているが、今回の天皇の代替わりとの比較を探るために読み直してみた。中でも中野重治の戦時下の転向問題を取り上げた文章が心に染みた。(戒能信生)

2020年1月12日日曜日


2020年1月19日 午前10時30分

降誕節第4主日礼拝(No41

      司式 大森 意索 

    奏  黙 想        奏楽 梅本 順子

招  詞  93-1-24

讃 美 歌  58

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編82・1-8

讃 美 歌  204

聖書朗読  詩編131・1-3

マルコ福音書10・13―16

祈  祷

讃 美 歌  492

説  教  「母の傍らにいる乳離れした子のように」      牧野信次牧師

讃 美 歌  543

使徒信条  (9341A

献  金              釜坂由理子

報  告

頌  栄  88(二度繰り返して)

派遣・祝福

後  奏 



【本日の集会】

・教会学校 お話し・齊藤織恵、奏楽・戒能直子

・本日の説教者牧野信次牧師(前・上星川教会牧師)
礼拝後、牧の牧師を囲む懇談会(軽食付き)

2020年1月11日土曜日


牧師の日記から(249)「最近読んだ本の紹介」

保阪正康『大本営発表という虚構』(ちくま文庫)戦時下の「大本営発表」が戦局の推移に伴ってどのように変容していったかを詳細に分析している。それは「軍広報」の本質を突くだけでなく、軍隊もまた官僚組織として、縄張り争いと忖度を重ね、腐敗していった実態を示している。しかもそれに新聞各社が追随した。恐ろしいのは、その嘘と虚構に気がついても(戦争末期になると、一般国民もその嘘に気づき始める)、それを口にすることができなかったという事実。816日の新聞の一面には「戦争終結への聖断大詔渙発す」という見出しで「終戦の詔勅」が掲載されているのに、二面には「空母巡艦を大破す/鹿島灘東方/荒鷲機動部隊攻撃」という大本営発表が掲げられているという実態を初めて知った。

竹下節子『女のキリスト教史 もう一つのフェミニズムの系譜』(ちくま新書)これまで主に英米のフェミニズム思想が紹介されてきたが、フランスを中心としたもう一つのフェミニズムの系譜を紹介してくれる。著者はパリ在住の比較文化研究者で、このところカトリック関連の啓蒙書を何冊も書いている。聖母や聖女、あるいは魔女、さらに女子修道会といったカトリック特有の女性観の意味の重さについて改めて考えさせられた。

加藤典洋『大きな字で書くこと』(岩波書店)『敗戦後論』など、戦後思想の鋭角的な批判者だった著者が昨年急逝した。私とほぼ同世代で、この人の書くものはほとんど目を通してきたはずだ。この2年ほど、岩波のPR誌『図書』に連載していた自伝的エッセーを小さな書物にまとめたもの。中でも、著者の父上・加藤光男が戦時下、山形警察の特高として独立学園の鈴木弼美を逮捕した当人だったことに触れた部分は驚きをもって読まされた。例えば『特高月報』に戦時下の矢内原忠雄の各地での講演内容が記録されているが、聖書やキリスト教について相当な知識と理解をもっていなければ書けない内容が少なくない。これら特高たちの戦後の歩みはどうだったのかを考えさせられた。

鈴江英一『札幌キリスト教史』(一麦出版社)年末に著者から恵贈されて一読。先行して出版された『札幌キリスト教史の研究』の各論を下敷きに、通史としてまとめられた。鈴江さんはアーカイブ学の専門家で、札幌元町教会の篤実な信徒。宣教研究所での教団史資料編纂の際にもいろいろアドバイスを頂いている。詳細な年表や文献表、そして事項索引まで完備していて、感服するばかり。
マイケル・コナリー『決別』(講談社文庫)刑事ボッシュ・シリーズの新作が出たので、久しぶりに耽読した。これまで愛読して来たサスペンスや警察小説の書き手が次々に亡くなっていくので寂しい限りだが、このシリーズはまだ続くようで嬉しい。ロートルの刑事が、警察を退職して私立探偵をしながら、小さな警察署のパートタイムの予備警察官をするという設定で、連続レイプ犯の捜査のかたわら、大富豪の遺児を探し当てる相変わらずのこだわり刑事ボッシュの活躍を、年末の空き時間に楽しんだ。(戒能信生)
2020年1月12日 午前10時30分
降誕節第3主日礼拝(No40
      司式 常盤 陽子 
    奏  黙 想        奏楽 釜坂由理子
招  詞  93-1-24
讃 美 歌  58
主の祈り  (93-5A) 
交読詩編  詩編81・1-17(着席のまま)
讃 美 歌  494
聖書朗読  イザヤ書42・1-9
使徒言行録13・13―43
祈  祷
讃 美 歌  545
説  教  「神の恵みのもとに留まれ」
                戒能信生牧師
讃 美 歌  441
使徒信条  (9341A
献  金              齊藤 織恵
報  告
頌  栄  88(二度繰り返して)
派遣・祝福
後  奏 

【本日の集会】
・教会学校 お話し・野口洋子、奏楽・戒能直子
礼拝後、お茶の会
聖書を読む会(ヨシュア記21-24622-25 発題・津金寿子)

牧師の日記から(247



「クリスマス・カードに添えて私たち家族の近況報告」

信生は、千代田教会の牧師として5年目を迎えています。3月末、前立腺癌の除去手術を受けました。術後、少し無理をしたせいか余病を併発して苦しみましたが、夏頃からは本復しています。今年はお世話になった大塩清之助牧師の追悼集『主よ、み手もて』、共同研究『協力と抵抗の内面史』(新教出版社)を刊行することもできました。72歳という年齢の割には、様々な場所で講演や研究発表などの機会を与えられ、結構忙しくしています。各神学校への出講も楽しく続けています。

直子さんは、今年も教会の薔薇や庭の植物たちの世話に懸命でした。昨年1500個も採れた柿の木は、今年は100個ほどの実が成っただけでしたが、無花果はハクビシンと競争して収穫してジャムやコンポートを作り、また桑の実のジャムもバザーに出品し完売しました。

嘉信、羊子、謙、清美さんたちも元気で、それぞれの仕事や生活に追われているようです。お近くにお越しの際には、是非、声をかけてください。

201912

戒能信生、直子