2026年8月2日日曜日

 

2026年8月9日 午前10時30分

聖霊降臨節第12主日 礼拝(No.19)

             司式 石井 房恵

黙  想         奏楽 内山 央絵

招  詞  93-1-53

讃 美 歌  8

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  69・14-37

讃 歌 歌  289

聖書朗読  申命記7・6-8

ヨハネ福音書11・38-44

祈  祷

讃 美 歌  392

説  教  「ラザロの復活」

               戒能 信生牧師

讃 美 歌  510

使徒信条  9341A

献  金             釜坂由理子

報  告  

頌  栄  27

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

・教会学校(夏休み)

・礼拝後、「私の愛唱聖句」向山功、

・お茶の会

・受洗準備会(林信子)

・大森意索伝道師は、北支区四谷新生教会の説教奉仕で出かけられています。

・柴田朋子伝道師は、奥羽教区新生釜石教会の

 説教奉仕たために出張されています。

 

 

牧師の日記から(565)「最近読んだ本の紹介」

村上春樹『夏帆』(新潮社)久しぶりの村上春樹の新刊小説。初めて女性を主人公にしている。童話作家の主人公の描くメルヘンが作中作として並行しつつ、独特の村上ワールドが拡がる。私自身の学生時代の生活の拠点であった武蔵境を舞台に、夢の中に現われたアリクイの夫婦の助言にしたがって彼女の冒険が始まる。主題は、なんと母親との対決!村上春樹の小説には、親子関係のモティーフが希薄とされる。この国の私小説の多くが父親との確執がテーマとされる中で、彼の作品には父親も母親もほとんど登場しないのだ。その意味では新たな挑戦と言える。ただ、以前のいくつかの作品に見られた現代社会の問題を比喩的に取り上げる傾向は影を潜めてファンタジーに徹している。あまり深読みせずに、相変わらず読みやすく見事な文体でつづられる村上ワールドを堪能した。

熊谷誠人『詩人茨木のり子の誕生 西尾の少女の物語』(風媒社)茨木のり子の私生活にはいくつものヴェールで覆われていて、それが彼女の詩の魅力にもなっている。だから詩人の少女時代の実像を晒すことにある抵抗と違和感があった。しかし本書は、詩人のプライバシーをできる限り尊重しながら、戦時下のこの国の教育の中での一人の少女の成長を、当時の資料に基づいて暖かく見つめていく。そこには著者の詩人へのリスペクトと節度ある距離感が読み取れて好感が持てる。実際に茨木のり子の詩の中に、少女時代の記憶や体験が反映されており、その解析が見事で詩の読解が深まる。友人の杉本誠牧師の西尾教会がある街が背景になっていることもあって、興味深く読まされた。

会田弘継『それでもなぜ、トランプは支持されるのか』(東洋経済新報社)トランプ政権を支持するアメリカ福音派についての解説本を何冊か読んだが、あまり納得できないでいた。著者たちがいずれもトランプ政権やその支持者に対して批判的な立場から論じていることもあって、あのように傍若無人で自己愛過剰な独裁者がなぜ人々から支持されるのか理解できないでいた。そのことにこの欄で触れたのを見てか、梅本和義さんが著者から贈呈された本書を貸してくれた。この本の中で前提とされるアメリカ政治思想史については全く予備知識がないが、初めて知ることが多く教えられた。共和党は保守、民主党はリベラルと漠然と決め込んでいたが、この30年の間にアメリカにおける政党の質が根本的に変質してきたこと、さらに言えばオバマ政権下の経済政策の無策の結果が、トランプ現象の背景にあるというのだ。「幸福な国はトランプを大統領に選んだりしない。絶望している国だから選んだのだ」というあるジャーナリストの言葉が問題の所在を端的に示唆している。極端な経済格差が拡大し、特に学歴のない白人層に「絶望死!」が拡がっているという。想像していたよりもアメリカ社会の内部対立と分断は激しく、危険水位に達している現実に慄然とさせられた。それはこの国とも無縁ではないのだろう。(戒能信生)

2026年7月18日土曜日

 

子育て相談カフェ通信⑭「子どもの教会」

 子どもが見ている世界と大人が見ている世界とはどうも違うようです。大人と言っても、仕事の世界で見えていることと、家庭で見えていることは違うのではないかと思います。私とあなたも、同じに見えているという前提でいますが、本当は見えていることが違っているかもしれません。私たちは多かれ少なかれ、自分勝手で自分の「モノサシ」でしか見ることができないという限界を持っているのでしょう。私たちは自分の「モノサシ」でしか見えないのです。

なぜ、そんなことを考えたかと言いますと、学習障害と言われる、読み書きの苦手がお子さんの中に、見え方が全く違っているお子さんがいるのです。見え方と言っても近視とか乱視といった視覚の問題ではなくて、画像処理が違っているお子さんがいます。それは画像としては同じに捉えられているのだけれど、それを脳で処理するところでの違いということです。つまり、まん○が楕円に見えていたり、正三角形が歪んで見えていたりしているということです。そうした見え方が違っている子に、枠の中に綺麗な字を書きましょうといっても、とても難しいのです。

見え方は同じであっても、同じ出来事を、どう受け止めるかはそれぞれ違った「モノサシ」で考えているのです。最近、改めてそうしたことを考えさせられる出来事があり、このことを思わされました。人はみな自分の「モノサシ」でしか見ることができないという限界の中にあるのです。そうした限界の中で立ち現れる、別の視点。聖書はそのことをもまた指し示しているのだなあと思ったりします。そうした気づくようにとの促し。パウロはコリントの人たちに語ります。字架の言葉は、滅んでいく者にとっては愚かなものですが、わたしたち救われる者には神の力です。」(1コリント1:18)。自分の「モノサシ」でしか見ることができない限界の中で、別の「モノサシ」のあることを示しているのだと思っています。(大森意索)

 

2026年7月19日 午前10時30分

聖霊降臨節第9主日礼拝(No.16)

             司式 柴田 朋子

黙  想         奏楽 梅本 順子

招  詞  93-1-53

讃 美 歌  7

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  68・1-19

讃 美 歌  200

聖書朗読  詩編23・1-6

マタイ福音書18・10-14

祈  祷

讃 美 歌  101

説  教  「迷い出た羊を捜して」

               戒能 信生牧師

讃 美 歌  529

使徒信条  9341A

献  金             田村喜代子

報  告  

頌  栄  148(頌栄)

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

・教会学校 お話し・向山功、奏楽・梅本順子

・礼拝後、オリーブの会「生物の進化と聖書」お話し・柴田朋子(軽食の用意があります)

・大森意索伝道師は、本日、岡山御井キリスト教会の説教奉仕に出かけています。

・礼拝堂の後ろに飲み物が用意されています。水分補給にご利用ください。

2026年7月14日火曜日

 

牧師の日記から(564

 75日(日)主日礼拝。ヨハネ福音書10715節の講解説教「よき羊飼い」。19341月、ヒトラー政権とそれに迎合するドイツ的キリスト者たちに断固とした「否」を突きつけた「バルメン宣言」の冒頭に、この聖書箇所が引用されている。それは、イエス・キリストこそが私たちの唯一の門であって、それ以外のいかなる権威や権力にも服しないという神学的宣言だった。ドイツ教会闘争はここから始まる。この日の礼拝には、一年ぶりに野口倢司さんが出席され、岡﨑大祐さんも来られたので喜びの礼拝となった。礼拝後、招聘委員会、持ち寄りランチ、定例長老会と続く。

 6日(月)午前中、東京ガスのガス器具点検。牧師館台所のガス・レンジが不完全燃焼を起こしているので取り換えが必要と指摘された。郵便局に行って昨日の対外献金を送金し、『堀光男追悼記念論集』の三校直しを編集者に郵送する。午後、久しぶりに目白の日本聖書神学校に行き、神保望校長と面談。改めて千代田教会の後任牧師の推薦を依頼する。図書館に立ち寄り、学術誌や新刊書などを手に取るが、日本キリスト教史関係の論文にも食指が湧かない。これも年齢のせいか。夜、『同胞教会の歴史と資料』の校正が届く。5年越しの共同研究がこのようにまとまると感無量。全体で300ページ近くあり、字も小さいので校正に苦労する。

 7日(火)午前中、大久保の法務局で宗教法人代務者就任の謄本が無事発行される。退任した牧師が代務者になる例があまりないため多少手間取ったが、これで手続き完了。謄本のコピーを教区事務所に送付する。

8日(水)PCの調子が悪く、Outlookが使えない。嘉信に相談すると、KDDIが大量の個人データを流出した関係で、Biglobeが利用者にリセットを求めているとのこと。遠隔操作でメインテナンスを依頼する。午後、板橋泉教会の宇野みゆきさんが来られて、近くの喫茶店で話を聞く。夕方、上垣勝牧師が訪ねてくれた。この日の『朝日新聞』に日本の経済状況についてエコノミストの見立てが掲載されていた。異常な株高は通貨への信頼が揺らいでいる証拠、通貨危機の「一歩半前」の領域に足を踏み入れているという指摘。パニックを恐れてか、このようなシビアな分析はマスコミでもほとんど報道されない。そもそも月間倒産数が平均千件近いのに(つまり不況なのに)、平均株価が7万円を超えるということ自体がおかしい。

9日(木)午後、リコーの技術者が来て、コピー複合機のネットワーク設定作業。要するに礼拝堂のWi-Fi環境を整え、牧師の書斎からもコピー機でプリントアウトできるようになった。牧師会では向山さんも交えてバルトの『福音主義神学入門』の読書会。改めていろいろな発見がある。

10日(金)『福音と世界』に連載中の金井為一郎論に取り組む。友人の研究者吉馴明子さんから『明治日本の国家と宗教』という立派な植村正久論が送られてくる。これに目を通すのが大変。(戒能信生)

2026年7月5日日曜日

 

2026年7月12日 午前10時30分

聖霊降臨節第8主日礼拝(No.15)

             司式 梅本 和義

黙  想         奏楽 内山 央絵

招  詞  93-1-53

讃 美 歌  7

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  67・1-8

讃 美 歌  215

聖書朗読  マルコ福音書1・21-28

祈  祷

讃 美 歌  444

説  教  「出て行ったのは」

               大森意索伝道師

讃 美 歌  79

使徒信条  9341A

献  金             戒能 直子

報  告  

頌  栄  148(頌栄)

派遣・祝福

後  奏 

 

【本日の集会】

・教会学校 お話し・戒能信生牧師、奏楽・内山央絵

・礼拝後、お茶の会

・受洗準備会(林信子)

・礼拝堂の後ろに飲み物が用意されています。水分補給にご利用ください。

 

牧師の日記から(563)「最近読んだ本の紹介」

 太田春夫『回想録 豊かな出会いに支えられて』(私家版)橋本茂さん編集の『羊の群』に4回にわたって連載された太田先生の手記をもとに、さらに東日本大震災以降の支援活動などを書き加えて、澄子夫人の編集で刊行された。一読して、太田春夫という稀有な牧師の足跡に改めて感銘を深くした。確かにここに「一人の牧師の奮闘記」が率直に記されている。それは、容易に強勢の拡大が望めない地方の教会の現実の中で、幼児施設とその働きを手がかりに地域に根差す宣教の未来を先き取りするものだった。千代田教会宛てに10冊ほど送られて来たのだが、もっと多くの人に読んでほしいと考え追加注文した。残念ながら、フォントが小さすぎて高齢者には読みにくいが、是非多くの人に味読していただきたい。

アーシュラ・K・ル・グイン『赦しの四つの道』(ハヤカワ文庫)3年前に新書版で買って一読し、この欄で紹介したのだが、そのことを忘れていて文庫版を買って再読した。驚いたことに以前読んだことをほとんど覚えていない(認知症の進行!)。初期の名作『闇の左手』を初めとするハイニッシュ・ユニバース・シリーズに連なる作品だが、著者晩年の1995年に書かれている。つまりファンタジー『ゲド戦記』の第4巻以降を執筆した後に、再度SF小説に取り組んだ作品なのだ。それは、ル・グインの新たな挑戦を意味する。SFの世界を借りて、先進文明から派遣された外交官が、後進地域の植民地主義や奴隷制、男性優位意識を乗り越えるためにいかなる助言ができるのかが描かれている。読んでいて、明治初期に来日した宣教師たちのことを連想した。この国の封建制や身分意識、さらにジェンダー観の打破に取り組んだ宣教師たちの労苦を想像した。

斎藤幸平『人新生の黙示録』(集英社)『人新生の資本論』でデビューした斎藤幸平が、コロナ禍を経て、さらに進行する気候変動やテクノ資本主義による富の寡占、そして世界規模の戦争の拡大といった現実に、いかにして抗し得るのか大胆な提案をする。それが「暗黒社会主義」の提唱なのだ。著者は語る「かつてのような近代主義の夢やそれに付随するライフスタイルや価値観を捨てなければならない。20世紀の経済成長、消費主義、個人主義を、いつまでも理想として求め続ける必要はない。別の形の自由を発明すべき時なのだ」と。この本をめぐって、哲学者の高橋哲哉と斎藤幸平が対談をしている(「左派の逆襲」『世界』7月号)。この間のリベラル左派の衰退の中で「ようやく大きなビジョンが提示された」と高橋は高く評価する。そして護憲運動が対米依存と深くつながっている現実から長らく目を逸らしてきたリベラル左翼の矛盾を指摘し、むしろ積極的な平和主義の立場からの改憲を志向すべきだと主張する。リベラリズムの世界的な退潮の中で、この終末的な世界にいかに希望を見出せるのか、果たして斎藤幸平の終末論が新しいビジョンにつながるだろうか?(戒能信生)