牧師の日記から(496)
11月17日(日)主日礼拝は。ガラテヤ書2・15—16の講解説教「イエス・キリストの信実」。パウロが一貫してpistis Iesou Cristouと所有格(属格)で表現していることから、私たちが無理やり信じるのではなく、「キリストの信実(信頼)」によって私たちが神の前に義とされることを強調する。自分自身の痛切な体験から話した。礼拝後、石井房恵さんの美味しいハヤシライスを頂きながらオリーブの会。野口倢司さんの「カメラの撮り方 入門編」。プロ・カメラマンである野口さんの撮影の極意は単純で、撮影する対象への愛情が鍵だという。らふぁえるの練習。来週、久しぶりに定期演奏会が行われるのだ。
18日(月)午前中、防衛省を一周の散歩。午後、梅本和義さんの受洗準備会。新約聖書で最も短いフィレモン書を一緒に読むことにする。梅本さんの祖父十吉さんは、明治26年に渡米し、サンフランシスコでメソジスト教会のハリス監督から洗礼を受け、しばらく伝道活動に従事していたとのこと。滞米中に、木村清松(伝道者)、川辺貞吉(フリーメソヂストの牧師)、松村洋右(後の外務大臣)、森永太一郎(森永製菓創業者)、米山梅吉(三井報恩会理事長)などと親交があり、ご子息のほとんどがクリスチャンというのだ。11月の末に予定されている柏木義円講演会の受講希望者に講師のレジュメと資料を送付。
19日(火)午前中、神学読書会でキュンクの『イエス』第4章を豊島岡教会の濱田美也子牧師の発題で読む。午後はNCAの読書会「キリスト教と文学」でO・ヘンリーの『賢者の贈り物』などの短編が取り上げられる。夜は富士見町教会で、東支区と北支区の合同の連合祈祷会。コロナ禍で中断して4年ぶりの再開。王子教会の尾野明子さんが証しを担当し、私が短い奨励をした。50名を越える盛会だった。
21日(木)午前中、教会の建物のメインテナンスを担当してくれている工務店の金井さんが、礼拝堂と牧師館の補修工事の見積もりを持って来てくれた。この際、会堂の外壁や屋根の塗装も相談する。午後、千代勝美さん来訪。莱香夫人が亡くなって丁度2週間。悲しさと喪失感で最もつらい時期と考えて来ていただいた。コーヒーを飲みながら茉香さんの思い出話しをしながらしばらく時を過ごして祈る。来年4月の墓前礼拝で千代田教会墓地に納骨することになる。
22日(金)午前中、左門町近辺を散歩。外苑東通りを一本入った裏通りにお岩稲荷がある。江戸初期、貞女の鏡として祀られた於岩が、江戸後期に鶴屋南北の『東海道四谷怪談』で怨霊劇に仕立てられ有名になったという。今でも歌舞伎役者が参拝することで知られる。12月の定表作成と、クリスマス・カードへの宛名書き作業。(戒能信生)