2019年10月26日土曜日


牧師の日記から(236

1020日(日)主日伝道礼拝。松野俊一名誉牧師の説教「神、人となりたもう」。私自身が松野先生の説教を直に聞くのは初めてだが、93歳とは思えぬ大きな明晰な声で、マルコ福音書61-6節から、故郷のナザレでの主イエスの姿を語られた。郷里伝道や家族伝道の難しさに触れられたのが印象的だった。これからも年に一度くらいはお願いしたい。礼拝後、松野先生を囲む懇談会の途中で失礼して、信濃町教会へ。1時から修養会での講演を依頼されていたのだ。「日本基督教団の宣教と信濃町教会 60年代の板橋伝道を中心に」と題して70分の講演。

21日(月)午後から富坂キリスト教センターの研修会に出席し、同志社の原誠先生の日本キリスト教史の講義を聞く。この国のキリスト教会の課題を示すCreative minorityという言葉が印象的だった。原先生を座長として、来年春から「同胞教会史資料集」の研究会が発足することになっている。そのまま日本聖書神学校に回り授業。受講生たちの中田重治についてのリーディング・レポート。

22日(火)午後から『時の徴』の編集委員会と発送作業。この日は編集同人は三人しか集まれず、約900部の発送作業に時間を要した。作業をしながら、現在の教団の課題について話し合う。来年3月に仙台で『時の徴』同人研修会をすることになった。また被災地の教会を訪ねる企画も。夕方作業が終ってホッとする。11月に西中国教区教師研修会で「日本基督教団の宣教論の変遷と課題」というテーマで二回の講演を依頼されているので、その具体的な準備に取りかかる。

23日(水)午前中、聖書を学ぶ会で列王記上9-10章を取り上げる。ソロモンの知恵と繁栄を強調しているが、その背景について考えさせられる。栄華の絶頂期に既に王国分裂の兆しが始まっている。午後は早稲田奉仕園での上林順一郎先生の聖書講座。「ぶどう園の労働者」の譬えについて改めて考えさせられる。夜になって太田先生から連絡があり、バザーの目玉のホタテが、先日の台風の影響で送れないと言ってきた。改めて台風の被害の大きさを考えさせられた。テレビの報道はほんの一部だけなのだ。加えて明日からも被災地に大雨の予報。

24日(木)NCAのプログラムで、連続講座の受講者を中心に教会訪問のプログラム。今回は、由木康牧師が創設した東中野教会、そして四谷のイグナチオ教会を訪ねた。総勢24名の参加で、なかなか有意義なプログラムだった。釜石教会の会員からホタテはなんとかして送るという連絡があった。ありがたい。

25日(金)一日雨。書斎で仕事。夜は、友人の谷本仰牧師の音楽劇「ホシハチカニオドル」を、中野の小さな劇場で観る。小さい劇場に満杯の観客。ヒロシマ、チェルノブイリ、そしてフクシマの死者たちの声を音楽と芝居、踊りで表現するユニークな舞台だった。

26日(土)バザー前日の準備。直子さんたちは午前中から買い出し。石井房恵、梅本順子、野口倢司、津金久子さんたちが来てくれて、料理の仕込みやテント張り、バーベキューの準備なども。夕方須賀さんたちがお掃除に来る。(戒能信生)

2019年10月20日日曜日


2019年10月27日 午前10時30分

聖霊降臨節第21主日合同礼拝(No29

      司式 高岸 泰子 

    奏  黙 想        奏楽 釜坂由理子

招  詞  93-1-52

讃 美 歌  17

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編70・1~6

子どもの祝福          

讃 美 歌  197

聖書朗読  士師記4・1-24

祈  祷

讃 美 歌  509

説  教  「女預言者デボラ」

                戒能信生牧師

讃 美 歌  518

使徒信条  (9341A

献  金              橋本悠久子

報  告

頌  栄  83

派遣・祝福

後  奏 



【本日の集会】

・教会学校(合同礼拝に合流)

・礼拝後、バザー会場準備

・昼食 ホールにて時間の空いた方からセルフサービスで食事してください。

・教会バザー(12:30-15:00

・バザー後片付け

週報等発送作業

永眠者記念礼拝会場準備

らふぁえる練習(15:30-18:30

2019年10月19日土曜日


牧師の日記から(235

1013日(日)主日礼拝。使徒言行録932-43の講解説教「タビタ、起きなさい」。ピリポたちによって地中海沿岸のヘレニズム都市に福音が伝えられ、ヤッファには小さな共同体が生れていたらしい。その指導者タビタが死んだので、近くのリダの町に滞在していたペトロが呼ばれる。そしてペトロは彼女を蘇生させたという奇跡物語。注目すべきは、彼女がドルカス(かもしか)というギリシャ名(奴隷に多い渾名)で呼ばれており、やもめたちに手作りの下着をプレゼントしていたという共同体の内実。最初期のキリスト教はこのような奉仕の働きの中で次第に広まっていったのだろう。そのことを忘れてはならない。

14日(月)休日で一日書斎に籠もって、明日の神学読書会の発表のために、シュライアマハーの『宗教論』第5講を読む。「自然宗教」という概念が出てくるが、訳者はその意味を理解していないようだ。『宗教論』の初版は1799年に出版されるが、その10年前にフランス革命が起こっている。革命はカトリック教会の既得権を剥奪し、激越な非キリスト教化運動を推進する。グレゴリオ暦を廃して新しい革命暦を採用し、「理性の祭り」とか「最高存在の祭典」といった祭日が設けられる。一種の理神論による自然宗教が代替宗教として掲げられたのだ。この啓蒙主義の影響を受けて既成の宗教を軽蔑するドイツの知識人たちに向けて、この『宗教論』は書かれたのだ。著者の語り口は饒舌で、しばしば論旨を見失いがちになる。理解できた箇所を抜き書きしてつなげてみると、あれほど既成の教会を批判してきた著者が、この最後の章で「宇宙への直観」に開かれているキリスト教を最大限に評価していることが読み取れる。

15日(火)午前中、神学読書会で発題。出席は牧師6名、信徒2名の計8名。午後から、NCAの事務所で神学生交流プログラムの報告書を書籍にまとめる打ち合わせ。新教出版社刊だが、編集実務はフリーの編集者に委託する形をとる。

16日(水)聖書を学び祈る会で列王記上8章のエルサレム神殿の奉献式を取り上げる。祭司に代って、王であるソロモンが奉献式を取り仕切り、集められた人々を祝福している。その祈りから、中央神殿としての新しい役割が見えてくる。

17日(木)午前中は賛育会病院の成形外科の診察。さらに薬を減らしてもらう。一度帰宅してから自転車で西早稲田の事務所に出かけ、神学生交流プログラム報告書の発送作業。夕方、神学読書会に出席された柏木信という方が訪ねてくる。

18日(金)午前中、渋谷のNHKスタジオで「宗教の時間」の収録。終ってディレクターの鈴木健次さんと昼食を共にして帰宅。『時の徴』1551100冊が届く。早速発送の準備。購読料の入金をチェックしてラベルに印字、封筒に宛名ラベルを貼る作業。夜は、20日に順延になった信濃町教会修養会の講演の準備

19日(土)午後、聖書と人間を考える会で、野口倢司さんの動物写真撮影の話し。私はヨブ記39-40章に列記される動物たちについて短く解説。明日の説教は松野俊一先生が担当してくれるので、夜はラグビーのテレビ観戦。(戒能信生)

2019年10月13日日曜日


2019年10月20日 午前10時30分

聖霊降臨節第20主日伝道礼拝(No28

      司式 鈴木志津恵  

    奏  黙 想        奏楽 梅本 順子

招  詞  93-1-52

讃 美 歌  17

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編69・1~37(着席のまま)

讃 美 歌  430

聖書朗読  マルコ福音書6・1-a

祈  祷

讃 美 歌  289

説  教  「神、人となりたもう」

              松野俊一名誉牧師

讃 美 歌  404

使徒信条  (9341A

献  金               橋本 茂

報  告

頌  栄  83

派遣・祝福

後  奏 



【本日の集会】

・教会学校 お話し・齊藤織恵、奏楽・戒能直子

・礼拝後、松野名誉牧師を囲む会(軽食付き)

・その後で、次週のバザーのために献品の値付け作業をします。ご協力下さい。

戒能牧師の信濃町教会修養会で講演の奉仕(13:00-15:30)

2019年10月12日土曜日


牧師の日記から(235

106日(日)主日礼拝。使徒言行録919-31の講解説教「伝道者サウロの誕生」。キリスト教会に対する迫害者であったサウロが、ダマスコ途上の回心を機に、直ちにイエス・キリストの福音の宣教者として立ち上がる。それは一見奇異に思えるかもしれない。しかし、明治の初期、横浜の宣教師バラの英語塾に入った14歳の少年植村正久は、使徒行伝の聖書講解を聞き、その夜から神に祈る者となったという。そして一週間後には、以前通っていた川村塾の学友たちに伝道を始めている。その結果は惨憺たるもので、散々冷笑されたそうだ。「理屈も何もあったものではない。キリスト教や聖書についての知識がなくても、自分が出会ったイエス・キリストの福音を、そのまま人に伝える、伝えないではいられなかったのだ」と植村は書いている。こうして、福音の宣教は始まったのだ。

7日(月)一日書斎で仕事。来週の日曜日午後の信濃町教会修養会での講演の準備。夜は、目白の日本聖書神学校の授業。往復に初めて曙橋から練馬車庫行きのバスを利用する。30分ほどで座って行ける。しかも結構本数もある。これだと新宿駅の雑踏の中を乗り換えないで直通で行けるので大変便利。

8日(火)来年3月の第11回神学生交流プログラムの準備。各神学校への神学生推薦依頼書、献金依頼などを作成する。夜は、早稲田教会での山口里子ゼミに出席。マルコ福音書5章の「種蒔きの譬」を、新たな視点で読み直す。マルコが編集した後の教会の解釈より、種が芽を出し、何十倍の実りをもたらすという農民の生活に密着した本来のイエスの譬え話の豊かさにこそ注目すべきだ。

9日(水)午前中、聖書を学び祈る会。列王記6章以下のソロモンの神殿建築を取り上げる。この箇所にしか出てこない建築用語等の解釈が難解だが、神殿はかなり豪華なものだった。当時の先進地であったフェニキアから導入した青銅器技術で様々な祭具や備品が備えられる。午後、修養会の講演のレジュメを作成し、自転車で信濃町教会まで届ける。台風の影響が懸念されるのだが・・・・・・。

10日(木)来週のNHKラジオ「宗教の時間」の台本に手を入れる。昼前にキリスト教会館に行き、定期刊行物の発送の準備。しかし肝心の機関誌が届かない。午後2時から連続講座「キリスト教史を読む」の今期5回目で、北森嘉蔵を取り上げる。『神の痛みの神学』で知られる北森先生の生涯を紹介する。かなり難しい内容だったが、40名あまりに受講者は熱心に聞いてくれた。その後で、鈴木健次さんと来週のNHKラジオ収録の打ち合わせ。夕方帰宅して、夜は信濃町教会で行われた大嘗祭問題の学習会に出席。宗教学者の島薗進さんの講演を聞く。

11日(金)午前中NCAの事務所に行って、昨日の発送作業の続き。帰宅すると、日曜日の信濃町教会の修養会は台風の影響で順延との連絡が入る。それ以外にも、台風でいくつかの予定が変更の連絡が来る。被害が大きくなければいいのだが。

12日(土)台風19号の接近で昼過ぎから雨が激しくなる。明日の礼拝の司式者や奏楽者に、決して無理をしないようにメールをする。(戒能信生)

2019年10月6日日曜日


2019年10月13日 午前10時30分

聖霊降臨節第19主日礼拝(No27

      司式 大森 意索  

    奏  黙 想        奏楽 釜坂由理子

招  詞  93-1-52

讃 美 歌  17

主の祈り  (93-5A) 

交読詩編  詩編68・1~36(着席のまま)

讃 美 歌  360

聖書朗読  アモス書6・1-8

使徒言行録9・32-43

祈  祷

讃 美 歌  432

説  教  「タビタ、起きなさい」

               戒能 信生牧師

讃 美 歌  327

使徒信条  (9341A

献  金              萩原 好子

報  告

頌  栄  83

派遣・祝福

後  奏 



【本日の集会】

・教会学校 お話し・大森意索、奏楽・戒能直子

・礼拝後、お茶の会

聖書を学ぶ会(出エジプト記151921、民数記12216 発題・戒能直子)

・戒能牧師は、信濃町教会修養会での講演に出かけます(13:00-15:30

2019年10月5日土曜日


牧師の日記から(234

929日(日)主日礼拝。士師記2623の講解説教「士師の時代」。ヨシュアの死後、イスラエルの嗣業の地に分かれ住んだ各部族は「主を知らない別の世代」になる。一時的な指導者・士師が現れるが、民はカナンの農耕神に心惹かれ、「主の目に悪とされること」を行うようになる。神は怒って、カナンの先住民たちを残すと宣言する。「主はこれらの諸国の民をそのままとどまらせ、追い払うことをなさらなかった」(22節)というのだ。申命記史家はこうしてカナンの先住民との共生を説明したのだ。現在のイスラエルで、パレスチナ人を追い出し、高い壁を造って排除している現実に、この言葉はどのように響くだろうか。夕方から、子どもたちが集まって一緒に食事をし、私の誕生祝い(72歳)してくれる。

30日(月)午前中、月曜会に出席するため東駒形教会へ。江口公一牧師の発題で大貫隆『終末論の系譜』Ⅻ章を読む。著者は構造分析の手法を採用しており、その限りでは説得的で学ぶことも多いのだが、そこからメッセージが汲み取れるのかという疑問が残る。午後帰宅し、少し休んで、夜は聖書神学校の授業。山室軍平についての受講生のリーディング・レポート。

1日(火)午前中、錦糸町の賛育会病院で内科の定期検診。軽い膀胱炎の症状が出ているとのことで、抗生剤を処方される。帰宅して、午後は1013日の信濃町教会修養会での講演の準備。「日本基督教団の宣教と信濃町教会」というテーマ。大網の関田寛雄先生から無事とのハガキが届く。6日間の停電と三日間の断水で、いつも利用するカプセルホテルに泊まり込んでいたとのこと。

2日(水)午前中、聖書を学び祈る会。列王記上34章を取り上げる。ソロモンの治政が始まるが、イスラエルを12の州に分け、それぞれ知事を任命して統治する。それは部族連合の解体を意味し、税と労役を課す。しかもその12の州に、ソロモンの直轄地としてユダは含まれていない。このあたりに後の王国分裂の遠因あると言えるだろう。NHKラジオ「宗教の時間」の収録日が決まり、内容を確認するメールが届く。週明けまでに手を入れて返送しなければならない。

3日(木)午後からNCAの事務所。いくつかのプログラムの準備。帰宅後は講演の準備。ところが、作業中のPCにウィルスが侵入したという告知があり、しかもその内容が怪しいので再起動したところ、うっかり作業途中のデータを消去してしまい、ガックリ。この類のトラブルがよくある。来週の長老会の準備を失念していたことに気がつき、慌ててアジェンダを作成する。

4日(金)朝一番で、長老の皆さんに長老会のアジェンダ案をメールで送付。その後は書斎に籠もってひたすら講演の準備。夜は、北支区連合祈祷会で目白町教会へ。帰りに練馬車庫から新宿行きの都バスを教えてもらって乗ってみると、本数も多く意外に早い。これだと、曙橋から目白の聖書神学校まで30分ほどで行けることになる。これから利用することにしよう。(戒能信生)