2018年11月17日土曜日


牧師の日記から(188

1111日(日)主日礼拝。Ⅱペトロ書314-18の講解説教「堅固な足場に立って」。この手紙に引用されるパウロの信仰理解が、終末の遅延における倫理であることの意味を考えさせられる。すなわち、パウロの信仰義認論や贖罪論についてペトロ書は全く言及していない。同時に、パウロの手紙について「難しく理解しにくい」と注記されていることも興味深い。2世紀半ばの初代教会においてパウロについての理解も結構多様だったのだろう。礼拝後、オリーブの会で国連食糧援助機構のスタッフ石井理江さんの報告を聞く。外務省が入国を禁じているシリアで、難民支援活動をする日本人女性がいることをみんなに知って欲しい。広島大学の客員研究員楊小平さんが礼拝に出席された。戦前の中国での伝道について調べたいとのことで、東亜伝道会や、邦人教会の資料を紹介した。野口倢司さんが、今年のクリスマス・カードの写真を撮影してくれる。教会学校のフランネルグラフの受胎告知の場面。どんなカードになるか今から楽しみである。

12日(月)午後、中目黒教会の後任牧師招聘について、委員長の山田さんが訪ねて来て、その報告を伺う。良き後任者が与えられたとのこと。夜は日本聖書神学校の授業。この日は賀川豊彦を取り上げる。

13日(火)午前中神学読書会。マルクス・ガブリエルの『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書)を大泉教会の管満雄さんの紹介で取り上げる。38歳の若き哲学者の新しい認識論は正直言ってチンプンカンプン。ただ大きな時代の転換期における哲学の傾向を垣間見ることが出来た。例えばガブリエルは宗教を否定せず、「無限なもののなかに意味の痕跡を探求する営み」と規定している。出席者は牧師6名、信徒2名の計8名。夜は早稲田教会での山口里子ゼミに参加。新しく刊行された『食べて味わう聖書の話』のレシピを用いて、講座のスピン・オフ企画で、3月に一緒に料理をして食べる集いをすることになった。

14日(水)午前中、聖書を学ぶ会でサムエル記上21-22章を取り上げる。サウロ王から追われたダビデのもとには、「困窮している者、負債のある者、不満を持つ者」が集まって来たという。王国形成の陰の部分がダビデに集約されたということだろうか。午後は『時の徴』の次号のために井上良雄説教の文字化作業。

15日(木)朝一番で東京医科歯科大学付属病院で、血液・尿検、レントゲン、心電図などの検査。たった三日の検査入院なのに、検査と書類の多さに辟易する。それにしても大学病院に群れ集まる病人の多さと、ベルトコンベアー式の検査態勢に驚く。午後はキリスト教会館管理組合の仕事。東京ガスからGHPの取り替えについての提案を聞く。引き続きNCAの運営委員会。

16日(金)農村伝道神学校の授業で赤岩栄について取り上げる。思想的転変の激しかった人だが、その激しい問いは今でも重いものがある。

17日(土)午後から柏木義円研究会で東京キリスト教大学の山口陽一学長の講演。最近あまり聞かない「良心」の問題を改めて考えさせられる。(戒能信生)

0 件のコメント:

コメントを投稿