2019年11月30日土曜日


牧師の日記から(242

1124日(日)主日礼拝。士師記7110の講解説教「士師ギデオンと300人の勇士」。旧約聖書では人数はしばしば誇張されることが多い。ところがこのテキストでは、ミディアン人たちの襲来に対して各部族から招集された兵士を選抜し、最後には300人しか残らなかったと伝えている。食料や武具などを用意できたのは精々300人分程度であったからだろう。しかしこのわずか300人によって、ミディアン人を撃退したというのだ。今から100年程前、ウィスコンシン州の小さなホテルで偶然同室になった二人のセールスマンが、お互いがクリスチャンと知って共に祈り、ここからホテルや刑務所、学校などへの聖書頒布を目的とするギデオン協会の働きが始まったとされている。しかしその発会式にはたった三人しか集まらなかった。それでこの士師記の故事から「ギデオン協会」と命名されたという。私たちの教会も、その小ささ、少なさの現実からもう一度希望をもって歩みだそう。夜は、明日の月曜会の発題の準備。

25日(月)午前中、月曜会で東駒形教会へ。大貫隆『終末論の系譜』の13章について発題する。夕方、新宿のメガネ屋さんに寄り、眼鏡を新調する。これまで使ってきたものが、コーティングが剥がれ見えにくくなっていたのだ。その足で聖書神学校へ。この日は賀川豊彦の生涯について講義。

26日(火)午前中、賛育会病院の内科の定期検診。インフルエンザの予防注射もしてもらう。夜は北支区連合祈祷委員会。先日亡くなった雨宮栄一牧師の著作目録の作成に取りかかる。結構大変な作業だが、雨宮先生の関心の拡がりが分る。

27日(水)午前中、聖書を学び祈る会で列王記上15章を取り上げる。歴代誌との異同を見ながら、北王国と南王国との分裂後の歴史を追う。午後、NCAの聖書講座に参加。その後、鬼子母神前の割烹で上林先生にご馳走になる。帰宅後は、著作目録作成の作業。結構な分量になりそうだ。長老会のアジェンダ作りも。

28日(木)午後からNCAの事務所で事務仕事。夜は「災害におけるエキュメニカルな支援を考える」集会で、主催者として挨拶。このところ各地の自然災害が続き、それぞれ教派を越えた支援活動が展開されている。熊本地震や昨年の西日本豪雨による岡山の被災地支援などに関わった人々が集まり、それぞれの経験から情報を交換した。率直に言えば、福音派の牧師たちが積極的に活動しているのに、我が日本基督教団の取り組みが不十分だという印象がある。

29日(金)野口さん作成のクリスマス・カードに宛名書きと署名。夜は、NCAのプログラム「ジャーナリストにその本音を聞く」で、元・毎日新聞の佐々木宏人さんの話を聞く。昭和20818日に暗殺された戸田帯刀神父の事件について、改めて詳しく紹介してくれた。カトリック教会は300年前の殉教者たちの列福には熱心だが、70年前の殉教者が放置されたままなのは何故か。戦時下に妥協し屈服した教会の実態があぶり出されるからだという。貴重な機会だったのに、参加者が少なくて講師に申し訳ないし、残念だった。(戒能信生)

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