2021年6月12日土曜日

 

牧師の日記から(321

66日(日)主日礼拝。ルカ福音書71-10の講解説教「百卒長の僕の癒し」。この病気の僕がマタイの平行箇所では「私のpais(少年)」となっていることから、百卒長の少年従卒と理解する聖書学者の提案がある。ここからさらに百卒長とこの奴隷は愛人関係にあったとする解釈が生れる。聖書は一貫して同性愛を断罪しているが、イエスはそれを容認していたのではないかという問いとつながる。いずれにしろユダヤ社会で忌避されていたローマの百卒長の願いを容れてその僕を癒したというこの奇跡物語は、現代の私たちの抱える難問にまでその射程を伸ばしていることになる。礼拝後、定例長老会。緊急事態宣言が続いている間は、礼拝や集会の持ち方になお注意しなければならないと話し合った。また礼拝のライブ配信についても取り上げられた。平均して5名前後がライブで受信しており、20人前後が録画を見ているとのこと。夜、長老会の記録と報告を作成する。

7日(月)午前中、四谷駅前の眼科で定期検診。眼圧を下げる点眼で緑内障の進行は抑えられているとのこと。午後、門前仲町の歯科医の定期検診。その足で目白の神学校へ。図書館で『季刊教会』122号の落合建仁さんの「スペイン風邪と日本基督教会」の論稿を読む。実に丹念に資料を調べており、私の論文への批判も記されていて参考になる。夜は授業。

8日(火)12時から富坂キリスト教センターで、原誠先生、後宮敬彌牧師と「教団教師論」について『ジャーナル風』の鼎談。続いて2時から「同胞教会史研究会」の第1回研究会。同胞教会は明治中期から日本宣教を開始し、東京、千葉、静岡、滋賀、京都、大阪、兵庫の各地に30前後の教会を生み出している。昭和16年に日本基督教団に合流し、それ以降、会派活動を自己規制して来た。そのために同胞教会の関係資料(年会記録や機関誌など)が散逸しているので、それを収拾して整理するのが目的。夜は山口里子さんのマルコ福音書のゼミにZoomで参加。

9日(水)一日在宅で、翌日の講座の準備。そこへ『柏木義円研究』第5号が京都の印刷所から300部送られて来た。賛助会費の会計処理や発送の準備。午後、四ツ谷駅前のクリニックに直子さんが出向き、ようやく7月末にワクチン接種の予約が出来たとのこと。

10日(木)午前中、直子さんに手伝ってもらって『柏木義円研究』の発送作業。午後からNCA連続講座の2回目「新島襄とその時代」をZoomで配信。受講者が80名近くになっており、小さな画面にずらっと並ぶ受講者に語りかけるが、その反応が分からないので何とも隔靴掻痒の感じ。

11日(金)新教ブックレット『100年前のパンデミック』が出版社から送られて来た。この一年取り組んで来た共同研究がこのような形でまとめられたのだ。直子さんに手伝ってもらって知友の方々に恵贈する作業。 

12日(土)午後から「柏木義円の日記を読む会」をZoomで。明治41-44年の時期の日記を精読して発題する。後は翌日の礼拝の準備。(戒能信生)

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