2022年11月13日日曜日

 

牧師の日記から(392

116日(日)永眠者記念主日礼拝。詩編13篇とダニエル書12513を通して、「主よ、いつまでなのですか」という問いについて取り上げる。この問いは、苦難の神義論(ヨブ記)には出てこない。あくまで実際の苦難の中での具体的・実践的な問いと言える。紀元前2世紀、シリアのセレウコス王朝がユダヤに侵攻し併呑しようとしたとき、祭司や指導者層は圧倒的な軍事力を誇るシリアに降伏しようとするが、自営農民の一部とハシディストたちが立ち上がる。マカベア独立戦争である。3年半に渡る激戦の結果、ローマ帝国の介入もあってシリア軍は撤退し、神殿が回復され祭儀が再開される。その間の絶望的な抵抗戦争の中で、「これらの驚くべきことはいつまで続くのか」(126)という問いが生まれたとされる。現下のウクライナ戦争の帰趨と重ね合わせて考えさせられる。永眠者のご遺族たちが何人も出席された。礼拝後、定例長老会。8月に96歳で亡くなった故・中谷芳枝さんの記念礼拝を、ご遺族の希望もあり来週の主日礼拝後に実施することとなった。夕方、散歩に出る。夜、古い教会の資料に中谷芳枝さんの記録がないか捜し回って、ようやく松野俊一牧師の時代の機関紙『からし種』に、中谷さんの言葉がひと言引用されるのを発見する。

7日(月)午前中、散歩。このところ定番化している旧鮫ヶ橋貧民街の露地を抜けて二葉乳児院に出るコース。そう言えば40年ほど前、この乳児院を初めて訪ねたとき、園長から赤ちゃんを三歳まで預って養育する家庭を捜していると聞いて、早速直子さんに提案したところ、あっさり却下されたことを思い出した。実際に世話をするのは直子さんだということを見抜かれたのだ。夜は目白の神学校で授業。西川穂神学生に11月の奨励金を手渡す。巣鴨ときわ教会での実習をさらに半年延長したいとのこと。

8日(火)午前中、散歩。四谷駅前のコモレ・ビルの裏手の一等地が長く空き地になっていたが、アイルランド大使館が移転してくることになり、新築工事が始まるという。コロナ禍の不況が言われているが、散歩する途中でしばしば工事中の家を見かけることが多い。

9日(水)聖書を学び祈る会で、マタイ福音書141530の「タラントの譬」を取り上げる。午後、散歩。須賀神社前の「珈琲日記」という喫茶店に立ち寄る。高級な珈琲専門店で、おいしい珈琲を飲ませてくれる。

10日(木)午前中は、散歩と午後からの講座の準備。直子さんが、中谷芳枝さんの資料を、千代田教会のごく初期の礼拝出席者名簿に見つけてくれる。佐藤美枝子・芳枝の姉妹が昭和22年に受洗していることも確認できた。午後2時からNCA連続講座「日本キリスト教史を読む」で植村環を取り上げる。夕刻、中谷芳枝さんのご遺族に電話をし、芳枝さんのご家族のことや歩んで来た道についてインタビュー。

 11日(金)11時から門前仲町の歯科医で治療。帰宅後は、故・中谷芳枝さんの記念礼拝の準備。讃美歌を梅本順子さんに連絡。(戒能信生)

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