牧師の日記から(491)
10月13日(日)主日礼拝。ガラテヤ書2・11-14の講解説教「アンテオケの衝突」。シリア州の州都アンテオケに成立した初めての在外教会で、パウロは大先輩のケファ(ペトロ)やバルナバと衝突する。彼らが、異邦人キリスト者と食事を共にしなくなったことで、みんなの前で面と向かって批判したのだ。この事件以降、パウロはアンテオケ教会から疎遠になり、その支援を受けられなくなる。しかしパウロにとってこの問題はどうしても避けられない本質的な問題であったのだ。そこにパウロの真骨頂がある。礼拝後、荒井久美子さんの「私の愛唱聖句」は、ロマ書5・1-5について感銘深い証しだった。礼拝後、四谷から迎賓館の辺りを久しぶりに散歩。酷暑の中で控えていたが、ようやく秋らしくなったので歩くと、体力が落ちていることを感じる。
14日(月)スポーツの日で休日。午前中、元鮫が淵スラムの古い路地を久しぶりに散歩。午後、四谷新生教会での北支区社会部連続学習会「キリスト教シオニズムについて考える」に参加。70名ほどの参加で盛会だった。東京経済大学の早尾貴紀教授の講演で、パレスチナ問題の歴史を初歩から学ぶ。講師は、オスロ合意にはもう戻れないと言われたが、しかし対立しているイスラエルとハマスが相互に認め合うことからしか解決の道はないとも考えさせられた。
15日(火)午前中、神学読書会。キュンクの『イエス』第3章を、駒込教会の村田重牧師の紹介と発題で読む。午後からはNCAの読書会「キリスト教と文学」で、ラーゲルレーブの『キリスト伝説集』が取り上げられた。訳者のイシガ・オサムは、まだスウェーデン語の辞書がない当時、エスペラント語を通してスウェーデン語を独習しラーゲルレーブの大著『エルサレム』の翻訳に挑戦する。その訳稿を岩波書店宛てに送ったその足で、1943年8月、岡山憲兵隊に出頭して兵役拒否の通告をする。これがきっかけでイシガが参加していた非戦同盟日本支部は解散を迫られる。この人について調べようと資料を集めたが、ご本人が亡くなって断念したことがある。
16日(水)午前中、柏木義円講演会の案内と会計報告を賛助会員に発送(55通)。その足で四谷駅に回り、来週の日本聖書神学校同窓会東北支部研修会のために勿来駅までの往復切符と特急券を購入。さらに線路添いの土手を市ヶ谷まで歩き文教堂で文庫本を購入。
18日(金)午前中、3月の神学生交流プログラムの準備委員会にZoomで参加。初めて福岡の西南学院を会場に実施するが、いろいろ難題はあるようだ。午後。久保彩奈さんの卒論指導。「葬儀・結婚式式文に見る文化受容の課題」というテーマで意欲作。(戒能信生)
0 件のコメント:
コメントを投稿