2019年2月23日土曜日


牧師の日記から(202

217日(日)主日礼拝。Ⅰヨハネ書47-12の講解説教。この個所はストレートに「互いに愛し合いなさい」と勧める。つまり順接的な福音理解が強調される。逆説的にではなく、ストレートに、単純率直に福音を語り、受け容れることも必要なのだ。礼拝後、オリーブの会で橋本茂さんの「バッハ・カンタータ163番の社会学的考察」。聖書に由来する“Jedem das Seine”という言葉が、ブッヘンバルト強制収容所の正門に掲げられ、ユダヤ人迫害を象徴する言葉になる。それ以降、ドイツではカンタータ163番は演奏されなくなったという経緯が紹介された。昼食は石井房恵さんの心づくしの特製麻婆丼を頂く。

18日(月)新宿バスタから直行バスで羽田へ。11時の全日空機で那覇へ。沖縄宣教研究所・富坂キリスト教センター共同研修会に参加するため。あたかも辺野古基地建設の賛否を問う県民投票の直前。ポスターや投票を呼びかける宣伝カーが行き交う。タクシーのドライバーも、投票に行くと行っていた。夕方から普天間の野嵩ゲート前でゴスペルを歌う会に参加。夜は、沖縄バプテスト連盟の中城城東教会に分宿。なかなか得難い経験ではある。

19日(火)朝8時から車に分乗して現場研修。一昨年暮れに米軍ヘリの部品が園庭に落ちた緑が丘保育園、その直後に今度はヘリの窓枠が落下した普天間第二小学校など、普天間基地周辺を巡る。住宅が密集する地域の真ん中にあるこの基地の飛行ルートに保育園や小学校があることが如実に分かる。嘉手納飛行場を経て、読谷村のチビチリガマや「恨之碑」を見学。その後、研修会の開かれる恩納村のペンションへ。沖縄側から20名、本土から約20名の参加で研修会が始まる。

20日(水)午前中、「ヤマトの教会と沖縄の教会の交流の歴史」というテーマで私の講演。午後からは沖縄側から神谷武宏牧師の「神の国宣言の琉球独立論」という刺激的な講演。この二つの講演をめぐって、質疑応答や分団などの協議が重ねられる。本土からの参加者に向けて、沖縄側から激しい問いかけもある。

21日(木)研修会の最終日。平良修先生、そして外間永二さんの発題。沖縄の歴史と、ヤマトへの同化意識と自立への模索、そして独立論が語られる。議論は容易に噛み合わないが、そこにこの研修会の意味もあるのだろう。午後閉会。その後、スタッフたちとレンタカーで那覇のホテルへ。途中で、神谷牧師から勧められたブエノチキンなる鶏の丸焼きを買い求め、宜野湾キリスト教センターでオリオンビールを飲みながら食べる。ジューシーでなかなか美味しい。夜はスタッフたちと研修会の振り返りと打ち上げ。沖縄料理と泡盛を楽しむ。

22日(金)昼前によきサマリヤ人病院にチャプレン久保礼子さんを訪ねる。友人の中村喜信牧師も合流。三人は神学校時代の同級生なのだ。沖縄でも有数の総合福祉施設を見学し、礼子さんの働きを紹介してもらう。夕方の飛行機で帰京。

23日(土)午後から聖書と人間を考える会で堀町子さんの発題。『待ってる』という絵本を手がかりに、待つことの意味について話し合う。(戒能信生)

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