2019年6月15日土曜日


牧師の日記から(218

39日(日)ペンテコステ合同礼拝。子どもの祝福では、ブリュ-ゲルの「バベルの塔」の原寸大の絵を見せて、天にまで届こうとする人間の愚かさについて話した。礼拝説教では、使徒言行録2章のペンテコステの出来事を、ボブ・ディランの「風に吹かれて」の歌詞を手がかりに、引き籠もっていた弟子たちが、聖霊の風に吹かれて、自由に大胆に自分の言葉でイエス・キリストの福音を宣べ伝え始めた様子について語った。ロンドンから帰国した大野剛さんが礼拝に出席されて嬉しかった。礼拝後の聖書を読む会では、梅本順子さんが創世記41章を手がかりに、ヨセフの妻アセナトについて発題された。英語のネットからアセナトの肖像や様々な情報を探してくれて、大変興味深かった。ディアスポラのユダヤ人たちの規範として、異国の王に仕えても、同化を拒否し自らの民族的アイデンティティとヘブライ神に対する信仰は決して譲らないというのが主流(例えばダニエル書)。しかしヨセフは、ファラオからエジプトの名前を与えられ、エジプトの祭司の娘アセナトと結婚している。つまり、エジプトに同化しているケースと言える。しかしその二人の息子にはヘブライの名前をつけ、父ヤコブの祝福を受けさせている。このあたりがヨセフ物語の真骨頂なのだろう。4時頃から悪寒がし始め、ガタガタと震える症状で、一時は40度を超える発熱で寝付く。

10日(月)この日もほとんど寝た切りで、高熱に苦しむ。直子さんは自分が出産直後にかかった腎盂腎炎の症状と似ているという。日本聖書神学校の授業は休講にしてもらう。案の定、夕方からまた高熱が続き、とても授業は出来なかった。

11日(火)賛育会病院の定期診療の日だったので、直子さんに同伴してもらって錦糸町の病院へ。CTまで撮って、やはり腎盂腎炎と診断される。入院を勧められるが、木曜日にNCAの連続講座の責任があるので、点滴をしてもらい、抗生剤や解熱剤を処方してもらう。病院を出るところで再び悪寒がし始め、タクシーで帰宅。車の中での私の挙動がおかしかったと後で直子さんから教えられるが、ほとんど記憶がない。夜になっても39度台の高熱が続くので、明日の聖書を読む会を休会にしてもらうべく、直子さんに連絡してもらう。

12日(水)解熱剤が効いてきたのか体温は平熱に戻ったが、身体のしんどさと呼吸の荒さは続いている。ただ、溜まっている仕事やメールの処理があるので書斎で仕事をしているところに、仙台の宮田光雄先生から電話がかかってくる。先日お送りした『協力と抵抗の内面史』について大変評価して下さった。確か90歳を超える先生の声の若々しさに驚く。この内面史研究は、もともと宮田先生たちが訳したテートのドイツ教会闘争の内面史研究が発端であったので、大変励まされる思いだった。夜になってまた少し発熱する中で、翌日の講演の準備。

13日(木)午後からNCAの連続講座「赤岩栄とその時代」。40名近い聴衆が集まってくれた。熱も徐々に治りつつあるようだ。これでようやく623日のホーリネス弾圧聖会の講演の準備に取りかかれる。(戒能信生)

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