2019年7月13日土曜日


牧師の日記から(222

77()主日礼拝。使徒言行録4131の講解説教「聖霊に満たされて」。ペトロとヨハネが神殿当局によって逮捕され、サンヒドリン(宗議会)で尋問される。しかし彼らは大胆に主イエス・キリストの復活を証言する。イエスの逮捕の際に逃げ去り、戸に鍵をかけて閉じ籠もっていた弟子たちの姿はそこにはない。大祭司たちに散々脅されてもその姿勢は変わらず、釈放後、エルサレム教会の人々とその体験が共有される。聖霊に満たされて迫害を恐れずイエス・キリストの福音を証しするところに、教会の出発があったことを伝えている。友人の山口雅弘牧師がひょっこり礼拝に出席してくれた。この春稲城台教会を退任されたが、緑内障の悪化のためだという。私も中程度の緑内障なので、身につまされた。この間、体調不良のため全く歩いていないので、足慣らしのために直子さんと買い物に出かけ、夕食は中華料理を四品作る。体力が戻ってきたということのようだ。

8日(月)夜は日本聖書神学校の授業。この日は受講生たちが新渡戸稲造についてのリーディング・レポートをしてくれたが、大変優れた報告が多く、私自身が学ばされた。この日、神学校への行き帰りをタクシーではなく、電車と徒歩で出来た。図書館で深井智朗の『ヴァイマールの聖なる政治的精神』を借りる。例の捏造騒ぎで絶版にされた問題の書籍。従来の神学的構図を打破し、カール・バルトたちを神学的アヴァンギャルドと規定、ハルナックやトレルチを再評価する見取り図を描いているが、やはりその論述は荒いように思った。レーフラーという神学者の捏造についても、その意図と意味は不明としか言いようがない。

9()午前中、錦糸町の賛育会病院の定期検診。検査の結果、腎盂腎炎は完治しているとのこと。時折微熱が出るのは、まだ体力が戻ってないからだという。夜は、手術後初めて自転車で早稲田のキリスト教会館へ。山口里子さんの聖書ゼミに久しぶりに出席。この年になっても、まだ学ぶことはたくさんある。

10日(水)聖書を学ぶ会はお休みで、この日は直子さんの誕生日でもあるので、思い立って、二人で上野の東京都美術館にクリムト展を観に行く。初期の印象派風の肖像画や風景画も素晴らしいが、ウィーン分離派以降の変貌に驚かされる。この変貌に日本の浮世絵や工芸品が影響を与えているという。約5000歩歩いた。

11日(木)午後からキリスト教会館へ行き、NCAの連続講座「木俣敏とその時代」について講演。農村伝道の理論家で、いわゆる「伝道圏伝道」の提唱者だが、波瀾の生涯で、そこに様々な問題を読み取ることが出来る。ほとんど無名の木俣敏についての講演なのに、40人以上の参加者があり、補助椅子も足りなくて往生する。そのまま、富坂キリスト教センターに行き、谷口仰牧師のライブ・トークの集いに出席。教会からも野口倢司、石井房恵、石井摩耶子、齊籐織恵の皆さんが参加してくれた。バイオリンを自在に弾きこなし、大地の湧き上がる力を織り込んだような現代音楽的な演奏に感嘆する。またそのトークが面白く、従来の教会理解に根本的な変更を迫るイベントだった。少し疲れた。(戒能信生)

0 件のコメント:

コメントを投稿