2019年12月8日日曜日


牧師の日記から(243

121日(日)アドベント第1主日礼拝。使徒言行録11章の講解説教「キリスト者と呼ばれて」。イエス・キリストの福音はシリア州の州都アンティオキアにまで及び、このヘレニズム的国際都市に教会が生まれる。そしてその信徒たちは、周囲からXristianoiと呼ばれた。「キリスト者」という呼び名は、もともとは周りの人々から投げつけられたあだ名というか蔑称であったようだ。100年ほど前、ローマ市の道路工事の際、地下の遺構から粗雑な落書きが見つかった。そこには十字架が描かれ、「アレクサメノス、その神を拝む」と乱雑な字で彫り込まれていた。それは美術的・考古学的には全く価値のない悪戯書きに過ぎないが、紀元3世紀にアレクサメノスという奴隷のキリスト者がいて、仲間たちから馬鹿にされたり揶揄われたりしていた様子が伺われる。「福音を恥としない」という逆説的な表現は、そのことを指しているのだろう。礼拝後、アドベント全体祈祷会、長老会と続く。西川穂(みのる)さんの転入会が承認された。また新しい仲間が加えられたことを喜びたい。夜は羊子の誕生祝いで、家族で一緒に食事。

2日(月)午後、日本聖書神学校の図書館で、故・雨宮栄一牧師の著作目録に追加するための調べ物。『教団新報』の執筆記事を検索して16件追加できた。夜はそのまま授業で、賀川豊彦の生涯について講義。

3日(火)午後、門前仲町の雨宮美枝子さん宅を下田洋一牧師と共に弔問する。雨宮先生の書斎に案内され、著作目録に追加する論稿を数点見つける。残された書籍の中からドイツ教会闘争関係の貴重な文献は、農村伝道神学校に寄贈することを相談する。しかしその選別が厄介ではある。もう一つの問題は、雨宮牧師が書き残した反ナチ抵抗運動クラウザウ・グループについての遺稿。未定稿ではあるが、目次や序文、文献表等、基本的な原稿は揃っている。この原稿を整理して、出版すべきがどうかを編集者と協議しなければならない。

4日(水)午前中、聖書を学び祈る会。列王記上16章を取り上げる。ヤラベアム王没後の北王国の政治体制が記されている。軍部が実権を握り、度重なる軍事クーデターによって政情不安が続く状況が読み取れる。午後、雨宮牧師の著作目録を一応仕上げて、『賀川豊彦研究』の追悼号のためにメールで送稿。

5日(木)朝早く新幹線で軽井沢へ。養護施設沓掛学荘の職員礼拝で奨励。午後、佐久平の老人施設に保志治子さんを見舞う。お元気そうで、白内障の手術がうまく行って喜んでおられた。今日の聖書個所を読み祈る。夕方の新幹線で帰宅。

6日(金)午前1030分からの支区連合祈祷会に出席するため、根津教会へ。関東大震災以前に建てられたヴォーリスの建築。午後は早稲田教会で、関西から上京した神田健次先生たちと来年3月の神学生交流プログラムの打ち合わせ。

7日(土)午後から信濃町教会での北支区クリスマス音楽祭に出席。合唱あり、器楽演奏ありで楽しいプログラムだった。帰宅して週報や長老会報告などの作成と説教の準備。今週も少し忙しかったが、健康が支えられて感謝。(戒能信生)

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