2020年6月6日土曜日


牧師の日記から(269

531日(日)ペンテコステ礼拝。5月の最後の主日礼拝でもあるので、サムエル記上4章の講解説教「奪われた契約の箱」。部族連合時代の中央聖所シロが、ペリシテ人によって荒らされ、契約の箱が奪われた出来事が伝えられている。軍事力に優るペリシテに対抗するため「神の箱」を持ち出したところ、逆に大敗して神の箱も奪われてしまう。それは言わば呪術信仰からの脱却を伝えるエピソードと言えるのだろう。これによって、祭司エリの一族からサムエルへの宗教的権威の転換が決定的となった。礼拝後、定期教会総会。22名の出席。昼食は摂らずに、礼拝堂でそのまま続行した。総会後、何人かの方に、この間の逼塞の間の経験を話してもらった。午後8時頃、松野ヤスコさんからの電話で、松野俊一名誉牧師が亡くなったとの知らせ。すぐに柏市のご自宅に行く。夕方、眠るように亡くなったとのこと。ご遺体は既に検死のため柏警察に運ばれていた。葬儀社にも来てもらって告別式などの相談。松野先生の末弟にあたる三郎さんが来てくれて、ヤスコさんを支えていろいろ相談に乗って下さり本当に助かった。

61日(月)昼過ぎ、松野先生のご遺体が搬送されてくる。詩編23篇を朗読して短く祈る。夕刻、日本聖書神学校の授業で、書斎からズームで植村正久を取り上げる。インターネット授業にも少し慣れてきた。

2日(火)午前中、門前仲町の雨宮美枝子さん宅を訪ねる。昨年亡くなった栄一牧師の書斎から遺稿が見つかった。『反ナチ抵抗運動とモルトケ伯』という内容で、ナチス支配下にあって敗戦後ドイツ再生のための構想を練っていたクライザウ・サークルの中心人物ヤーメス・フォン・モルトケの伝記。モルトケを初め10名が処刑されている。一応原稿は終わりまで出来ているのだが、推敲が出来ていない。雨宮牧師の最後の仕事なので、私が原稿整理を引きうけ、CIVID-19による逼塞の期間、集中的に作業をして来た。30冊ほどの参考文献と照合しなければならないので、書斎を探して必要なドイツ語文献を見つけ出し、宅急便で送ってもらう手配をする。午後帰宅して告別式の準備。礼拝堂が密になるのを避けるため、親族を優先し教会員にはなるべく遠慮してもらうことになった。そのためご遺族の了解を得て、告別式のライブ配信の準備を西川穂さんに依頼する。

3日(水)午前中、葬儀社が来て告別式の準備。1時から告別式。出席は親族18名、教会関係者22名だった。落合の火葬場に萩原好子さんも来てくださった。

4日(木)来週の定例長老会のアジェンダ作成。NCAの事務所に行く予定だったが、取りやめにして自宅で仕事。少しのんびりする。

5日(金)午前中、農村伝道神学校の講義をライブ配信で実施する。今年の受講生は三名と少ない。こちらの音声は明瞭に伝わっているのだが、学生側の音声が不安定で聞き取りにくい。いろいろ調整が必要のようだ。(戒能信生)

1 件のコメント:

  1. 松野先生の訃報信徒の友で知りました。柏市にお住まいしていることも初めて知りました。学生時代仙台二十人町教会でご一緒しました。

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