2020年7月11日土曜日


牧師の日記から(274
75日(日)主日礼拝。使徒言行録211-16の講解説教「御心が行なわれますように」。礼拝後、定例長老会。礼拝のライブ配信は、茨木啓子さんを初め、礼拝に来られない何人かが利用していることもあり、コロナ危機が続く期間、原則として教会員に限定して配信を続けることになった。担当してくれている西川穂さんのご労苦に感謝しなければならない。
6日(月)少し早めに日本聖書神学校に行き、ようやく開館した図書館で調べもの。岩波版『内村鑑三全集』のDVDを利用して、「西班牙風邪」や「流行性感冒」などについての内村の言及を検索する。内村の日記などから何点かヒットしたが、意外にその言及が少ない。再臨運動とスペイン・インフルエンザとの直接的な関連は確認できなかった。しかし再臨運動の聴衆の側には、この感染症流行による危機感や終末期待があったかもしれない。帰宅して、借り出してきた『内村全集』33巻や、鈴木範久先生の『内村鑑三日録』を調べる。テレビでは九州各地の水害の様子を繰り返し報道している。教会関係の被災が気になる。
7日(火)朝から富士見町教会に行き、今から100年前の旧・日本基督教会の機関誌『福音新報』を閲覧する。やはりスペイン風邪による影響が各地の教会に及んでいたことが確認できた。何人もの牧師や教会員が亡くなっているのだ。にもかかわらず、その後の日本キリスト教史にその影響の跡が見えないのは何故なのか考えさせられる。夕方帰宅して、調査した事項を整理してエクセルに入力し、共同研究者たちに送信する。7月末までに各研究員の成果が寄せられるはずだ。
8日(水)午前中、聖書を学び祈る会。列王記上9-10章を取り上げる。預言者エリシャに唆された将軍イエフがクーデターを起こし、北王国のオムリ王朝を滅ぼす箇所。旧約聖書中最も凄惨な記事が続く。こういう箇所が聖書にある事実をつくづく考えさせられる。それは人間の罪と愚かさを直視していると言うべきだろうか。午後から、『聖書と神学』に寄稿した由木康論の補正作業。由木の訳詞に触れた部分で、讃美歌歌詞の引用をしたのだが、JASRACの許可を得なければならないという。致し方なくJASRACの許諾申請書類を作成して送る。
9日(木)午後から西早稲田のキリスト教会館でNCAの事務仕事。会館の各事務所も閑散としている。テレワークを継続しているため。
10日(金)午前中、農村伝道神学校の授業を書斎からZOOMでライブ配信。町田まで出かけなくてすむのは楽だが、やはり隔靴掻痒の感は否めない。石巻栄光教会の川上直也牧師から、昨年行なわれた聖公会の「原発のない世界を求める国際協議会」の報告書が送られてきた。川上さんの講演はきわめて挑戦的な問いかけを含んでいる。東日本大震災の被災者たちと共に、人間の罪の現実を直視しながら、「神に対して赦しを与えなければならない」というのだ。(戒能信生)

0 件のコメント:

コメントを投稿