2020年9月12日土曜日

 

牧師の日記から(283

96日(日)主日礼拝。使徒言行録26章の講解説教。アグリッパ王の前でのパウロの証言を取り上げる。それは法廷における証言というよりも、伝道説教ともいうべき内容。まさにルカ福音書21章の主イエスの預言「人々はあなたがたに手を下して迫害し、会堂や牢に引き渡し、わたしの名のために王や総督の前に引っ張って行く。それはあなたがたにとって証しをする機会となる」という言葉通りの場面と言える。著者ルカがこのような場面を強調して描いた意図を考えさせられる。礼拝後、定例長老会。コロナ禍が続く中で、注意しながら礼拝やその他の集会を続けていく以外にない。920日の礼拝後、「大森意索医師にコロナについて聞く会」をオリーブの会の一環としてすることになった。

7日(月)この夏は、親しい友人が何人も急逝した。一人は信濃町教会の長老・秋山眞兄さんで、自宅の火災によって亡くなった。青年会時代から親しくして来たし、つい先月、千代田教会に来てくれて、富坂キリスト教センターの共同研究「スペイン風邪と日本の教会」について話し合ったばかり。またボンヘッファー研究者の山崎和明さんが、8月末に癌で急逝した。故・雨宮栄一先生の遺稿『反ナチ抵抗運動とモルトケ伯』のチェックを依頼していたのに、その作業の途中で亡くなったのだ。そして若いときから本当にお世話になってきた東海林勤先生が亡くなった。この年になると、次々に親しい友人が先に逝ってしまうのがつらい。

8日(火)『福音と世界』11月号に依頼されていた『スペイン風邪と日本の教会』の原稿をなんとか仕上げて出版社に送稿。そこに明治学院大学の紀要の査読原稿が届く。人の論文をチェックするのはいささか気が重い。

9日(水)午前中、聖書を読んで祈る会。列王記下15章以下、北王国イスラエル末期の王たちの列伝を取り上げる。先日『日本キリスト教歴史人名辞典』が送られてきたばかりだが(私は数項目を執筆しただけ)、発行元の教文館編集部から『本のひろば』の書評対談をして欲しいとの依頼。やむなく引き受けたが、このような辞典の書評は皆目見当が付かない。

10日(木)午後からキリスト教会館へ。NCAの事務仕事。そこへ旧知の染谷武男さんが編集者と共に訪ねてきて、難民申請中の外国人の支援について相談された。毎年数万に及ぶ難民申請が出されるが、認められるのは数十件だけ。その人々は不安定な身分の上にコロナ禍で経済的にも困窮している。彼らを支援する定期刊行物を作り、それを難民申請者が街頭で販売して(『Big Issue』のように)支援したいというのだ。いろいろアドバイスをしたが、難問山積ではある。その後『時の徴』発送用の封筒の印刷作業。神戸の神田健次さんから電話で、来年3月に予定されている神学生交流プログラムが実施できるかどうか聞いてきた。COVID-19が収束しているとはとても考えられず、再延期を考えざるを得ないだろうか。9月に入って急に様々な仕事が押し寄せてくる感じ。(戒能信生)

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