2021年9月18日土曜日

 

牧師の日記から(335

912日(日)主日礼拝。ルカ福音書840-48の講解説教「長血を患う女性の癒し」。「救急車の原則」を超えるイエスの姿勢を紹介する。つまり、会堂司ヤイロの娘が重態で、その家に急行する途中、この癒しの奇跡は行なわれる。より重篤な病者を後回しにして慢性病の女性の癒しを優先し、結果として間に合わなかったことになる。しかしここにイエスの癒しについての基本的な姿勢が伺われるのではないかという観点。

13日(月)この日から、日本聖書神学校の後期の授業が始まる。今年度は受講生が少ないこともあり、授業計画を大幅に変更して学生のリーディングレポートの負担を減らし、講義に重点を置くことにする。夕方目白の神学校に行き、中田重治についての授業。帰宅後、今週予定されているNCAの運営委員会の記録とアジェンダを作成し、運営委員にメールで送付する。

14日(火)午前中は「同胞教会史研究会」の準備。そこに市川三本松教会の外谷悦夫牧師から電話が入り、矢吹一夫牧師が亡くなり研究会に出席できなくなったとの連絡が入る。この年になると、親しかった友人の訃報に接することが多くなる。午後2時から富坂キリスト教センターで研究会。対面参加7名、リモート参加8名の計15名。原誠先生が、アメリカにおける同胞教会(いわゆる「ブレズレン」)の流れを紹介してくれる。興味深いのは、この教派が早くから奴隷制度に明確に反対していたこと。その規約にもそのことが明示されている。夕方帰宅して、6時半から山口里子さんの聖書ゼミにリモートで参加。疲れて早々に寝てしまった。

15日(水)この日は一日在宅。溜まっている書斎の書籍の整理。夕方、散歩代わりに直子さんの買い物に付き合う。「濡れ落ち葉」とか「金魚の糞」とか言われないように、家庭内自立を心がけなければならない。

16日(木)午後からリモートでNCAの運営委員会。この間のプログラム報告とその課題、さらに来年度以降の事業計画について話し合う。特に来年度は、教会員の横森智子さん(山梨県立美術館学芸員)にお願いして「キリスト教と美術」というテーマで、月に一度、全8回の講座を計画中。

17日(金)朝一番の電話で、古い友人の山下ひとみさんが亡くなったとの連絡が入る。この間『時の徴』のイラストをお願いしてきたが、自宅で倒れているのが発見され救急車で病院に運ばれたが、重度の肺炎で亡くなった。コロナ感染症の可能性が強く疑われるが、詳しいことは分らないとのこと。嗚呼!この間、コロナ禍で牧師の活動が制限されいたこともあり、この欄にも「最近読んだ本の紹介」ばかり続いた。「牧師は余程暇なんですね」という感想に恐縮する。確かにこの間、家庭訪問や病人の見舞などができず、時間的に余裕ができているのは事実なのだが・・・。

18日(土)午後からリモートで柏木義円研究会。『義円日記』の明治45年分を大久保正禎牧師の紹介で取り上げる。明治天皇の死去と乃木希典夫婦の殉死など、当時の実情に触れて考えさせられる。(戒能信生)

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