2022年2月12日土曜日

 

牧師の日記から(355

26日(日)主日礼拝。ルカ福音書1038-42の講解説教。フェミニスト神学を援用し、福音書のこの箇所だけに伝えられるマルタとマリアの姉妹を取り上げる。従来の解釈では、座り込んでイエスの話しを聞く妹マリアが評価され、忙しく立ち働く姉マルタは雑事に捕らわれているとして劣位に置かれてきた。しかしこの伝承は、男性客を女主人として迎え、客の横に座り込んで話しを聞く例外的な女性たちの姿が描かれていると言える。どちらが正しいかというような狭い見方ではなく、イエスと女性の弟子たちとの豊かな交友をユーモアを交えて伝える伝承として理解できるのではないか。礼拝後、長老会。西片町教会の代務者就任要請について、慎重審議の結果、戒能牧師の年齢や体調を考えお断りするという結論に至った。私の健康を気遣っての結論で有り難いが、困っている西片町教会の善後策が必要となる。また現在韓国に宣教師として派遣している長尾有起牧師を千代田教会担任教師として招聘する件についても協議。この件は前向きに受け止め、3月の長老会で方向性を出すこととなる。

7日(月)午前中駅前の皮膚科へ。重度の慢性蕁麻疹と診断される。原因は容易に特定できないが、いずれにしろ根気強く長期間の治療が必要とのこと。場合によっては大学病院等でさらに細密な検査が必要かも知れないと示唆される。西片町教会の件で、早稲田教会の古賀博牧師に事情を説明して代務者をお願いする。古賀牧師は心臓の持病があり、重荷を負わせることは申し訳ないが…。その後、西片町教会の山本牧師や招聘委員長への報告と善後策についてメールで度重ねて協議する。

8日(火)ジンマシンは全身のあちこち場所を変えて拡がって収まらない。痒さを忍耐しながら書斎で仕事。西片町教会の後任牧師推薦委員の報告書を作成する。夜は、山口里子さんの聖書ゼミにZoomで参加。

9日(水)午前中は聖書を学び祈る会。ネヘミヤ記の最終回で、捕囚から帰還後のエルサレム再建を指導したネヘミヤの改革を取り上げる。城壁を修復と治安の回復、神殿祭儀を担うための祭司やレビ人の召集、さらにエルサレムの人口拡大施策、神殿財務の刷新、安息日規定の遵守などがその主なもの。しかしやはり異民族排除の思想がその根底にある。そこにエズラ・ネヘミヤたちの改革の限界と問題が見られる。そしてそれは、現在のパレスチナ問題と通底する課題を示しているとも言える。午後、1月に亡くなった故・池明観先生の追悼記念会の準備会をZoomで。冒頭の追悼礼拝を私が担当しなければならないようだ。池先生と親しくした日本人の牧師たちはほとんどが亡くなっているため。これもやむを得ないか…。

10日(木)大雪警報もあり、外出を控えてひたすら休養する。松野三郎さんから連絡、ヤスコさんは入院されていた柏の病院から、青梅の病院に転院されたとのこと。見舞に行こうにも、オミクロン株の流行で面会厳禁とのこと。ともかくお元気で口も達者と聞いてホッとする。(戒能信生)

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