2022年10月30日日曜日

 

牧師の日記から(390

1023日(日)主日礼拝。長尾有起先生の担当で、ヨハネ福音6115の講解説教「分かち合って食べる」。「これっぽっちでは何の役にも立たない」とされるパンと魚を皆で分け合う時、そこに奇跡が起こるというメッセージを改めて新鮮に聞くことができた。引き続き、故・生嶋ひろみさんの記念礼拝。昨年12月に92歳で亡くなったのだが、コロナ下でもあり、また故人の遺志で慶応病院に献体されたこともあって、葬儀ができなかったのだ。7月に遺骨が戻って来て、ご親族も交えて、共にひろみさんの生涯を偲ぶ。その後フルート合奏団らふぁえるの練習。合間を縫って散歩。

24日(月)女子学院の創立記念日で「矢島楫子の生涯」について講演。楫子については、三浦綾子さんの小説があり、映画化もされているが、その多くは聞き書き・伝聞によるもので、梶子自身が書いたものはきわめて少ない。しかし明治から大正期にかけて、梶子は最も年長の女性信徒であり、また女子学院院長、婦人矯風会会頭として稀有な存在だった。儒教的素養とキリスト教信仰が重ね合わされた折衷型の思想とも言えるが、しかし何より楫子は教育者であり、粘り強い実践家だった。600名を越える高校生にどれだけ伝わっただろうか。夜は日本聖書神学校の授業。海老名弾正についての受講生たちのリーディングレポートに優れた報告があった。

25日(火)午前中散歩。先日の若葉町散策で神学生の小川和孝さんに教えてもらったルートを辿る。すなわち津之守坂から新宿通りに出て、須賀神社の裏から闇坂を降りて若葉公園に至り、そこから鮫ヶ橋貧民窟のメインストリートだった曲がりくねった長い路地を通って二葉保育園に出て、南元町公園から陸橋に上がって中央線・総武線を見降ろし、サレジオ会修道院から鉄砲坂に抜け、オテル・ド・三国の前を通って若葉教会に出る約6千歩のコース。この日から急に気温が下がり書斎のストーブをつける。

26日(水)午前中、聖書を学び祈る会。マタイ福音書20115の「葡萄園と労働者の譬」を取り上げる。これからしばらくイエスの譬え話を学ぶこととする。午後、散歩。夜は、来年3月の神学生交流プログラムの資料を作成して関係者にチェックを依頼する。『時の徴』次号の井上良雄先生の小説教の翻刻と高倉徹総幹事日記の原稿整理の作業。

27日(木)午前中、散歩。11時から自転車でNCAの事務所に行き、事務仕事。帰宅後、午後1時半から岸本和世牧師の葬儀にZoomで参加。岸本先生は一度千代田教会の主日礼拝に出席されたことがある。1970年当時、教団の幹事だった牧師は、これですべて亡くなったことになる。夜、116日の永眠者記念礼拝のプログラムと11月の予定表を作成する。

28日(金)午前中、散歩。11月の柏木義円公開講演会での発題の準備に手を付ける。義円の日記の精読から、日常生活に現われる義円の思想と信仰に迫る試み。日記は公開を前提とせず、後の価値観が入り込まない一級の資料と言える。入門の会での使徒信条の解説の準備も。(戒能信生)

0 件のコメント:

コメントを投稿