2020年2月15日土曜日


牧師の日記から(253

29日(日)主日礼拝。使徒言行録149-27の講解説教。小アジア内陸部のリストラという小さな町でのパウロたちの伝道の様子を伝える。おそらくギリシア語が充分に通じない状況で、生まれつきの足萎えを癒す奇跡から、パウロたちをゼウスやヘルメスの到来と受け取る現地の人々との齟齬が露わになる。ユダヤ人たちからは排斥され、異邦人からは誤解される。そのような中で生れた少数のキリスト者に、「多くの苦しみを経なければならない」とパウロは語りかける。

10日(月)午前中、眼科医で緑内障の定期検査。特に変化はない。しかし眼圧を下げる点眼を根気よく続けるように勧められる。世間では新型コロナ・ウィルスの世界的流行が伝えられている。パンデミックへの不安が募るが、一方でこの世界の資源を蕩尽するほどに増えすぎた人類の自然淘汰の一環ではないかという予感も棄て切れない。予防医学の限界ということも考えさせられる。

11日(火)韓国YMCAでの211東京集会に出席。友人の吉馴明子さんの講演。ごく普通の口調で語られるその天皇観に感銘を受ける。それにしても参加者が少ない。集会後神保町までの短いデモに参加して帰宅。留守中に謙と清美さん夫妻が来て、薔薇の枝処理と肥料やりなどの仕事を黙々としてくれる。夕食後、謙にNCAの集会の案内を作成してもらう。

12日(水)午前中聖書を学び祈る会。列王記下3-4章の預言者エリシャの活動を取り上げる。しかしエリヤとはかなり様相が異なり、集団化を前提としており、職業化して来ている。午後、2月末の農村伝道神学校での「日本宗教史」の集中講義の準備。特に近年の宗教事情から現代社会の分析を試み、翻ってキリスト教宣教を考えさせられる。夜、直子さんに手伝ってもらって確定申告の書類作成。

13日(木)午前中、何とか仕上げた確定申告を四谷税務署に提出する。いつもながらホッとする。午後はキリスト教会館でNCAの事務仕事。帰宅後、来週に予定されている『時の徴』発送作業の準備。私が会計担当なので、約450名の購読者の名簿の管理と、購読料の記帳、請求事務等、結構雑務がある。

14日(金)午後から、キリスト教会館のオウナー会議。水道光熱費の値上げ等について話し合われた。夜は、近くのカフェで『ジャーナリストにその本音を聞く』の司会。Japan Timesの記者川畑泰さんの発題。英字新聞にはOpinion Pageがあり、署名記事で自由に論説が書けることに驚く。天皇の戦争責任等についての川畑さんの記事が多数あるのだ。参加者も多く充実した集まりだった。

15日(土)午前中、聖書と人間を考える会で、年末に放送されたNHKラジオ「宗教の時間」での私の放送を聞いてもらう。「満州開拓基督教村 隠された事実との出会い」というテーマで、30分のインタビュー番組。録音されたCDが送られてきていたのだが、私自身は気恥ずかしくて聞いていなかった。それではいけないと批判されて、思い切って出席者と一緒に聞いてみる。この会のまとめ役・西村正寛さんが4月から語学教師としてインドネシアに赴任される。(戒能信生)

0 件のコメント:

コメントを投稿