2020年2月22日土曜日


牧師の日記から(254

216日(日)主日礼拝。使徒言行録15章の講解説教「最初の教会会議」。異邦人がクリスチャンになる場合、割礼を受けるべきかについて「対立と論争」が起こり、エルサレムで使徒会議が開かれる。ヤコブの裁定で、食肉についての食物儀礼と性的不品行を慎むことを条件に妥協が成立する。しかしこれで問題が解決したわけではなかった。いやむしろここから論争と対立が激しくなっていく。日本基督教団も同様で様々な対立と論争が続いている。粘り強く話し合い、なんとか一致点を見出して宣教の課題に共に取り組んでいかねばならない。礼拝後、オリーブの会で横森智子さんの講演「山梨県立美術館のコレクション ミレーとバルビゾン派」。パワーポイントを用いて、ミレーの作品が丁寧に紹介された。千代田教会は小さな教会なのに、素晴らしい賜物をもつ教会員に恵まれている。

17日(月)午前中、東駒形教会での月曜会に出席。大貫隆著『終末論の系譜』のヨハネ黙示録の項を、酒井薫牧師の紹介で取り上げる。黙示録の構造とその終末思想の特質が見事に描き出されている。

18日(火)午前中、神学読書会でハルナックの『キリスト教の本質』を山田邦彦牧師の紹介で読む。有名なゾームとの論争やトルストイの思想が取り上げられていて興味深い。牧師6名、信徒1名の参加。夜は、早稲田教会での「戦争を許さないキリスト者の会」に参加。堀江有里さんが、ジェンダーの視点から天皇制の問題を分析してくれた。帰宅後、釜崎の本田哲郎神父から『次世代への提言』の初校直しがようやく戻って来る。チェックして、「あとがき」の原稿を仕上げる。5月頃には新教出版社から刊行の予定。

19日(水)午前中、聖書を学び祈る会で列王記下5章のナアマン将軍のエピソードを取り上げる。預言者エリシャ伝承の一つだが、物語性に優れており、外国人がユダヤ教徒になる場合の問題が取り上げられる。新型コロナ・ウィルスの猖獗で、ピークが過ぎるまで、この聖書を学び祈る会は休止にすることにする。午後は『時の徴』の発送作業。購読者450名と購読依頼400の発送作業をしながら、3月の研修会や次号の編集の相談。夜はその残務処理と来週の集中講義の準備。

20日(木)午前中、3月の予定表を作成。昼前にキリスト教会館に行き、NCAの事務作業。定期刊行物の発送や3月の神学生交流プログラムの準備。午後、『次世代への提言』の編集者が来て、校正などの打ち合わせ。帰宅後、法政大学の高柳俊男教授が来られて、戦前の植民地の邦人教会の資料などについて話し合う。満州開拓基督教村についてのNHKラジオの録音をお貸しする。

21日(金)新幹線で京都へ日帰り出張。NCAの理事会出席のため。来年度の事業計画と予算案が承認される。施設の老朽化と研修所の営業困難など課題は多いが、スタッフの努力で何とか財政健全化も軌道に乗りつつあるようだ。
22日(土)昨日の疲れがまだ残っている。午後、富坂キリスト教センターの岡田仁主事が来て、同胞教会史の新しい研究会の打ち合わせ。(戒能信生)

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