2020年10月17日土曜日

 

牧師の日記から(288

1011日(日)主日礼拝。使徒言行録に続き、この日からルカ福音書の講解説教を始め、11-4の「献呈の辞」を取り上げる。この福音書は、イエス・キリストを歴史的に位置づけようとしている。聖書は天地創造から始まり、キリストの来臨による終末を予示して終わる。つまり循環的に考えられていた当時の歴史観ではなく、歴史には始まりがあり、そして終りがあるとする。それゆえそこに人間の倫理や責任が問われることになる。礼拝後、「聖書を読む会」でルツ記のナオミについて萩原好子さんの発題。

12日(月)午後から、先日刊行された『日本キリスト教歴史人名事典』について『本のひろば』のための書評対談をZOOMで。編集責任者の鈴木範久先生、日本キリスト教史の山口陽一、それに女性誌の小檜山ルイ、キリスト教文化史の釘宮明美さんたちと。夜は日本聖書神学校の授業で、中田重治についての受講生のリーディング・レポート。友人の鈴木健次さんから電話で、先日講演した「スペイン風邪と日本の教会」の内容を、NHKラジオの「宗教の時間」で話してほしいという依頼。あんな地味な話しが一般の視聴者の関心を呼ぶか甚だ疑問ではあるが、一応引き受ける。

13日(火)午前中は門前仲町の歯医者さんへ。帰宅後、信濃町教会の長老からの電話で、この8月に不慮の事故で亡くなった秋山眞兄さんの葬儀での弔辞を依頼される。この年になると、こういうつらい役割も引き受けねばならないのだろう。故・雨宮栄一牧師の追悼集の校正が送られて来たので目を通す。夜はZOOMで山口里子ゼミに参加。

14日(水)午前中は聖書を学び祈る会。列王記下1819章から、南王国ユダのヒゼキヤ王の事跡を取り上げる。超大国アッシリアの圧力の中でなんとか独立を守り通したこの王を、申命記学派は最大限に評価している。来週の池袋朝祷会での奨励の準備をする。

15日(木)昼前に『時の徴』1591100冊が納品される。来週の発送作業の準備をしなければならない。その後、西早稲田のキリスト教会館でNCAの事務処理。午後から本多峰子講師の「悪と苦難の問題を考える」に参加。アウグスティヌスの神議論を学ぶ。『信徒の友』の編集者と『歴史人名事典』紹介の企画の相談。そこへ教団出版局の編集者が来て、日本キリスト教史の講義を本にしないかと提案される。信徒向けに三冊本の予定とのこと。大きな仕事になりそうだが、有難いことではある。

16日(金)午前中、町田の農村伝道神学校に出かけて授業。この日は賀川豊彦を取り上げる。11月の初めに、故・雨宮栄一先生の蔵書を神学校に寄贈する仕分けをすることになっているので、その相談も。不要な書籍は古書店に送るので、その段ボール箱の手配なども必要になる。

17日(土)午前中、聖書と人間を考える会で病気に対する仏教の捉え方について水谷香奈さんの発題。聖書の理解と比較して興味深く、いろいろ考えさせられる。松野ヤスコさんも参加された。(戒能信生)

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