2020年10月24日土曜日

 

牧師の日記から(289

1018日(日)主日礼拝。ルカ福音書31-14節から、洗礼者ヨハネを取り上げる。ルカが描くヨハネは、「蝮の子らよ」と呼びかけながらも、人々を厳しく断罪していない。例えば、徴税人や兵士たちに、その仕事を辞めろとは言わず、ただ世俗の只中で真実に生きることを求めている。

19日(月)午前中、門前仲町の歯科医へ。この日で治療が終わりホッとする。夜は日本聖書神学校の授業。高倉徳太郎について講義。今年の4年生2名の卒業論文の指導を託されているので、その打ち合わせも。

20日(火)午前中、神学読書会で『次世代への提言』を取り上げる。中川美智子さんの丁寧な紹介と発題。牧師7名、信徒2名の参加。午後、故・秋山眞兄さんの葬儀での弔辞の原稿を書く。若い時からの友人を突然の事故で失った喪失感は大きい。創世神話のエノクのことを想起する。「エノクは神と共に歩み、神が取られたのでいなくなった。」(創世記524

21日(水)聖書を学び祈る会。列王記下20-21章から、ヒゼキヤ王の晩年とマナセ王の治世を取り上げる。この時期の南王国ユダは、超大国アッシリアに朝貢して政治的には安定するが(マナセの在位は55年も続く)、その倫理的宗教的頽廃を列王記は厳しく糾弾する。この国の政治や社会状況と共通するところがある。直子さんと『時の徴』の発送作業の準備。

22日(木)午後から『時の徴』編集委員会と発送作業。編集同人の6名が集まる。コロナ禍で教団や教区の活動が停滞し、またリモート礼拝の教会が多くなっている現状の中で、これからの教会の在り方と使命について話し合う。約450名の購読者、購読依頼の寄贈を400教会に発送する。

23日(金)午前中は農村伝道神学校の授業をZOOMで。夕方から、富坂キリスト教センターへ。共同研究「スペイン風邪と日本の教会」の初会合。関西の研究者たちはZOOMで参加。100年前のスペイン風邪の際の教会やキリスト教主義学校、そして幼稚園などの対応とその被害の実態について、各研究員が調査した結果を報告し合う。各教派の機関誌を調べての報告、キリスト教主義学校や幼稚園での宣教師たちの活動が注目される。また内村鑑三の再臨運動やホーリネスのリバイバルとスペイン風邪との関連についても考えさせられる。相当の被害が出たにもかかわらず、その事実は時の経過と共に忘れられてしまった。それは何故かという問いと、感染病を神学的・信仰的にどう捉えることができるかという課題が残る。来年、研究成果を新教ブックレットの一冊として刊行するための協議。

24日(土)朝7時半から池袋西教会での朝祷会で奨励。10名ほどの参加だが、コロナ禍の中でも共に祈る場が粘り強く続けられている。午後は信濃町教会で故・秋山眞兄さんの葬儀。短い弔辞を述べる。懐かしい友人たちが出席されていた。明日の礼拝の説教の担当ではないので、夜はゆっくり入門講座の準備。明治期、この国に讃美歌を通して西洋音楽がもたらされた。キリスト教と音楽との関わりの影響は大きかった。(戒能信生)

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