2026年8月22日土曜日

 

子育て相談カフェ通信15回「 地図なしに」大森意索

子どもたちの中には、地図を見ればパッとわかる子と、地図を見てもよく分からない子がいます。それは持って生まれた特性のようなものです。お母さんがスーパーでの買い物を子どもに頼む時、それも初めて行くところであったとき、どう説明するかを考えてみてください。地図で説明しますか?それともまず、角を右に曲がって少し行ったら信号機があるからそこを渡って左にいくとコンビニがあり、さらに進むと八百屋さんに着くというふうに説明するでしょうか?

子どもの得意・不得意が分かるある検査で、この地図を見てパッとわかる理解の仕方を同時処理と言い、地図ではなくて逐次方向を説明していく方を得意とする理解の仕方を継次処理と言います。そして、これは一人一人違っていて、どちらの方が得意かは、人それぞれ生まれながらに決まっているのです。そのことを知らないで、親や先生が、みんなと同じように(単に平均的なだけですが)教えようとすると、不得意なことはとても難しいのです。同時処理が苦手な子は地図は苦手なのです。ですから、それぞれの持ち味(得意、不得意)を知っておくと良いのではないかと思っています。

最近では自動車だとカーナビがありますし、個人でもスマホに頼って、とりあえず行き先を入力すれば、連れて行ってくれるようになりましたので、地図を見ながら探すということがほとんどないかもしれません。地図の苦手な子には朗報なのですが、最近ちょっと考えてしまいました。私もほとんど地図を見なくなりましたが、駅で行き先を入力してスマホで見るとき、自分がどちらに向いているのかが分からないということがあります。自分がどっちに向いて立っていて、どちらに向かって進んだらよいか分からないのです。そんな時はとりあえず10Мくらい歩いて、スマホで移動位置を確認する。そうやって位置を確認し、方向が逆だったら、もとにもどる・・・。結局、自分の足で歩いてみないとわからないのです。便利になり、機器に頼ってある程度素早く対応ができる社会になりましたが、どこに向かって進めば良いのかは、便利な機器だけではわからない。便利なものに頼っていろいろとできるようになったけれど最終的には自分で確認しないと、どの方向に向かっていくのかわからない。現代の私たちが抱えた状況を象徴的に示しているのかもしれません。

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